総合診療医ドクターG「突然 けいれんが」
2017年4月12日(水曜日)放送の「ドクターG(ドクタージェネラル)」は、亡霊を見る若い女性が取り憑かれたように痙攣を起こした。
はたして最終診断結果は何なのか?亡霊を見せた病気の正体は?
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ドクターG番組データ
【放送日時】 2017年4月12日(水曜日)よる10時25分(50分)
【放送局】 NHK総合
【副題】 突然 けいれんが
【出演】 浅草キッド(玉ちゃん 水道橋博士)
【スタジオゲスト】 おのののか 荒俣宏
【今回のドクターG】 徳田安春(群星沖縄研修プログラム・群星=むりぶし ⇒ 沖縄の医療機関の合同プログラムの事)
今回のドクターG「徳田安春」先生
今回のドクターGは、群星沖縄研修プログラム(むりぶしおきなわけんしゅう)の徳田安春先生は、沖縄の医療機関100箇所を周り診察をする医師。
医師の教育にも力を入れる。診断の武器は緻密な診察と広い視野を持ち様々な病気から絞り込んでゆく想像力。
今回の研修医たち
- 笹本浩平(画面右) … (研修医)市立敦賀病院(福井)
- 齊藤文菜(中央) … (研修医)秋田赤十字病院
- 城田祥吾(画面左) … (研修医)神戸市立医療センター中央市民病院
患者:戸坂翠さん「突然 けいれんが」
今回の患者は、戸坂翠さん25歳、自営業(着物関連)。女性、158cm、48kg。
救急搬送され意識も虚ろな状態。
- 病院到着1時間前。夜中突然大声を上げ、倒れ込んで5分程度の痙攣が起きた
- 脈拍と呼吸数が早い
- CTで、左卵巣に腫瘍あり(卵巣奇形腫=卵子が勝手に分裂したもので歯や髪の毛や骨などが作られる)
- 不随意運動(意識しない筋肉の動きなど)がある(意識なく口をもごもごしている)
- 意識はもうろうとして今日の日付などがわからない
- 昨日は、38度3分の発熱があり頭痛が有る、数日前からだるそう(炎症反応あり)
- 咳や鼻水はない
- 動物などに接触してはいない
- 一月前は普通に働いていたが、4日前は、幻覚を見るように…。居もしない子どもに話しかけていた
- 血液検査で白血球が正常より上がっている
- リンパの腫れはなし
- 関節痛はなし
- 3日前に精神科クリニックへ。統合失調症と診断され「睡眠導入剤」を処方された
- 10日前には、常連のお客さんの顔がわからない状態に
- MRIの脳画像に炎症があった
幻覚について時系列をまとめると…
- 1ヶ月前 … 正常
- 10日前 … 客の顔を忘れる(失認)
- 4日前 … 子どもが見えた(幻覚)
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研修医たちの最初の診断結果は?
笹本浩平先生&齊藤文菜先生(研修医)「髄膜炎」
笹本先生と齊藤文菜先生の最初の診断は「髄膜炎(ずいまくえん)」を挙げた。
髄膜炎(ずいまくえん)とは、脳や脊髄を覆う髄膜に細菌、ウイルスなどが感染して炎症を起こす病気。
「激しい頭痛」「高熱」「吐き気」、首の後ろ側が固くなって曲がらなくなる「項部硬直(こうぶこうちょく)」もあらわれる。
また、細菌やウイルスが脳に侵入し炎症をおこすと意識障害や痙攣なども起こす。
細菌による髄膜炎は数時間で重篤になり死に至る場合もある。
城田祥吾先生(研修医)「全身性エリテマトーデス」
城田祥吾先生は、全身性エリテマトーデスを挙げた。
全身性エリテマトーデスとは、自分の免疫が自分の体を攻撃する病気。
