今日のあさイチは「うつ(鬱)」について…
今回のあさイチは【うつ】と思っていたらそれは「うつ病によく似た別の病気だった…」というお話です…。
例えば鬱病と双極性障害では治療法が全く違うのに間違った薬を長期間処方されてしまっていたら…もし症状が改善しないという方は”本当にうつ病なのか”もう一度チェックを!!
『あさイチ』5月8日(水)番組データ
【放送日時】 2019年5月8日(水曜日)08:15~09:55
【放送局】 NHK総合テレビ
【番組タイトル】 あさイチ「あなたの【うつ】、本当に【うつ病】ですか?」
【司会進行】 博多大吉 博多華丸 近江友里恵(NHKアナウンサー)
【コーナー担当】 馬場典子(フリーアナウンサー)
【スタジオゲスト】 的場浩司 三田寛子
【スタジオゲスト専門家】 渡邉衡一郎(杏林大学医学部 教授) 小林エリコ(作家・NPO法人コンボ職員・うつ病の当事者)
【5月8日あさイチ】うつ病と診断され1年以上投薬治療を続けているのに治らない患者の6割に「双極性障害・甲状腺機能障害・睡眠時無呼吸症候群」など、うつ病以外の疾患が見つかった。治療方法を変えたところ、うつ状態が改善する患者が相次いでいると…。問診の限界を感じる→https://t.co/08HnnyD1Gp pic.twitter.com/c9lqxCwbwp
— 盛田隆二 (@product1954) May 7, 2019
あなたの【うつ病】はうつ病によく似た別の病気かも!?
うつ病(鬱病)を抱える人は現在、日本全国で15人に1人の割合だそうです。
しかもそのうち3割が1年以上治療しても治らないといいます…。(3割の根拠は”Rush AJ et al. Am J Psychiatry, 2006”より)
でも治らない3割の中に、実は”うつ病”では無く別の原因が見つかった…という事例があることが近年判ってきました!
例えば――
- 気分が落ち込む
- 疲れやすい
- 集中力が続かない
――といったうつ病の代表的な症状は…
- 脳梗塞
- 甲状腺機能低下症
- がん
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 認知症
――のようなうつ病とは全く別の病気でも同じように引き起こされるのです。
抗うつ薬を飲み続けても治らない患者Tさんの場合
Tさんは2年前うつ病の診断を受けそれ以来、抗うつ薬を飲んでいました。
しかし全く症状は改善せず効果は無し…。それどころか以前より頭がボーッとして何事にも集中できない状態になってゆきました。加えて夜も眠れません。
そこでTさんは2019年1月、都内の大学病院(杏林大学 医学部附属病院)を受診――。すると初めて”うつ病”以外の病気の可能性を指摘されたのです。
杏林大学 医学部附属病院の高江洲義和先生によれば、治療してどんな薬を使っても鬱状態が改善しないと言う場合は、”別の病気が隠れている”かも知れないといいます。
うつ病と”睡眠時無呼吸”の併発は4割も!!
Tさんの睡眠状態の検査(酸素や脳波、心電図など)を行ったところ「睡眠時無呼吸症候群」であることが判ったのです。さっそくうつ病の治療と平行して、睡眠時無呼吸症候群の治療(呼吸器”CPAP”による)を加えました。
現在、うつ病の方が睡眠時無呼吸症候群も併発している割合は4割と言われているそうです。(「Subbs B et al. J Affective Disorders, 2016」より)
その後睡眠の質が向上したTさんの症状は改善され、日常生活が送れるようになったと言うことです。
ちなみに睡眠時無呼吸症候群のチェックポイントは以下の通り――
- いびきがひどい
- 睡眠中、呼吸が頻繁に止まる(1時間に5,6回も)
- 朝だけ頭痛やだるさがある
- 朝起きたときの血圧が高い
- 昼間の激しい眠気 …など
「うつ状態」と「うつ病」…意味の違いとは?
杏林大学医学部教授の渡邉衡一郎先生によれば、うつ状態とうつ病は違うといいます。
うつ状態の症状とは?
