今回の『ガッテン!』はこんな内容!
2017年11月15日(水曜日)放送の『ガッテン!』は、新しいコレステロールの数値について――。内容を3行でまとめてみると???
- 血液検査表のHDLとLDLを合計しても「総コレステロール値」にならないのはなぜ?
- non-HDLコレステロールという極悪玉コレステロールの実態とは!?
- 悪玉コレステロールをこれ以上増やさないために…。
ガッテン! 番組データ
【放送日時】 2017年11月15日(水曜日)19:30~20:15
【放送局】 NHK総合(TVリモコン番号=1または3)
【番組副題】 「コレステロールの新常識SP 一番注意すべきはコレだ!」
【司会】 立川志の輔(1954/02/15生まれ・富山) 小野文惠(アナウンサー)
【スタジオゲスト】 山根千佳(1995/12/12生まれ・TVたれんとずかんへ) 天野ひろゆき(初登場・1970/03/24生まれ・愛知) 麻木久仁子(1962/11/12生まれ・東京)
【語り】 山寺宏一(1961/06/17生まれ・宮城)
コレステロールの話題は今回で9回目!
番組で「コレステロール」の話題を取り上げたのは、ためしてガッテン時代から数えて9回目となる大テーマ。
「なんと9回目にして驚くべき事実を発見しました!」と、司会の立川志の輔さん。
血液検査「コレステロール数値」の見方とは?
血液検査で出る数値のうち、コレステロールの値には以下のような種類があります。
- HDLコレステロール ⇒ 善玉コレステロール
- LDLコレステロール ⇒ 悪玉コレステロール
悪玉コレステロール、善玉コレステロールとは?
コレステロールとは、細胞膜を作る原材料です。
そのため悪玉も善玉もどちらも身体にとって大切なもので、不足すれば細胞を作ることができなくなってしまいます…。
細胞膜のコレステロールはやがて劣化して古くなり剥がれ落ちます。
残骸は肝臓からやってくる回収役が掃除してゆきます。(=この回収コレステロールを「善玉コレステロール」といいます)
そして、回収され空いた隙間を埋めようと新しいコレステロールが肝臓から血流に乗ってやって来ます。
ただし新しいコレステロールが余った場合には血管に残ってしまいます。この血管に残されたコレステロールを「悪玉コレステロール」と呼んでいます。
悪玉コレステロールは血管に残りますが、これをマクロファージが食べて掃除してくれます。
しかし悪玉コレステロールが多すぎる場合はマクロファージが処理しきれません。
処理しきれない悪玉コレステロールはやがてプラークとなり、血管の壁を徐々に厚くして最終的には動脈硬化など重大な病気を引き起こしてしまいます…。
悪玉と善玉を足しても総コレステロールにならない!?
実は、健康診断結果のHDLとLDLのコレステロール数値を足しても「総コレステロール」の値になりません。(※例えばHDL60、LDL80の場合総コレステロールは140ですが、検査数値では総コレステロール=170など少し多い数値が表示されています)
- LDLコレステロール+HDLコレステロール⇒総コレステロールの値にならない!
実はこの差の中には、今まで知られてこなかった第3のコレステロール数値があったというのです――。
”レムナントコレステロール”とは?
VTRに登場したのは群馬大学医学部の研究員、中嶋克行さん。
先生は1993年に論文を発表し、この第3のコレステロール数値の謎を解明した人です。
その名を「レムナントコレステロール」。
レムナントとは、残り物という意味です。
オーストラリアカーティン大学のジョン・マモ教授によれば、マクロファージ(血管の掃除屋さん=白血球のひとつ)はレムナントコレステロールが大好物。
クロファージ(=白血球の一種)がレムナントコレステロールを食べすぎて死がいとなり血管の壁に残って壁を厚くしているといいます。
レムナントコレステロールは、動脈硬化を引き起こす真犯人とのこと。
「総悪玉コレステロール」とは?
- HDLコレステロール(善玉)
- LDLコレステロール(悪玉)
- レムナントコレステロール(極悪玉)←新発見!
