2017年10月1日(日曜日)に放送のNHKスペシャル 人体 神秘のネットワーク。
第1集は肝腎要(かんじんかなめ)の「腎臓(じんぞう)」について――。
腎臓は1日180リットルもの血液を濾過、必要な栄養素を再吸収して血液に戻しています。また体中の臓器と会話し、血中成分をバランスよく調整して他の臓器も守っています。そのため腎臓が悪くなればたちまち「多臓器不全」になり死に至ることも…。
NHKスペシャル 人体番組データ
【放送日時】 2017年10月1日(日曜日)21:00~21:50
【放送局】 NHK総合
【番組副題】 第1集「腎臓が寿命を決める」
【出演】 タモリ 山中伸弥 石原さとみ 北島康介
【司会】 久保田祐佳
NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク 第1巻:【プロローグ】神秘の巨大ネットワーク【第1集】“腎臓"が寿命を決める
- 作者: NHKスペシャル「人体」取材班
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2017/12/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今回の「Nスペ 人体1 腎臓」はこんな内容!
- 腎臓(じんぞう)はおしっこを作るだけではないよ!
- 腎臓は骨に血液を増産する命令を出したり、血圧までコントロールする体の司令塔をしています
- 長寿と関係がある”リン”という物質の調整をして人間の寿命も左右します!
長寿の鍵は腎臓にあり?
腎臓といえば、腰の少し上にある”おしっこを作る臓器”として知られています。おしっこの量は1日に1リットル~2リットル位。
しかし腎臓が1リットル~2リットル位のおしっこを作るために処理する全体の水分量はなんと180リットルにもなります。これにはタモリさんも驚いていました…。
👉[腎臓 位置] pic.twitter.com/qslG5xrNoH
— 鈴目 (@rekill) 2017年7月22日
腎臓からのメッセージで体内パワーを引き出せ!
標高2000メートル以上ある高原地帯。アメリカ・フラッグスタッフは日本代表(東海大学)の「高地トレーニング」場として長年使われています。
今回もリオデジャネイロ五輪競泳金メダルの金藤理恵さんをはじめとする選手が集まっていました。
酸素が薄いので、一時的に酸欠状態になりますが数週間練習していると体がだんだん慣れてきて(高地順応)正常な酸素量となります。
運動生理学者の ダニエル・バーグランドさんによれば、体に酸素が足りなくなると「腎臓」が反応し「EPO(エポ)」と呼ばれるメッセージ物質を出します。
EPOは血流に乗って全身へ…。骨に到着し酸素を運ぶ赤血球の増産を始めます。(※血液は骨の内部で作られています)
赤血球が増えると全身の筋肉に行き渡る酸素量も増えるため酸素量が正常に戻ります。これが高地順応の仕組みです。
腎臓は私たちの普段の日常生活で常に酸素量を監視し、必要な赤血球の量を調節しています。
高血圧が治る!?最新治療とは?
ドイツ ライプチヒ心臓センター。
脳卒中や心筋梗塞の原因ともされる「高血圧」を研究しています。
この病院では他の病院で”打つ手なし”とされた重症の高血圧患者の為に最新の外科手術治療「腎デナベーション手術」をしていました。
手術を担当するのは心臓専門医のフィリップ・ルーツ先生。
太ももの血管からカテーテルを入れ、腎臓の神経の一部を焼き切る手術です。
腎臓は血圧もコントロールしていて、「レニン(=血圧をあげようよ!)」というメッセージ物質を全身に送っていると言います。
研究により高血圧の患者がこのレニンを出しすぎていることも解ってきました…。そこで神経の一部を取り除き、レニンの放出を抑え血圧を下げようという手術です。
実際にこの手術を受けた人は、血圧が正常範囲になり健康を取り戻したとのことです。
腎臓は体内血液全ての司令塔だった!?