以下のような症状が5つ以上同時発生して、しかも1日中2週間以上続くことです。
例えば失恋しても以下のような症状が5つ程度同時発生しますが、2週間も続きません。こうした場合は「うつ状態」とはいいません。
- 気分が落ち込む
- 気持ちが焦る
- 不眠、眠りすぎる
- 興味、喜びがなくなった
- 自分を責める
- 死について考える
- 集中できない
- つかれている
- 食欲がない、増加した
また、うつ状態(上)のような症状は次のような病気でも起こる可能性があります。
- がん、脳梗塞、認知症
- 甲状腺機能障害
- パーキンソン病
- 薬の副作用
- 睡眠時無呼吸症候群
- PTSD
- 双極性障害
- ADHD、ASD(自閉スペクトラム症)
- パーソナリティ障害 …など
つまり「うつ状態」の症状の原因が必ずしも「うつ病」と決まったわけではないので、うつ病と診断されて長期間治療しても治らない場合は、なにか別の病気が隠れている、或いは、別の病気が原因でうつ病が引き起こされている…と言えます。
渡邉先生は、うつ状態の症状が出たらまずは”うつ病以外でうつ病の様な症状が出る病気(上記リストのような病気)がないか”内科など総合病院でチェックを受けた方が原因に早くたどり着けるといいます。
先にうつ病と診断されると不要なうつの薬で重症化する恐れもあるのです。
うつ状態の代表的な症状としては9つあげられる
— 未来のリスト (@2045mirai) May 8, 2019
そのうちの5つが2週間以上続くことが、うつ病と診断されることの必須条件
うつ状態を起こす疾患・障害はうつ病を代表例としつつ、色々ある。
なんかすごく参考になる画像ですね。#あさイチ #うつ病 #メンタルヘルス pic.twitter.com/ReBPSt2CzR
うつ病と思っていたら”双極性障害”だった?
Yさんは20代の女性。2年前からうつ状態(うつ病とは限らない状態)です。
- 朝起きるのがつらい
- 服を選ぶのが難しくなる
- 電車に乗るのがしんどい
等の状態が続きました。そこで近所の精神科を受診したところたった10分の問診で「うつ病」と診断され抗うつ薬を処方…。
ところが薬を飲み始めると症状は悪化!会社も退職せざるを得なくなりました。
その後近くの病院を3軒回りましたがいずれもうつ病との診断…。
全く薬の効果が無いため知人の紹介で大学病院へ。ここでは日常生活の様々な事柄を3時間じっくり問診し実は「双極性障害」ではないか?という診断が出たのです。
理化学研究所 脳神経科学研究センターの加藤忠史先生によれば、双極性障害の診断は数年前の状態にも遡るため10分の問診では到底判らないとのこと。しかしうつ病かそうで無いかは大変重要な判断となるため諦めず専門家を当たって欲しいといいます。
双極性障害(躁うつ病)とは?
双極性障害とは、うつ状態と躁状態を繰り返す病気のことで、以前は躁うつ病とも呼ばれていました。
激しく気分の良い日もあれば激しく落ち込む日もありこのような気分の浮き沈みが激しい病気です。(双極性障害のハイ状態は少し異常で4日以上もハイ状態が続きます)
しかも薬はうつ病とは全く違ったもので「気分安定薬」が使われ高揚と落ち込みの気分の差を一定に保つ薬です。双極性障害の人がうつ病の薬を飲むと悪化することがあったのです!
Yさんは、薬を双極性障害のものに変え症状が改善、現在は再就職に成功しました。
杏林大学医学部教授、渡邉先生によればうつ病と診断されて実は双極性障害だったという人は一定数居られるとのことでした。
杏林大学医学部付属病院【うつ】入院検査に密着!
