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反響要約 NHK 総合診療医ドクターG 最終診断結果は「セフェピム脳症」▽ボーっとして反応しない…意識障害の原因を探る【2017年4月19日(水曜日)放送内容】



総合診療医ドクターG「ボーっとして反応しない」

2017年4月19日(水曜日)放送のドクターG、最終診断結果は「セフェピム脳症」だった。

会議中に突然ボーっとして反応がなくなる意識障害の患者。長年透析をする糖尿病も患っていて数日前からの中耳炎のため点滴の中に抗生物質「セフェピム」を入れたと言うが…。

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総合診療医ドクターG番組データ

【放送日時】 2017年4月19日(水曜日)
【放送局】 NHK総合
【副題】 ボーっとして反応しない
【司会】 浅草キッド(玉ちゃん 水道橋博士)
【スタジオゲスト】 いとうせいこう 山村紅葉
【ドクターG】 忽那賢志(国立国際医療研究センター病院)

今回のドクターG「忽那賢志」先生とは?

国立国際医療研究センター病院の忽那賢志先生は、日夜細菌やウイルスなどの感染症と戦っている。

患者を苦しめている細菌やウイルスを割り出してベストな治療法を探る。

何が患者のためなのか症例に向き合い続ける…それが忽那賢志先生のやり方だ。

症例から学ぶ 輸入感染症 A to Z

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今回登場の研修医たち…

今回登場した研修医たちは…

  • 山里一志(研修医ー画面右) … 金沢医科大学病院(石川)
  • 長谷部仁美(研修医ー中央) … 市立福知山市民病院(京都)
  • 小出容平(おいで・ようへい 研修医ー画面左) … 聖隷三方原病院(せいれいみかたはらびょういん・静岡)

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主訴「ボーっとして反応しない」

患者、永田仁一さん(66歳)。

会社で会議中、まったく呼びかけに反応しなくなった…。

タクシーで病院へ、車椅子で問診。医師の呼びかけに反応は鈍い。

  • 対光反応 … 異常なし
  • 心音 … 異常なし
  • リンパ節の腫れ … なし
  • 首の後ろの硬直 … なし
  • 唇、親指に震えがある
  • 様子がおかしくなったのは、1時間くらい前
  • 会議を始める前に透析を受けてきた(=糖尿病を患っている)
  • 前日は熱があり会社を休み、今日(病院へ行った日)は午後から出社。しんどそうだった
  • 10年以上前から透析をしていて腕に「シャント(透析の針を刺す場所)」がある
  • 左足を切断している(糖尿病のため)
  • 海外の出張なし、熱を出す同僚も居ない
  • 頭部CT、胸部レントゲンに異常なし
  • シャントの感染はなし
  • 透析は、月水金の夜に行っている
  • 足を悪くしたのは3年前(糖尿病性壊疽)
  • 来院3日前に耳が痛いという症状あり。
  • 5年前から中耳炎、緑色の耳垂れが出る
  • インシュリンを打っている、血圧の薬、コレステロールを下げる薬を飲む
  • 髄液検査では、細胞数とたんぱくが僅かに増加

時系列の整理

  • 3日前 … 発熱、右耳痛、緑色の耳垂れ
  • 2日前 … 透析を受けた
  • 1日前 … 欠勤・発熱
  • 当日・午後1時 出勤⇒透析
  • 当日午後9時 … 会議前=だるそう、顔が赤い
  • 当日午後9時半 … 意識障害が起きる

研修医たちの最初の診断結果は?

研修医たちが出した最初の診断結果は…

細菌性髄膜炎

山里先生は「細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)」との診断。

細菌性髄膜炎とは、本来菌が居ないはずの脳を包む膜の内部に細菌が入って強い炎症が起き熱が出て、意識状態が悪くなってしまう病気。

中耳炎を起こす細菌が髄膜の中に感染すると、激しい頭痛や発熱、項部硬直(こうぶこうちょく=首の後ろが硬くなって動かなくなる)が起きる。

(永田さんには、命に関わる細菌性髄膜炎だった場合のため、確定診断前に「抗菌薬」を入れている。)

