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【反響要約】NHKスペシャル 「追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学大国ニッポン~」▽東京大学の有名教授が複数の論文で実験画像をねつ造?研究費獲得競争の仕組みと増え続ける不正への対策…【2017年12月10日(日曜日)放送内容】



今回のNスペ「追跡 東大研究不正」はこんな内容!

2017年12月10日(日)放送のNHKスペシャルは「追跡 東大研究不正」についての特番。内容を3行でまとめると??

  • 去年8月、NHKに「東京大学教授の不正」を告発する文章が届いた!
  • なぜ研究不正が起きるのか?STAP細胞問題以来、研究不正が増えたのは小泉首相の「聖域なき構造改革」が関係?
  • 研究不正をなくすためには?日本よりも競争原理の激しいアメリカの改革を紹介する

NHKスペシャル「追跡 東大研究不正」番組データ

【放送日時】 2017年12月10日(日)21:00~21:50
【放送局】 NHK総合
【番組副題】 「追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学大国ニッポン~」
【語り】 渡邊佐和子

「渡邊嘉典」教授の論文に不正(東大発表)

始まりは2016年8月、NHKに届いた50ページに及ぶ研究不正の告発文からだった…。

ノーベル賞受賞者はこれまで6名輩出、日本の科学をリードする東京大学…。

告発文はNHKから東京大学へ…。

調査が始まり、その論文に不正があったと東京大学が発表しました。

不正をしたとされるのは将来ノーベル賞候補にも期待されていた研究者の「渡邊嘉典」教授でした…。

渡邊教授…教科書にも掲載「シュゴシン」の発見で頭角を現す

渡邊教授が所属するのが「東京大学 分子細胞生物学研究所」です。

研究所は生命科学の分野で世界トップクラスの実績――。

渡邊教授の研究成果は高校の生物の教科書にも載っている「シュゴシン(細胞分裂の鍵となる部位)」と呼ばれるタンパク質の発見等です。

2004年、この「シュゴシン」の発見によって42歳の若さで東大教授に抜擢されました。

当時の同僚に話を聞くと「とても優秀な人」「指導は厳しくても、学生たちから信頼されていた」といいます。

2017年8月…東大が渡邊教授の不正を発表

2017年8月。東京大学の調査委員会は「(論文に)不適切な加工が常態化していたと評価せざるをえない実態が存在しました。」と記者会見にて発表。

専門家が不正を詳細に調査すると、「シュゴシン」の存在は事実だが教授就任後に出た5本の論文16カ所のデータに不正があると認定されました。

サイエンス誌に掲載済みの画像にもねつ造が…

なかでも「サイエンス誌 2015年9月11日号」に掲載された「シュゴシン」と「がん」との関わりについて書かれた論文は世界から注目を浴びていましたが、その画像に不正があったとされています。

問題の画像は加工され、「がん」と「シュゴシン」に関係性があるかのように添えられていました。

その他、あるはずのデータを画像処理によって消したりと不適切な加工が2015年の論文の中で合計7カ所あったと言います。

この改ざんによって「実験者が望むストーリーを作り出せる」「科学的な正しさが確保されていない」と委員会は結論づけました。

この13年で世界的権威の雑誌「ネイチャー」「セル」「サイエンス」に掲載された16本の論文のうち4本に不正があったそうです。

なぜこのようなことが起きたのか?

NHKの1年に及ぶ取材交渉によって、渡邊教授の研究室にいた元メンバーが証言しました。

「メンバーが加工した画像にさらに教授自身が手を加え論文に投稿したこともあった…」「多少行き過ぎていても画像補正は必要だと考えていたと思います…」と証言、元メンバーたちは国際的な実績のある教授から画像加工を指示されれば従うしかなかった…といいます。

後に調査委員会は――

  • 画像の加工は積極的に行わなければならない」
  • 「メンバーの倫理意識が希薄になっていた」としています。

不正は大型資金研究費獲得の時期に行われた?…

渡邊教授は、2005年から13年間にわたり「特別推進研究」という数億円規模の大型研究費をもらっていました。

元メンバーによれば、特に次の大型研究の予算を申請する時期には「このままじゃだめだ!とハッパをかけていた」とのこと。

サイエンス誌に掲載された画像加工のあった論文が掲載されたのはちょうど研究費が切れる時期だったと研究室の元メンバーが証言しました。

画像の加工は許される一定のルールがある…

大阪大学 蛋白質研究所の篠原彰教授は――

  • 「画像の加工については一定のルールがあり単純に明るくするだけなら良いが、無かったものが見えたり、あったものが消えたりするような加工はしてはいけない」

わかりやすくしようとしてきた画像の加工。書いた論文が次々と認められる中で、いつしか行き過ぎてしまった…同じ科学者として残念…と篠原彰教授は指摘しました。

NHKからの質問に対する渡邊教授の回答

NHKが渡邊嘉典教授本人に文書でインタビューしました。

渡邊教授の回答は…

ミスおよび不適切な操作があったことは、私自身の認識不足、および指導、管理不足によるものと深く反省しております。ミスがあったのは事実ですがいずれも客観的なデータを反映したものとなっております。

