カンブリア宮殿「iPS細胞と山中伸弥教授」
2017年4月13日(木曜日)テレ東にて放送の「カンブリア宮殿」は、iPS細胞を発見したノーベル賞研究者「山中伸弥教授」を取り上げた。iPS細胞の仕組みや将来の展望、ノーベル賞の実績があっても進まない日本の研究環境など、日夜資金集めと研究プロジェクトに奔走する教授の姿が紹介された。
カンブリア宮殿番組データ
【放送日時】 2017年4月13日(木曜日)
【放送局】 テレビ東京
【番組副題】 ”夢の医療”最前線!あのiPS細胞で難病患者に光が!
【スタジオゲスト】 山中伸弥教授(京都大学医学部)
【カンブリアFile No.533】
【ナレーター】 高川裕也
【司会】 小池栄子 村上龍
iPS細胞に夢を託す人々…
井沢茂さんと妻の仁美さん。
井沢茂さんは、仕事中交通事故にあった。一命はとりとめたが脊髄損傷のため下半身不随となった。
当時、医師から「二度と立って歩くことは出来ない」と言われ自暴自棄になったことも…。井沢茂さんは、今は実験段階だが何年後実用化されれば自分の足も再生できるのでは?と期待している。
iPS細胞の再生医療はそんな人々を救い出せる力を秘めていた…。
国家プロジェクトとなった「iPS細胞」
京都大学の山中伸弥教授。
2007年にiPS細胞の作り方を発見。
国家プロジェクトとして国も1100億円を予算計上している。
目の網膜シート実用化一歩手前
2014年9月神戸では、理化学研究所(髙橋政代プロジェクトリーダー)が人への臨床試験を開始している。
理化学研究所が成功したのは、iPS細胞で目の網膜を作ること。
目が見えなくなる難病”加齢黄斑変性”の治療に有効だと言う。
使えなくなった網膜を取り除き、その部分にiPS細胞で作った網膜シートを貼って補うと再び見えるようになるというもの。
また大阪・吹田市「大阪大学医学部」では、iPS細胞で心臓の筋肉を作っていた。
心臓血管外科の澤芳樹教授は、まだ実験段階だがこのシートを心不全の患者に貼ることで正常な心筋に再生できる可能性があると言う。
すでに人の心臓への応用が始まっている。
また、横浜市大では谷口英樹教授(臓器再生学)がiPS細胞による「ミニ肝臓」まで作り出していた。(クラレとの共同開発)
iPS細胞がなぜ人体の様々な部分に変化できるのか?
そもそもiPS細胞がどうして人体の色々な部分に変身することが出来るのか?
人の細胞は卵子が受精した瞬間、一つの細胞からあるものは筋肉細胞に変化したり、神経細胞になったりしてそれぞれ変化し増殖する。
これらの細胞はいったん変化し終わると再び別の組織に変身することはないと考えられていた。
ところが、世界の研究者の間で成長した細胞でも受精卵に近い状態に戻す「初期化」が出来るのではないか?と言われ始める…。それが、山中伸弥教授が発見したiPS細胞だった。
教授は人間の皮膚などの細胞に4つの遺伝子を加えると細胞がリセットされ何にでも変化可能な細胞(iPS細胞)に変化することを確認。
山中伸弥教授は、この初期化の方法を発見したことでノーベル賞を受賞した。
日本は現在、iPS細胞を使った再生医療で世界のトップを走っている。
巨大ビジネスも始動?新薬開発
そんなiPS細胞に巨大ビジネスも動き始めている。
武田薬品工業湘南研究所(神奈川・藤沢市)では、毎月山中伸弥教授が通いつめていた。
2015年4月に武田薬品工業と共同研究を発表していたからだ。
熾烈な新薬の開発合戦が始まっている。山中伸弥教授も「武田薬品工業の全てのリソースにアクセス可能な状況は思っていた以上に自分の研究をパワーアップする力になっている」とその有用性を語った。
武田薬品工業では、iPS細胞の技術を使って「筋ジストロフィー(筋肉細胞が破壊される遺伝性の難病)」の細胞を培養して増やしている。
培養した筋ジストロフィーの細胞を使い、新薬をテストすれば効率的に効く薬を開発できるのだ。
つまり筋ジストロフィーの患者が居なくてもスピーディーに試験管レベルで新薬をテスト・確認できる。その結果、新薬の開発スピードは飛躍的に上がった。
(VTR解説:武田薬品工業の佐々勝則さん)
京都大学医学部附属病院
山中伸弥教授の拠点は京都にある。
鴨川の辺りにある、京都大学医学部附属病院。(京大病院)
山中伸弥教授は、総工費100億円を投じたiPS細胞研究所(CiRA=サイラ)の所長を務めている。
同時進行する研究のリーダーであり、研究資金の調達役でもある。
「最近は研究者でなく、経営者の顔も出てきた」と語る山中教授。
「患者さんは今もどんどん悪くなっている。一刻も早く研究を完成し実際の患者さんに届けたい」と熱く語った。
現在のiPS細胞の課題とは?