腎臓や消化器などの全身の症状が現れるが、関節痛や発熱を伴うことが比較的多い。
脳に炎症が広がると、意識障害や痙攣も起こす。
患者と合わないところは、全身の症状が出ずいきなり脳の症状から出ている所。
また、白血球が減っているはずだが、患者の白血球は上がっていたため全身性エリテマトーデスの可能性は低い。
司会玉ちゃんの診断「統合失調症」
司会の玉ちゃんは、精神疾患「統合失調症」は考えられないでしょうか?と発言した。
統合失調症とは、自分の思考や行動、感情が統合されず周囲には理解できない言動をとる病気。
およそ100人に1人がかかる病気で、薬などで症状を抑えることが出来る。
患者と合わない点は、錯乱や幻覚が見える部分は合うが、統合失調症が原因で発熱や痙攣が出ることはないため可能性は低い。
番組内での追加の診断「単純ヘルペス脳炎」
番組の流れの中で他に考えられる症例も挙げられた。
単純ヘルペス脳炎とは、唇などに出来る「口唇ウイルス」の中身=単純ヘルペスが脳に達して炎症を起こす病気。
単純ヘルペスは、日本人の多くが持っているウイルスで普段は「三叉神経」に住み着いており、免疫が落ちると唇などに移動して「口唇ヘルペス」が出来る。
高熱や異常行動のほか、最終的にはヘルペスウイルスが脳細胞を直接壊し、数日から10日以内で重篤化、けいれんや意識障害を起こし死亡する場合もある。
最後まで、この病気が疑われたが、CTで子宮に腫瘍を発見したため可能性は無くなった。
番組内の追加の診断「傍腫瘍症候群」
さらに追加で城田祥吾先生(研修医)が「傍腫瘍症候群(ぼうしゅようしょうこうぐん)」を挙げた。
傍腫瘍症候群とは、体に出来たなんらかの腫瘍のため、不調を起こす病気の総称。
神経に異常をきたすと脳に炎症が出来る。稀に脳炎を発症して痙攣や意識障害を起こす。
今回の最終診断結果は「傍腫瘍性辺縁系脳炎」
最終診断結果は「傍腫瘍性辺縁系脳炎(ぼうしゅようせいへんえんけいのうえん)」だった。2008年に発表された新しい病気。
現在も”傍腫瘍性神経症候群”なのに統合失調症と診断されている人は多い!?
統合失調症などの精神疾患と診断されることが多く、今も見過ごされている患者さんも多いと言われている。
子宮に卵子が勝手に増殖した腫瘍が出来、その腫瘍を攻撃する免疫が間違って、脳を攻撃して炎症を起こしてしまったもの。若い女性に多い。
みどりさんは、腫瘍を摘出し数年かけてリハビリに取り組んでいる。
手術で腫瘍を取らない限り、攻撃する免疫が作り続けられるため統合失調症のような症状が治らない。攻撃され失った脳細胞は治らないため、早期の腫瘍摘出とリハビリが大切。
また、番組ゲストの荒俣宏は「昔から言われてきた、憑依、エクソシズムなどは実は同じような病気の可能性があると解り、自分の専門分野なので一つ新しい視点が加ってとても興味深い…。」と話した。
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ドクタージェネラル反響ツイート
場当たり終わりです!
— 佐藤睦 (@amlmimcmem) 2017年4月12日
そしてそして、22:25〜NHKにてドクターGに出演してます!みてね!
☆NHK「総合診療医 ドクターG」
『突然けいれんが』
4月12日(水)22:25〜23:15オンエア予定https://t.co/C2YbQwXDj2
【出演情報】
— 馬渕史香 (@fumika0902) 2017年4月12日
このあと、22:25~
NHK総合「総合診療医 ドクターG」に出演します!
『突然 けいれんが』
今回の患者さんは、若い女性。
ぜひとも観てください!