東京三鷹市にある杏林大学医学部付属病院では、4年前からうつの原因を解明するための入院検査を実施しています。
Mさん(女子大学生=休学中)は3年前にうつ病と診断され中々改善しないため今回「うつ」の入院検査を受けました。
入院検査プログラムは5泊6日で行われるそうです。
- 血液検査で甲状腺機能を調べる = うつ状態の症状に似ている甲状腺機能障害がないか調べる
- 頭部CT検査で脳の状態を調べる = うつ状態の症状と似ている脳梗塞・認知症がないか調べる
- 診察では見られない行動の特徴の検査 = 軽いボール運動などをして作業療法士が診断
- 心理検査で脳の機能や、正確の傾向などを調べる = 絵などを描いたりして診断する
- 知能テストで認知機能が正常か調べる
こうした検査の結果を30人以上の医師によってカンファレンスを行います。その結果、Mさんはうつ病や双極性障害の症状はなく、代わりにADHDの傾向が少し見られるという診断結果。これによりうつ病の治療は中止し、ADHDの治療に切り替えました。
うつ状態と診断され薬のみ続け大学も3年間休学している女性
— 牛タン🌈 (@J1lJKGA1kKxUdug) May 7, 2019
五泊六日の入院検査の結果、うつという診断はつかず、ADHDの傾向がみられ、それが生きづらさの原因ではないかというカンファレンス
うわあ、、完全な二次障害だなあ、これ
うつとADHDでは薬も行動療法も全然違うんじゃないかな#あさイチ
日本全国に数カ所「うつ」入院検査をする病院がある
杏林大学医学部付属病院だけでなく、こうしたうつかどうか入院検査をする病院は日本に数カ所あると言います。
また病院にいって問診を受ける際は「人生の浮き沈みをグラフにした”人生チャート”」や「毎日の睡眠時間帯と気分、簡単なその日の出来事を記録した”睡眠チャート”」などを作って診察してもらうと医師に鬱に入る前の状態もわかりオススメだそうです。
うつの入院検査すごい。10種類以上の検査と30人のスタッフのカンファレンスで総合的に調べた結果、作業療法士さんがADHD傾向を見抜いた。うつ病じゃなくて、ADHDが原因でうつ状態を引き起こしていたことがわかった。#あさイチ #うつ病 #ADHD #発達障害 pic.twitter.com/7ko3oOYcFt
— まあや@ADHD+ASD娘 療育中 (@rirumama01) May 8, 2019
視聴者からのFAXによる主な投書は…
- 鬱でなく甲状腺機能低下症でした
…産後疲れがひどくボーッとして死にたくなることが…鬱だと思って居たら、たまたま受けた会社の健康診断で「甲状腺機能低下症」と判明。薬で回復しています(渡邉先生によれば、甲状腺機能低下症とADHDを併発して鬱のような症状が出ることがあるそうです) - 病院選びや先生との相性が難しいですね?
…作家の小林エリコさんは、何軒も病院を変えましたが結局原因にたどり着けず悪化して生活保護を受けるなど大変苦労したそうです。診察の時には是非メモやライフチャートなどを持ち込みそれを話題にしながら先生との相性を見てゆくとよいそうです。相性の良い先生は必ず居るので見つかるまでめげずにトライしてみてくださいとのことでした
2019年5月8日(水曜日)放送『あさイチ「あなたの【うつ】、本当に【うつ病】ですか?」』より
『あさイチ』放送終了後の反響ツイートは?
的場浩司さん只今出演中!【総合】あさイチ「あなたの【うつ】、本当に【うつ病】ですか?」
— NHKアーカイブス (@nhk_archives) 2019年5月7日
過去の出演番組はこちら
「土曜ドラマ ジャッジ~島の裁判官奮闘記~」ほかhttps://t.co/jA2ZMLqwHq#的場浩司
※予定変更・地域で別番組の場合あり
おはようございます😃
— 🎈NON🎈 (@NpaKm7iwIo1ANbW) 2019年5月7日
今 あさイチで
うつ 双極性障害の特集があってますね💦
しんどいけど…
納得!!
と思いみています😱
https://twitter.com/_pomutanpompom_/status/1125910191340318720
#あさイチ で
— まゆてぃ.🌺真似出来ないインスタ (@mayukakei) 2019年5月7日
うつ状態を引き起こすのは
うつ病だけじゃない
ってやってるけど、
これほんとに注意‼️
特にこの時期…
わたしは15年ほど前のこの時期、
うつ状態など様々な症状になり
「多発性硬化症」という
特定疾患と診断されました。
しっかり診察、検査をしてもらえる
病院選び大切です。
https://twitter.com/citywinds8888/status/1125915653469163520
https://twitter.com/anpontaaan9/status/1125917091050115072
#あさイチ#うつ病
— わに (@wanigeena3) 2019年5月8日
うつの人を外出に誘うのも良いとのことだが私の場合は誘われてもほとんど断っている。それでも声をかけてくれる友人は「あなたも数に入ってるよ」と教えてくれてるんだと思う。それに感謝できるようになるまで二年かかった。
東京三鷹市にある杏林大学付属病院
— 発達障害のニュース 2月26日講演会 (@2030mirai) 2019年5月8日
ここでは国内では珍しい、うつの原因を解明する入院検査を行っている
5泊6日の入院検査プログラム
精神科医、臨床心理士、作業療法士など様々な人が検査を行う
これ大事ですね。
いろいろなテストやってる^^#あさイチ #うつ病 #発達障害2019
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