臓器そのものは作れない…
iPS細胞はどんな細胞にも変化できるが、実は臓器そのものは作ることが出来ない。
つまり、脳そのものや心臓そのものは作ることが出来ない。
今作ることが出来るのは、脳や心臓の細胞だけ。
ただ、今もたくさんの研究者が臓器そのものを作る研究も行われている。
自分のiPS細胞を作るのに1年もかかる…
例えばある臓器に病気があるとして、自分の臓器に使うiPS細胞を培養するのに、なんと1年もかかる。
1年経てば重症の心臓病、肝臓病の患者さんはなくなってしまうこともあるため、スピードが要求されていると言う。
山中伸弥教授の苦難の道のり
ソフトバンクの孫正義社長主催のイベント。(孫正義育英財団特別対談)
山中伸弥教授が特別ゲストとして対談した。「究める」ことにこんなに長けている人もいないと孫社長も惚れ込む。
1962年東大阪の町工場の家に生まれ、父親から医師を薦められ神戸大学医学部へ進学。
ラグビーに打ち込み10回以上も骨折した経験も。そのなかで整形外科医にあこがれ外科医としてスタートした。
しかし簡単な手術でも執刀に長時間かかることが続き”ジャマナカ”と呼ばれた事も…。「自分は整形外科医に向いていない」と感じて、27歳の時、大阪市立大学大学院の薬理学教室へ入学し研究者の道を歩むことに。
サンフランシスコにあるグラッドストーン研究所、31歳の時に初めてここで研究を始めた。
グラッドストーン研究所の元所長だった、ロバートメーリーさんと出会い研究の目標をより明確なものとした。
日本の大阪市立大学に帰って研究を続けiPS細胞に出会う。
当時を知る、大阪市立大学の三浦克之教授は何度も挫折して泣きそうににる山中を診ていると証言。特に日本では自分で実験用マウスの世話をするなど研究と関係のないところに時間ばかり取られるなど実験環境は最悪でうつ状態に…。
そして、17年目。iPS細胞を発見した。
日本の基礎研究が危ない!!
東京大学の研究所。
幹細胞治療部門の中内啓光教授はiPS細胞を使って「マウスとラットのキメラ」を作った。中内教授はiPS細胞を注入することで豚の体内で人間の臓器を作る研究などを開始した。
しかし中内教授は日本を飛び出しアメリカへ。
日本では少し変わった研究をすると役所が出てきて規制を始めるため自由な研究ができないと中内教授。
また、ノーベル賞をもらってもアメリカと比べると研究費が一桁から二桁低いという。日本の研究環境では、論文の校正を専門にするエディターさえ居ない。
アメリカやヨーロッパではマラソンをしたりして大きな寄付を集めるチャンスがあると言う。日本での寄付活動は思うように集まらないと教授。
CiRAで進むiPS細胞普及への準備
京大病院には、最高レベルのクリーンルームが用意されている。
現在iPS細胞をここに集め将来に備えストックしている。
いかに安く沢山の人にiPS細胞を届けられるか、いま何千人、何万人への普及にかけた取り組みが続いている。
将来は、寝たきりや介護を必要としない「健康寿命」を出来る限り伸ばしたいと山中伸弥教授は語った。
カンブリア宮殿反響ツイート
vwはVision & Workhardの頭文字だよと。 iPS。 山中伸弥。 #tvtokyo #カンブリア宮殿
— 思いつくまま (@junomo13) 2017年4月13日
今日カンブリア宮殿で山中教授のiPS細胞研究を見た。アメリカの研究所に行った時、研究所所長から大切な事は、フォルクスワーゲンのVW が大切だと言われたと言う。Wはwork hard でV はvision だと言う。自分はvisionが必要と。小池都知事にはvision無し。
— komichi (@komichi49204650) 2017年4月13日
大金持ちの皆さま
— 葉っぱ♡ 2022年前進あるのみ🍀 (@leafinkobe) 2017年4月13日
山中教授の研究に寄付を…。#iPS細胞#カンブリア宮殿
https://twitter.com/sel_cof/status/852518094475886592
マウス世話した体で細胞に向かえば、そらコンタミするわな。 #カンブリア宮殿
— えびテン (@ab10_blog) 2017年4月13日
山中教授の、こういう発信活動にも本当に頭が下がります。日本の研究環境も良くなってほしいなー。
山中先生がいうように、研究のための寄付集め活動は大変だし、研究環境が悪いと、人材が流出するよね。場合によっては、国籍を変えてしまう。 #カンブリア宮殿
— ま〜くん(宮川)@2拠点生活 (@miya_twtr_area) 2017年4月13日
