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【反響要約】NHK 総合診療医ドクターG▽原発不明がんとは?腫瘍内科 勝俣範之先生が死の絶望から救い出す…【2017年6月14日(水曜日)放送内容「お腹が張って苦しい」】



総合診療医ドクターG「お腹が張って苦しい」

2017年6月14日(水曜日)放送の「総合診療医ドクターG」は「お腹が張って苦しい」。

五十代の女性、お腹に腹水がたまり仕事にも支障をきたす……。病院に行くと癌に罹った臓器が見つからない「原発不明がん」と診断。ステージⅣ、余命三ヶ月でホスピス(終末医療)を薦められてしまう……。

「何もせずこのまま死にたくない」という気持ちから、日本では珍しい腫瘍内科の勝俣範之先生を探したてた。果たして患者は本当にガンだったのか?

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総合診療医ドクターG番組データ

【放送日時】 2017年6月14日(水曜日)22時24分(50分)
【放送局】 NHK総合
【番組副題】 おなかが張って苦しい
【司会】 浅草キッド(玉ちゃん 水道橋博士)
【スタジオゲスト】 湯山玲子 勝村政信
【ドクターG】 勝俣範之(日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科医師)

 

お腹が張って苦しい…

58歳女性。急に妊娠したようにお腹が腫れてしたまった。

がんかもしれないと言われ精密検査を受けたところやはり「ステージⅣ」のガン(余命三ヶ月)であると医師(総合病院消化器内科:橋口医師=仮名)からの宣告を受ける――。

ホスピスを紹介されたが、お腹が膨らむ以外は全く元気。「このまま何もしないでただ死を待ちたくない」という患者の強い希望でドクターGにセカンドオピニオンを求めることになった……。

今回のドクターG「勝俣範之」先生

今回のドクターGは、日本医科大学武蔵小杉病院(神奈川県)の勝俣範之(かつまたのりゆき)先生。

勝俣先生の専門は「腫瘍内科(しゅようないか)」。腫瘍内科とは「癌の専門内科」のことで、肺がんや乳がん、大腸がんなどのがんを総合的に診る珍しい病院。

がん患者が仕事をしながら幸せに生きられる方法を考えつつ医療を行っている。

今回はセカンドオピニオンを受けて、勝俣先生のところに診察に来たという……。セカンドオピニオンとは主治医の診療情報をもとに他の医師に意見を求めること。

今回の研修医たち――

  • 【研修医】竹村弘司(たけむらこうじ) … 大阪赤十字病院(大阪)
  • 【研修医】日比野幸子(ひびのゆきこ) … 旭川医科大学病院(北海道)
  • 【研修医】佐々木将磨(ささきしょうま) … 総合病院国保旭中央病院(千葉)

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【再現VTR1】(4週間前)近所の市民病院へ来院

――ドクターGの元に来院する4週間前。

小野やよいさん(58歳)書店経営。

お腹が張って苦しいため、近所の市民病院を受診。

  • 6週間前 … 食べると苦しいので食事を残すことが多くなった
  • 体重は3kg増えた
  • 動いてもなんともない
  • しゃがむとお腹がつかえて苦しい
  • 便秘や下痢はない
  • ワインを1杯程度飲む事がある
  • 今まで大きな病気はなし
  • 閉経はあったがひどくはなかった
  • 眼、首(リンパ)に異常なし
  • 副部聴診、打診 … 異常なし
  • 腹水が貯まっている
  • 腹水細胞診 … 腹水からがん細胞が発見された
  • 腹部CT検査 … 腹水が貯まっている様子を確認
  • 血液・尿検査
  • (内視鏡検査)胃・大腸内視鏡検査 … 異常なし
  • (泌尿器科)腎臓・膀胱・尿道 … 異常なし
  • (婦人科)乳房・卵巣・卵管・子宮 … 異常なし
  • 全身をくまなく見たが原発巣(ガンの原因になっている場所)を発見できない

市民病院の先生は、腹膜に転移した大元のガンが発見できないため治療方針が立たないと「ステージⅣ」余命三ヶ月と診断した。

この時主治医からは、ホスピスを紹介されたが、やよいさんは断りセカンドオピニオンを求めた……。

治療する医師を探し求め、何人もの医師を尋ねたがどの病院でも治療方針が立たないので治療が出来ないと断られる。

がん「ステージⅣ」とは?

癌のステージⅣとは、肝臓や肺、脳など遠隔臓器に移転している状態の事をいう。

もともとガンが発生した場所から遠隔転移すれば、体の色々な場所が次々とガンに侵されるため外科手術はできない。

体全体に微小ながん細胞が広がっているため、外科手術で取っても別の場所ががんになってしまう…。

遠隔転移まで進行したがんは「ステージⅣ(=がんの最終ステージ)」と診断される。

研修医たちの初期診断は?