(腎臓映像:甲賀大輔 旭川医科大学准教授=顕微鏡撮影のエキスパート)
(腎臓映像:西村智 自治医科大学教授=8K顕微鏡開発者)
(医学CG:クラウス・エンゲル博士)
腎臓には微細な血管が特に多く集まっていて「血液の管理者」として働いています。心臓が送り出す血液の4分の1は腎臓に向かうとのこと。
例えば血液中のカリウムの調節などもしています。
カリウムは身体に欠かせない栄養素なのですが、増えすぎると生命の危険もあります…。(※少なすぎると心臓に不整脈を起こす)
山中伸弥教授がバナナを例に上げて説明しました。
バナナにはカリウムが多いため、カリウムが増えすぎないように腎臓が常に含有量を調整しているそうです。
そのため、慢性腎不全の方は調整が効かないためバナナを食べることは禁止されているとのこと…。
腎臓が尿を作り出すしくみとは?
- 糸球体(しきゅうたい) … 血液から尿を作り出すろ過装置。1つの腎臓に100万個もある。大きさは0.2ミリ。原尿を作り出す。
糸球体には血液が流れ込んでいます。内部にはフィルターの役目をする無数の穴が空いていて、赤血球以外の老廃物を濾し取っています。
糸球体を抜けるとその先には”尿細管(にょうさいかん)”があり、びっしりと絨毯のように細かな毛が生えた微絨毛(びじゅうもう)というエリアへ…。
微絨毛によってさらに体に必要な成分を取り出し、血液に戻す作業が行われています。
例えば、塩分を取りすぎた時は塩分の再吸収を少なくして不要な塩分を尿に出す機能も持っています。
腎臓は他の臓器(脳、胃、腸、骨、肝臓、肺など)と会話しながら絶妙に成分を調整した血液を再放出するという驚きの機能も持っているとのことです。
腎臓は体の血液のろ過装置!
体から尿として出てゆくのはわずか1%。99%は再吸収されて血液に戻されてゆきます。その量はなんと1日180リットル!
腎臓は24時間休むこと無く血管の成分をコントロールしています。
腎臓が寿命を決める!長寿の鍵を握る物質とは?
- ネズミ … およそ3年
- 羊 … およそ20年
- 像 … およそ70年
体が大きい動物ほど長生きと思われがちですが、体が小さいのに長生きする動物もいます――。
- ハダカデバネズミ … およそ28年
- コウモリ … およそ30年
- 人間 … およそ75年
なぜ体が小さいのに長生きなのでしょうか?
その理由は「リン」という成分が多いか少ないかに鍵があるといいます。
血液中のリンが少ないほど長生きするのです。
リンは肉や豆類に含まれる大切な栄養素で、不足すれば「呼吸不全」「心不全」「骨軟化症」「くる病」を発症します。
逆に多すぎれば、老化を加速します(=なぜ老化が進むのかは解明中)。
血液中にリンが増えすぎると「骨粗鬆症」「石灰化」が進行します。
リンも腎臓が調節しており、腎臓の機能低下でリンの調整機能が低下すれば老化が一気に進みます。
腎臓の状態をチェックして多臓器不全を防げ!
今医学の世界で重要なキーワードがあります。それは…
- 心腎連関(しんじんれんかん)
- 肝腎連関(かんじんれんかん)
- 肺腎連関(はいじんれんかん)
- 脳腎連関(のうじんれんかん)
- 腸腎連関(ちょうじんれんかん)
- 骨腎連関(こつじんれんかん)
と呼ばれるもの。肝腎要の腎臓を中心として調和が取れて体が成り立っていますが、腎臓が一度調子が悪くなると、心臓、肺、肝臓、脳、腸、骨などへの成分調整が効かなくなってたちどころに「多臓器不全(たぞうきふぜん)=様々な臓器がダウンすること)に陥ってしまいます。
多臓器不全になれば、わずか数日で命を落としてしまうほど怖い病気です。
腎臓の不調に築いてさえいればヨーロッパだけで年間20万人もの命が失われているとわかりました。
弱った腎臓に”薬”が最後の1撃!?