カンブリア宮殿
— ペダル (@gsps3117) 2017年4月13日
山中先生レベルでも研究費をご自身で集めていらっしゃるのか
我々ごときにお金が回ってこないのも頷ける
ドリーは巨乳女優の名前w
— ANBON (@an_bonisj) 2017年4月13日
#カンブリア宮殿
IP細胞の山中教授にクローン羊ドリーについて聞いたところ
— ハルマ刻彦 (@t_haruma) 2017年4月13日
「ドリーは乳腺細胞から誕生したので…巨乳女優の名前がついたんです」
…ぬ!?日本だったら栄子とかになってたのか!?
そしてちょうどカンブリア宮殿といえば小池栄子(´・ω・`) #カンブリア宮殿
特殊な細胞の持ち主が存在し「他家移植」に拒絶反応の少ない細胞の大量生産貯蔵しコストが下がり多くの人がその恩恵を受ける事が出来そう。 iPS。 #tvtokyo #カンブリア宮殿
— 思いつくまま (@junomo13) 2017年4月13日
https://twitter.com/mich40161489/status/852520348427755525
今日のカンブリア宮殿、考えさせられた。
— ナツオ【みきびと】 (@Kdchristmas) 2017年4月13日
分野は全く違うけど、私がいた間でも多くの教授が海を渡ってったな・・・
カンブリア宮殿でiPS細胞の山中先生。鬼も笑う2、3年先も命があるか分からないけど、20年30年先を楽しみにしている。私の方もちょうど仕上がっているはず。
— izumi (@izumi__fountain) 2017年4月13日
カンブリア宮殿に山中教授が出ていて、久しぶりにかじりつくようにテレビを見た。本当にかっこいい研究者だ。
— Yuji Shimada (@caramel__boy) 2017年4月13日
月末に寄付しようと思います #tvtokyo #カンブリア宮殿 #iPS細胞 https://t.co/taqereILRl
— ぞーきゃすらー (@Zo_Kath_Ra) 2017年4月13日
山中先生すごいな、と思うのは、CiRAにちゃんと知財管理室や国際広報部作ってるとこだな…社会とCiRAのかかわりを、キチンと捉えてるというか #カンブリア宮殿
— yumico saca (@SacaYumico) 2017年4月13日
今夜の『カンブリア宮殿』、見て良かった😄IPS細胞で治るかもしれない…😌何十年後になるかもしれないけど、必ず良くなる❗と希望を持ち続けよう😊
— めえ (@gold_lino) 2017年4月13日
カンブリア宮殿、最初から見ていればよかったな……。山中教授の、あの粘り強さを見習いたい。私、すーぐ諦めるから残念な結果なんだろうなーとすごくグサグサ刺さりました……。結果出てないのに、雰囲気で「あー、ダメだな今回も!」って比較的早い段階で匙投げてるw
— メイ (@may157cm) 2017年4月13日
今“カンブリア宮殿”で山中教授が出演されていた。日本での研究に対する寄付金の少なさについておっしゃられていたが、著名人が寄付金の額を明かしたくらいで非難をする人たちがいるくらいだし、寄付が特別扱いされている現状ではどだい無理な話よね。もう少し気楽にやればいいのに #カンブリア宮殿
— タウベ@しばし低浮上 (@taube_eto) 2017年4月13日
https://twitter.com/gagogakakei/status/852521981572403200
カンブリア宮殿で山中教授「日本では寄付の文化が根付いていない」
— マナト (@manato988) 2017年4月13日
日本で寄付文化を広めるために何ができるか。
透明性、手軽さ、貢献の実感を提供する何かを作ろう。
所得税に復興税が上乗せされてるが、復興税の使い道がイマイチ怪しいので、復興税の分をiPS研究に寄付したいもんだよ。それなら納税してもいい。 #カンブリア宮殿
— hanzou_blue (@ampan_88) 2017年4月13日
アメリカは寄付が節税対策になる。日本はならない…だから金持ちがふるさと納税に群がった。ふるさと納税は収入が多い人ほど節税効果のある制度だった。もう返礼品に規制かかったけど。 #カンブリア宮殿
— hanzou_blue (@ampan_88) 2017年4月13日
https://twitter.com/2_version2/status/852522121511149569
カンブリア宮殿 なんで?小保方さんディスった?