研修医たちは、今回まずはそもそも「がん」だったのか?「がん」ではなかったのか?を答えてもらった――。

  • 竹村研修医 … がん(原発不明がん)
  • 日比野研修医 … がん(膵癌(すいがん))
  • 佐々木研修医 … がん(血管内リンパ腫)

すい臓がん(研修医・日比野先生)

すい臓がんは腹膜の内部にあり、すい臓がんが進行すれば腹膜に転移する場合もある。

がん細胞によって腹膜の構造が破壊され腹水が貯まってゆく。

ただし腹膜に転移するくらいの大きなガンであれば、すい臓にもっと大きなガンが見つかってもおかしくないが、やよいさんにはすい臓がんが見つからないため、すい臓がんの可能性は低い。

血管内リンパ腫(研修医・佐々木先生)

血管内リンパ腫とは、血管を流れる血液の一部ががん化する病気。

この場合、血管の外には原発巣はない。

症状は、発熱、体重減少、寝汗。ただし腹膜に転移することはまれ。

さらにやよいさんの場合、発熱もまったくなく血管内リンパ腫の可能性は低い。

原発不明がん(竹村先生)

検査したにもかかわらず、原発巣が見つからないことがある。

これを「原発不明がん」という。

患者が死亡した後に解剖しても原発巣がわからないことも多く、原因不明とされる。

さらに抗がん剤は臓器によって種類も量も違うため、原発巣が特定できない場合は治療を開始することが出来ない。

カンファレンス中に登場した病名など――

腹水がたまることが多いガンは?

腹水がたまる症状が多いガンは、「胃がん」「大腸がん」「すい臓がん」などの消化器のがん。

また、卵巣がんなどの婦人科系のがんでも腹水がたまる。

ガン以外の病気でも腹水がたまる?

ガン以外では「結核性腹膜炎」でも腹水がたまる事がある。

結核性腹膜炎とは、感染した結核菌が腹膜に到達して腹膜の炎症を起こす病気。

腹水がたまってお腹が張る状態が長く続く。

症状は、微熱、食欲不振、全身けん怠感が現れるが、腹水以外の症状が特に出ない場合もある。

その他、クラミジア感染症などでも腹水がたまる。

いずれもやよいさんに可能性が低いが、腹水がたまる病気としては以下の様なものがあると言われる――。

  • 肝硬変
  • 低栄養
  • ネフローゼ症候群
  • 心不全
  • 蛋白漏出性胃腸症
  • 良性卵巣腫瘍
  • 急性膵炎
  • 腸閉塞

検査「腹水細胞診」とは?

腹水を注射器で採取し中にある細胞を顕微鏡で調べる事ができる。

これを腹水細胞診という。

  • 細菌感染の炎症のとき … 白血球が増加
  • ガンが原因のとき … いびつで異常な形の細胞が見つかる

また、ガンの場合は、腺癌か非上皮性腫瘍(がん)なのかによって元来どこで生まれたガンなのか大凡を知ることも出来る。

  • 細胞同士がくっついている腺癌のとき … 胃・大腸・すい臓がんなど消化液やホルモンなど何らかの分泌物を出す臓器に原発巣がある
  • 細胞がバラバラに散らばっている非上皮性腫瘍のとき … 悪性リンパ腫、白血病など血液がんが疑われる

やよいさんの場合は、細胞診の結果、細胞がくっついていて形も歪(いびつ)な腺癌が見つかっている。

(ホルモンなどを分泌物を出す子宮由来かも?)

腫瘍マーカー検査とは?

やよいさんに追加して検査したい検査として、「腫瘍マーカー検査」が提案された――。

腫瘍マーカー検査とは、がん細胞が増殖する時に出る特殊なたんぱく質を血液などからキャッチしてがん細胞の変化を推定できる検査のこと。

本来がん治療の効果や再発の有無を調べるものだが、がんの部位予測にも利用できる場合がある。

検査の結果、やよいさんは「CA125」の腫瘍マーカーが特に顕著に反応したため、卵巣がんの疑いがさらに強くなった……。

ドクターGは”卵巣がん”の抗がん剤を使う判断をした――

ドクターGは、最終的に卵巣がんの抗がん剤を使う判断をした。

アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)には、「Carcinoma of Unknown Treatment(PDQ)」という原発不明がんを病名として捉えた場合の治療法をガイドラインで定めている。

このガイドラインには「腹膜に腺癌が発見できる場合には”卵巣がんと同じ”治療が有効」と書かれている。

これは多くの症例を元に確立された治療法で、アメリカで現在「原発性腹膜がん」という病名にもなっている。

腫瘍内科医が不足する日本の現状

原発不明がん患者が癌の原因究明に検査を繰り返している…

アメリカには、2017年現在腫瘍内科医が15,566人居るのに対して、日本の腫瘍内科医は1,199人。その中でも最新の状況に精通した腫瘍内科医は更に少ない……。

各臓器ごとに専門医が別れる分業制になったため、自分の専門分野でガンが見つからないと判断された場合には「自分のところで診るべきだ」という判断そのものが出来ないため「治療不可」となりホスピスを薦められてしまう。

全てのガンを横断的に見ることが出来、抗がん剤に精通した「腫瘍内科医」が見れば「原発不明がん」への対応も変わってくる可能性もあるという。

年間100万人のがん患者に対して、原発不明がんの患者は2万人――。

水道橋博士は数カ月から数年に渡り検査を繰り返す状況に陥る状況を見て「原発不明がんという”がんの難民”が増えている」と驚く。

勝俣先生は「癌難民を増やさないよう、常日頃正しい治療法に導けるよう目指している」と話した。

やよいさんは5年後の今も元気だ

やよいさんは、勝俣先生や担当の外科医と協力し抗がん剤治療と大綱(腹膜の一部)子宮卵巣の摘出手術を受けた。

経過は順調で5年後の今も再発なく元気に書店を経営している――。

(※2017年6月14日放送)

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総合診療医ドクターG反響ツイート

 

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次回の総合診療医ドクターG

<―未定―>

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