相変わらず俳優さんがすげぇ。痙攣っぷり凄まじい。超コワイ。#ドクターG
— AoQ (@yum218) 2017年4月12日
ドクターGこわい
— 天体位相研究カルデア《占星術つぶやきメモ》 (@pneuma_2007) 2017年4月12日
ホラー 憑依#ドクターG
— 小野寺一歩 (@ippo_voice) 2017年4月12日
これさぁ、統合失調症って診断されて薬漬け→副作用&脳炎重篤化ってケース、ゴロゴロしてるんだろな。精神科でまず脳炎ってきちんと疑うのかな?ヘルペス脳炎じゃ死んじゃうんだし…まずいよねそれ。…っていう回か。#ドクターG
— AoQ (@yum218) 2017年4月12日
統合失調症も薬も誤解されるわ。精神科医からしたら統合失調症より先に脳炎疑うわい。精神疾患を診断する場合は内科疾患を除外するのが基本。 #ドクターG
— masa (@saji_anx) 2017年4月12日
統合失調症だと自分が病気だと気がつかないのか!ほー #nhk #ドクターG
— 陶工房木蓮 (@e_mokuren) 2017年4月12日
若い女性の狐憑きってこういうことなのか!医療って凄い。正しく治療されずに狂気として追いやられちゃうって哀しいな…#ドクターG
— AoQ (@yum218) 2017年4月12日
【傍腫瘍性辺縁系脳炎】
— さく (@za_yi) 2017年4月12日
肺や卵巣の腫瘍が原因となることも→腹部CTで確認→卵巣奇形腫
【鑑別】
傍腫瘍性辺縁系脳炎
#ドクターG
おぉ...。そんな奇形腫ががが。 #nhk #ドクターG pic.twitter.com/LiQNjzuju9
— 猫又にゃぉ助@宿毛湾泊地所属提督 (@nekomata_nya) 2017年4月12日
【傍腫瘍性辺縁系脳炎】
— さく (@za_yi) 2017年4月12日
日本では500人/y発症。統失と誤診される例がその数倍いる
(´-`).。oO(抗NMDAなんとか〜 も治療の為に卵巣を取ったって云う患者さんの記事やったな….
#ドクターG
卵巣奇形腫による傍腫瘍性辺縁系脳炎。傍腫瘍性辺縁系脳炎は2007年に発表された新しい病態。統合失調症と誤認されているケースも考えられる。#ドクターG
— うん (@unk2014) 2017年4月12日
奇形腫でこんな症状が出るなんて知らなかった。感染症でも統合失調症でもなかった。「まれでも治療ができる病気。きちんと診断することが重要」#ドクターG
— 縞うさぎ/詫摩雅子 (@shima_usa96) 2017年4月12日
あった、これや↓
— さく (@za_yi) 2017年4月12日
抗NMDA受容体脳炎:女性を突然襲った難病 「理解深めて」家族が闘病の動画 - 毎日新聞 https://t.co/yByupW27ZQ
#ドクターG
傍腫瘍性辺縁系脳炎が精神系の病気とされているケースの可能性に言及されていたね。#ドクターg
— U the phantom thief (@da_cider_gbf) 2017年4月12日
奇形腫が原因での幻覚・異常行動とか、
— きたあかり (@kita_akari0420) 2017年4月12日
ほんの数十年前ならオカルト方向で片付けられてそうだよな……。
人体って不思議&医学すごい。#ドクターG pic.twitter.com/0px7bm6geM
https://twitter.com/akka_ys/status/852164558567350272
誤解してる人いるけど多分精神科医のほうが統合失調症と脳炎の鑑別は長けてると思う。統合失調症っぽくない。 内科医のほうが、幻覚あるから統合失調症ではないかと誤解して精神科に送ってくるケース #ドクターG
— masa (@saji_anx) 2017年4月12日
こういうのをきちんと病院で診断してくれれば今までオカルト精神病で片付けられてた症状が改善されるだろう
— rumico♬*@🎯初段 (@rururu_miru) 2017年4月12日
錯乱や幻覚=精神病て構図がなくなればいいな
医学の進歩って凄い#ドクターG
ドクターGを見てます。熱がないにしても、急性発症、幻視など、この経過から統合失調症の疑いをあれほど告知する精神科医なんているんだろうか。医者にもよるだろうけど、なんか精神科医の能力を低く見積もられてるようで嫌だな。これが総合診療医の精神科医に対する見方だと思うと、もっと気になる。
— 宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 (@Paratheraps) 2017年4月12日
毎回思うけど、患者役の役者さんの演技力の高さ。今日の翠さんの不随意運動が本当に上手。あれだけ随意に不随意運動ができるってすごい(妙な日本語) #ドクターG
— 風嶋みや (@miyachyan) 2017年4月12日
4月12日のドクターG(つづき):もう一点気になったのはる腫瘍随伴症候群と診断して、最後に映った文献が抗NMDA受容体抗体脳炎で、その後の経過の説明は後者のように見えたこと。誤解を生みませんか?
— 宮岡等:大学病院を定年退職した精神科医です。 (@Paratheraps) 2017年4月12日
次回のドクターGは「ボーっとして反応しない」
次回19日(水曜日)のドクターGは、「ボーっとして反応しない」。66歳の男性が突然呼びかけに応え無くなった。原因は意外な所に…。
前回のドクターGは…
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