無菌性髄膜炎

長谷部先生は「無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)」と最初の診断。

無菌性髄膜炎とは、髄膜の内部に細菌でなく、ウイルスやカビが入って引き起こされる病気。

激しい頭痛や発熱、嘔吐がある。

細菌性中耳炎による菌血症

小出先生は「細菌性中耳炎による菌血症」の診断。

緑色の耳垂れと繰り返す中耳炎があったことで、ばい菌が全身に回ってしまったと考えた。

細菌性中耳炎とは、鼓膜の内側にある「中耳(ちゅうじ)」が何らかの細菌に感染し炎症が起きる病気。

激しい耳の痛み、発熱、耳垂れなどの症状が出る。

細菌が血液中に入ると、「菌血症(きんけつしょう)」となり、悪寒、呼吸数、心拍数の増加などの症状が現れる。

登場したその他の病名など

緑膿菌(りょくのうきん)

緑膿菌は、緑色の色素を作る細菌。

健康な人が感染しても通常症状は出ないが、糖尿病などで免疫が弱っていると、肺、耳、つめなどに炎症が起きる。

緑膿菌に効果がある抗菌薬は「セフェピム」など。

この場合血液中の濃度が高くなると意識障害が出ることもある。(セフェピム脳症という=2000年頃に確認され、2004年頃日本の添付文書に情報が掲載された)

アメリカでは、2012年にFDA(アメリカ食品医薬品局が腎臓障害の患者に投与するセフェピムを減量する必要が有ることを医療従事者に周知徹底するように注意分を掲載した。

アイウエオチップス(AIUEOTIPS)

意識障害の原因を覚えやすく並べたリスト。

意識障害は命を失う可能性が高い病気のため迅速で確実な診断を行うため、医師が覚えるべき項目だと言う。

意識障害を引き起こす全ての原因がリストアップされている。

  • A … アルコール
  • I … 血糖(Insulin=インシュリン)
  • U … 尿毒症(Uremia)
  • E … 電解質 内分泌 脳症 ⇒ 永田さんに可能性あり(脳症⇒薬剤性脳症)
  • O … 低酸素 薬物 ⇒ 永田さんに可能性あり(薬物⇒中耳炎の薬?)
  • T … 外傷 体温
  • I … 感染症 ⇒ 永田さんに可能性あり
  • P … 精神
  • S … ショック 脳卒中

抗生物質の使い方

風邪の場合良く処方される抗生物質は殆ど効果がない。

忽那先生はこうした処方の抗生物質を「DU(ダイタイウンコ?⇒忽那賢志先生の考案)」と呼ぶ。

飲み薬として処方されが、第3世代セフェム系抗菌薬で胃や腸から吸収されにくく、大半は便として排泄されるのでそう呼ぶ。

忽那賢志先生が「こうした抗生物質は排泄され役に立たないので風邪などで用いるのはやめましょう」と提案していると言う。

永田さんの問診その2(翌日)

来院の翌日の午後5時にはすっかり意識を取り戻した永田さん。

  • 病院に来たことは覚えていない
  • 会議は覚えている、その時に頭痛はなかった
  • 耳の痛みや耳垂れはない
  • (透析した病院へ電話)セフェピムを2日連続で同量点滴で入れたことを証言

最終診断結果は「セフェピム脳症」

研修医たちが最初に診断した3つの病気は全て否定された。

それは永田さんが翌日の午後には完全に治ってしまったこと。何らかの感染症であればこれほど症状が早く無くなることはない。

透析した病院へ確認を取った所、中耳炎をの緑膿菌に対して「セフェピム」を2回連続で点滴に入れていたことがわかった…。

永田さんは腎機能も悪いため、通常であれば代謝されるはずのセフェピムが血中に残り、そこに2回目のセフェピムが投与されたため、副作用である「セフェピム脳症」が発症した。

緊急透析を行い、退院して元気に会社に戻ったと言う。

(※2017-04-19放送)

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総合診療医ドクターG反響ツイート

https://twitter.com/akka_ys/status/854652126949105664

https://twitter.com/akka_ys/status/854699058610319361

https://twitter.com/avocado_junior/status/854699729032167425

次回のドクターGは…

5月10日(水曜日)よる10時25分「意識がない」。

前回のドクターGは…

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