— 0.004%しかいない人 Yoh (@zero_01_one) 2017年4月13日
【ビジネスオンデマンドで配信中】
— テレ東BIZ (@txbiz_ondemand) 2017年4月13日
カンブリア宮殿:なぜ、"手術下手"な医者が、ノーベル賞をとれたのか?
山中教授の格闘の半生と、実用化が近づく"iPS医療"の最先端に迫る! #カンブリア宮殿https://t.co/BuIhoDzt7g
山中教授自身がマラソン走って寄付金集めてるそうで、さらに日米間の寄付文化の差について語ってたのが他の分野で(少額ながら)やってる手前非常に面白かった
— Op Fune (@FuneOp) 2017年4月13日
”過度な期待を持たず、冷静に希望を見出すことが求められている”
村上龍は良いこと言う
カンブリア宮殿みたいのが日本凄い系番組だよね https://t.co/wHtz0hTw5z
カンブリア宮殿:テレビ東京
— 高橋 匡 (@todays_luck) 2017年4月13日
➡️iPS細胞技術で、テロメア(人間の寿命に関わる回数券の様なモノで、細胞分裂の度に短くなり、約50回を限度として、分裂出来なくなる)を伸ばす酵素、テロメラーゼの増殖は出来ないか?
将来は不老不死となる? https://t.co/Ch7rhGTbTt
カンブリア宮殿面白かった
— か◇が◇み (@kagamirror18) 2017年4月13日
iPS細胞は人類救うが一般化は20~30年か
寄付がないから研究者自らマウスの飼育までやらされるっつーのは
競争力落としてる
国策が必要だ#カンブリア宮殿 #iPS細胞 #山中伸弥 #税金の使い方
カンブリア宮殿に山中教授。ノーベル賞をもらった人でもいろんな苦難があるんだなと、その人間味も魅力。山中教授のビジョンは人助け。早く人の命を助けたいと。後研究費が足りないらしく資金集めにも取り組んでました。
— chibitachibita (@chibitachibita) 2017年4月13日
カンブリア宮殿に出演した山中先生の本意はこの危機感やろうな「注目を集めることでiPS研究へ寄付を呼びかける。欧米に比べて圧倒的に学術研究に寄付が集まらない日本」スタンフォードに移った中内先生を取り上げる構成やったのも、そこやろうし https://t.co/KtZ3KM922H
— 西中島ラモーンズに黄砂がふる (@sowhatdosickie) 2017年4月13日
昨日のカンブリア宮殿で山中教授が日本はすぐ役人だ規制だで発展が遅いって仰ってたけど捉え方によっては今後犯罪大国になる可能性も否めない気がする。
— 山団子△文々。友の会 風18 (@momijiwanwano) 2017年4月13日
お隣の戦争の結果難民受け入れとかになったらいよいよやぞ
カンブリア宮殿。パソコンや電化製品でしか聞かなかった初期化が細胞に対して出来るなんて山中伸弥さん今さらだけど凄い!それなのにマラソン走るしね🎶
— ばんび (@bmb1202) 2017年4月13日
来年に大きく伸びるための調達を加速させています。
— 佐藤和則 kazunori sato (@satokazu116) 2017年4月14日
昨晩のカンブリア宮殿のiPS細胞の山中教授も最初は大変でしたしとても勇気を頂きました。
私どもも分野は違えど新しい発明で認知されるのにまだまだ先は長いです。... https://t.co/qHrKbfoS4Z
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