実際に結論を左右したわけではなく、不正と認定されたことは大変残念に思います。

サイエンス誌に掲載された「シュゴシンとがん」との関わりの論文は、東京大学が不正と判断してから1ヶ月後に撤回されました。

現在、東京大学 渡邊研究室では渡邊教授以外のメンバーは全員研究室を去っています…。

相次ぐ日本の研究不正

日本では不正に関わったとされる研究者(疑いも含む)が増加傾向にあります。

白楽ロックビル博士が調べたところによれば、2000年頃から増加、2006年には東大工学部で研究データの不正が明るみになり、教授と助手が懲戒解雇、2014年には「東京大学分子細胞生物学研究所」で11人が不正に関与、不正報告は史上最多の32人にのぼっています。

さらにSTAP細胞の問題も発覚し世間を大きく騒がしました。

背景に「国の科学政策の変化」が影響?

東大で起きた研究不正の実態を調査してきた、黒木登志夫 東京大学名誉教授。

「2000年代から急に不正が増えたのは、国の政策と関係がある」といいます。

それは2001年に当時の小泉首相が打ち出した「聖域無き構造改革」です――。

聖域なき構造改革の内容は、科学の世界にも”競争原理”を取り入れること。

より優秀な研究に集中して多くの研究費が配分されるようになりました。

量子コンピュータ32億円、iPS細胞60億円

例えば、量子コンピュータのプロジェクトには32億円が投じられ、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の「iPS細胞」研究には5年間で60億円の研究費が投じられています。その結果、今や一部で人への応用が始まるまでに成果が出ました。

しかしもう一方で、研究者たちには「目覚ましい成果を上げなくてはならない」というプレッシャーを生んでいます。

その結果、研究者の多くは「研究費が不足」していると感じ、私財を投じてまで研究を継続する学者も現れました。

黒木登志夫教授は「スポーツの世界が示すように競争が発展の原動力であることに間違いは無いが、競争があまりに派手に強調されすぎると不正行為につながってゆく…」と指摘します。

研究資金配分~ 日本の科学研究の大きな課題

研究資金配分のしくみとは?

国から受けた研究資金を配分している団体「JSPS(日本学術振興会)」。

年間およそ2300億円の研究費の行き先を決めています。

日本学術振興会からの依頼で審査に携わってきた、大阪大学医学系研究科の石井優教授によれば、年間10万件の申請書を石井教授のような研究者(約7000人)が採点し、配分を決定する仕組みになっているとのこと。

審査は休みを潰して読み込まなくてはならず中には専門外の申請もあるため非常に時間と労力を要するそうです。

そんな中どうしても「ネイチャー誌などの有名な雑誌に掲載された実績」を重要視してしまう…といいます。

 

かつて研究不正によって東京大学を解雇された、多比良和誠さん(元東京大学院 工学系研究科 元教授)がインタビューに応じました。

かつて国から一億円以上総勢30人の研究室を率いていましたが、有名科学誌に論文を掲載している助手が手柄を焦り不正を行われてその責任をとって東大を解雇になったとのこと。

その他の関係者のインタビューでも大きな成果を上げるために不正を行う研究者は居るといいます。

科学研究の未来は?研究不正はどうしたら防げる?

日本以上に厳しい競争原理を取り入れているアメリカ。

ノーベル医学生理学賞受賞者のランディ・シェックマン教授は「有名科学雑誌のインパクトだけを参考にせず、研究そのもの」で総合的な評価するよう大学などに提言しています。

この提言を受けて、アメリカで年間約3兆円もの研究資金を配分している「NIH(アメリカ国立衛生研究所)」では、日本とは違う仕組みを採用しました。

  1. 年間8万件の申請書がNIHに送られてくる
  2. 研究者2万人が申請書を分担して採点する(ここまでは日本と同じ)
  3. さらに250人の直接雇用(本業の研究を一時休む)した研究者が詳細な採点をする

NIHではこの直接雇用の審査のために年間100億円を投入しています。

2年前には、申請書の内容も変更し、「実績欄」では有名科学誌の名前では無く「科学にどう貢献してきたか」を具体的に、「計画欄」では実験の正確さや再現性をどう担保するのか詳しく書くようにしました。

これらの記入欄は現在の日本の申請書にはありません。

さらに、研究資金に上限を設け「一発当たったら大きな金額」という行き過ぎを改めてより多くの研究者に配分されるようにしました。

日本の科学研究の未来は?

今、ノーベル医学生理学賞受賞者の大隅良典栄誉教授などから「過度な競争を見直すべきだ」という声が上がり始めています。

大隅良典栄誉教授は2017年9月、「大隅基礎科学創成財団」を設立。

”花形研究”ではないため資金獲得競争から取り残されがちな「独創性に優れた研究」や「基礎研究」へ研究資金の援助をするために設立されました。

研究者の目線で「この人サポートできたらいいね」という人をサポートすることを目標としているとのことです。

(※2017年12月10日(日)「NHKスペシャル 追跡 東大研究不正」放送より)

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