レムナントコレステロールを『ガッテン!』では「極悪玉コレステロール」と呼びました。
2つの悪玉コレステロールを足すと、「総悪玉コレステロール」となり、この数値には基準値があるとのことです。(日本動脈硬化協会にて設定)
- 総悪玉コレステロール(総コレステロール-HDLコレステロール)…170以上で危険値
HDLコレステロールとLDLコレステロールを足した数値を総コレステロールから引いた値がほぼ、「レムナントコレステロール」と等しくなります。
また、レムナントコレステロールとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を足したものが「総悪玉コレステロール」となります。
したがって、(総コレステロール)ー(HDLコレステロール(善玉))の値が「総悪玉コレステロール」の数値ともなります。
さらに、検査表に総コレステロールの数字が書いていない場合は、”LDL(悪玉)コレステロール”の値に30を足せば、おおよその”総悪玉コレステロール”の値になるとのことです。
スタジオゲストの総悪玉コレステロールは以下のようになっていました。
- 山根千佳さん … 総悪玉コレステロール 68(基準値以下)
- 天野ひろゆきさん … 総悪玉コレステロール 211(基準値オーバー)
- 麻木久仁子さん … 総悪玉コレステロール 110(基準値以下)
今すぐチェック!「総悪玉コレステロール」
今まで健康診断でコレステロールの問題がなかったにもかかわらず、総悪玉コレステロールの数値が高い人がいるそうです。
スタジオに登場した大阪大学医学部特任助教の、増田大作先生。
「総悪玉コレステロール」は正式名「non-HDLコレステロール(ノンエイチディーコレステロール)」といい、すでに「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年度版」に記載されてます。
兵庫県尼崎市の健康診断では現在、日本で一箇所だけ「non-HDLコレステロール」の数値をハッキリ記載しているとのこと。
レムナントコレステロールが増える原因とは?
レムナントコレステロールが増える原因は、脂っこい食事を摂りすぎた場合に増える傾向にあるようです。
食べ過ぎによる肥満などの方は、肉よりも魚を食事に取り入れたり、運動で適正な体重をキープするとよいとのこと。
また、これらの対策は従来のコレステロール対策とほぼ同じです。
【解決編】コレステロール対策術を大公開?
VTRに登場した東北大学の、黒澤一教授が解説しました。
まず基本的に、コレステロール数値など健康診断の血液検査の結果は、長年定期的に調べて数値がどうなっているのか、その変化を知ることが大切とのこと。
数値がだんだん悪化する場合は以下のような対処をする必要があります。
総悪玉コレステロールを増やさない為の対策術は以下のとおり――
- 食べ過ぎは総悪玉コレステロールを最も増やす!
- お肉に含まれる「飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)」には要注意!
- 「大豆類」「野菜」はオススメ!(食物繊維がコレステロールを吸収)
- 「さば」「いわし」に多い”EPA”は総悪玉コレステロールを下げる役割あり!(EPAは加熱で少し減ります)
- 特に、「息が軽く弾む程度の有酸素運動(30分週3回程度)」は善玉コレステロールを増やす最も効果的な方法です
(※2017年11月15日放送より)
『ガッテン!』反響ツイート
https://twitter.com/Sordorado/status/930754725762306050
レムナントコレステロール云々の前に普通の悪玉コレステロールが基準値オーバーしとるので終わっとる私の血液。#ガッテン
— ニャヱ (@CrazyCalpas) 2017年11月15日
#ガッテン でコレステロールのことやってるけど。 違うよね。 コレステロールは、細胞にも必要だけど、血管にも必要。 LDLは、けして悪玉なんかじゃない。 血管の炎症などを修復するのにコレステロールは必要。 #糖質制限 #ケトジェニック #MEC食 /
— 魚田阿萬 @ 書道 @ オーソモレキュラー @ MMT (@uota_aman) 2017年11月16日
次回の『ガッテン!』は”鼻の力”最新報告!
次回のガッテン!は鼻の力新常識SP。22日(水曜日)夜7時30分放送。