大量の血液が通過する腎臓は、溶けた薬の成分が流れてくるため薬による影響を最も多く受けてしまいます。
腎臓の内部の複雑で精緻な機能のため、薬の成分が思いもしない場所で悪影響を出しかねないのです。
イギリスの病院(南部 ワージング病院)では、腎臓の機能低下による多臓器不全を防ぐため、まず薬を辞めて腎臓の機能の回復を待つ試みを始めました。
するととたんに救命率が上昇したといいます。
この結果を受け、腎臓病とは関係ないすべての入院患者に腎臓をリアルタイムで見守るシステムを導入ました。
腎臓は一度やられると取り返しが尽きません。まずは腎臓の機能不全を見つけできるだけ早く手を打つ対策を始める必要がありそうです。
日本でも京都大学などで腎臓内科医が活躍し始めています。人体をネットワークとしてとらえ全ての患者の腎臓の状態をチェックする試みも始まりました。
腎臓のため「余分な薬は飲まない」!
腎臓はもっとも薬の成分の影響を受け傷つきやすい場所です。
そのため、医師から処方された以外の余分な薬は飲まないほうが良い。といいます。
また、水分は特に大切。腎臓が血液の成分を調節するためには水分は絶対に必要となります。喉が渇かなくても常に側に水を置いて時々飲むように心がけましょう。
(※2017年10月1日放送『第1集「腎臓が寿命を決める」』より)
シリーズ人体 反響ツイート
Nスペ、今日は腎臓。
— お ふ み @ # ハ イ セ ン ス マ イ ノ リ テ ィ ー (@BENI_rainbow) 2017年10月1日
何年か前、膀胱炎を拗らせたときのしんどさね。
人体シリーズ始まった!タモさんだわ!まずは腎臓から。。。 #タモリ #Nスペ
— chai (@chaifulacoco) 2017年10月1日
https://twitter.com/maronna0818/status/914467795978481666
Nスペ人体で腎臓のこと、腎臓の働きは重要なんだなと。
— れお (@sumineko_L) 2017年10月1日
腎臓の異常が様々な臓器に波及しての多臓器不全を起こすらしい。動物も腎臓に起因すると思われる死因は多いけど、血液検査でモニタするなどしかないのかな……
Nスペの「人体」では、腎臓が様々な臓器を繋ぐネットワークとして働いていることが紹介された。身体各器官のメッセージを腎臓が受け取り、血液成分を調整しているという。占星学では腎臓はてんびん座に配置されるが、ネットワークの要として生体のバランスをとるという意味で、実によく適合している。
— 天体位相研究カルデア《占星術つぶやきメモ》 (@pneuma_2007) 2017年10月1日
今夜のNスペの腎臓特集見てそーなんだ腎臓ってスゴイんだってなったよ#Nスペ
— 左右美 (@rokachitored) 2017年10月1日
昨夜のNスペ見て、地味な臓器だと思ってたけど、腎臓凄い!尊い!ありがとう〜〜👏ってなった人がとっても多そう。別にヒーリングが出来なくても、その臓器に優しい意識を向けてあげるだけでも、きっと全然違うだろうなぁ。(←謎の腎臓目線)
— wakazow💫 (@bendandsnap0514) 2017年10月2日
司令塔 #腎臓 が弱ると多臓器不全に繋がる。通常なら有効な薬も腎臓の負担となる。腎不全に対して、そういった薬をやめることで、腎臓、ひいては命を救えることが常識化しつつある。【現代医学の大成果】#Nスペ
— 🇯🇵🇵🇼🇧🇩習近平 国賓反対 (@3hinomaru) 2017年10月2日
シリーズ #人体
神秘の巨大ネットワーク 第1集“腎臓”が寿命を決める
次回の「Nスペ 人体」は…”脂肪と筋肉”
次回のNHKスペシャル人体は「脂肪と筋肉の会話がメタボを直す」です。11月5日(日曜日)よる9時放送予定。
前回の「Nスペ 人体」は…”プロローグ”
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