主治医が見つかる診療所「脳育法で認知症を予防せよ!」
2017年5月8日(月曜日)放送された「主治医が見つかる診療所」は、脳育法。
「アルツハイマー病なんて予防できない!」と誰もが思いますよね。
しかし最新の脳育法を導入すれば認知症は十分に予防できることが解ったんです――。今回の放送では、認知症予防のプロがすすめる最新脳育法が紹介されました。
主治医が見つかる診療所番組データ
【放送日時】 2017-05-09(月曜日)よる8時(2時間特番)
【放送局】 テレビ東京
【番組副題】 最新!脳育法で若返る&認知症を完全回避ぜよ!(第3弾)
【所長】 草野仁
【副所長】 東野幸治
【アシスタント】 森本智子(テレビ東京アナウンサー)
【スタジオゲスト】 東貴博(47歳) 篠原ともえ(初登場・38歳) 林マヤ(59歳) 藤吉久美子(55歳) 松木安太郎(59歳) 渡辺正行(61歳)
ここが今回のポイント!
- 認知症はゆっくり進む。MCI(認知症予備軍)であれば復活可能!
- 脳育法として「ダーツゲーム(=計算力)」「太鼓たたき(=五感刺激)」「腰掛タップダンス(=体幹力アップ)」を紹介
- 大豆パワーは脳に良い(その他の食材も紹介)
年々増加する認知症の患者数
認知症を患う人の患者数は年々増加している。(※厚生労働省「新オレンジプラン」より)
2012年には462万人だったが、2015年に525万人。このまま行くと2025年には730万人に増えると予測された。
予備軍を合わせると2025年には約10人に1人が認知症かその予備軍になる危険が…。
認知症はズバリ!予防できる!
認知症予防の第一人者、浦上克哉(脳神経疾患・鳥取大学医学部教授)先生は、認知症は予防できると断言する。
認知症は20年、30年かけてゆっくり悪くなってゆく――。
正常な状態から、まず「MCI(認知症予備群)」になりその後アルツハイマー型認知症へ進行。
決してある日突然、アルツハイマー型認知症になるわけではない。
認知症の軽い「MCI」の状態ではあれば、まだ正常な状態へと戻すことも出来ると先生は言う。
年齢で言えば40歳代から予防対策をしてゆけば認知症は防げる。
そのための予防法として今もっとも注目しているのが「脳育」。今回は先生が勧める最新の脳育法について紹介された――。
脳育法1.ダーツゲームで脳育
同志社大学(京都府田辺市)スポーツ科学部で行われているのが、ダーツゲーム。
ゲームを主催するスポーツ生理学の竹田正樹体育科学博士(同志社大学スポーツ健康科学部教授)によれば、ダーツのルールで使う、得点計算法が脳に効果的だと言う――。
老化すると引き算能力が落ちる(短期記憶の衰え)。ダーツをすれば、(得点の計算で)何度も何度も引き算をする必要が生まれるため引き算能力=短期記憶が鍛えられると言う。
さらにグループで競技することで仲間意識も生まれるため、認知症予防のポイントである「コミュニケーション」もとれる。
海外ではすでに人気で、「ウエルネスダーツ」という認知症予防改善用オリジナルダーツ競技もあり世界大会も開かれているというーー。
脳育法2.太鼓を叩いて脳育
汐彩クリニック(新潟県佐渡市)の、森本芳典先生が登場。
森本先生が考案したのは、太鼓を叩く「エクサドン」という脳育法。グループで太鼓を叩いてエクササイズ+コミュニケーションが出来る。
太鼓を叩く動作は全身運動なので意外に体力を使う。
また太鼓を叩く時に簡単な計算問題を出して答えの数太鼓を叩くなど頭の体操もできて脳育+運動ができるため一石二鳥。
2つのことを同時に行う脳育法
新潟大学の、池内健先生(新潟大学脳研究所 生命科学リソース研究センター教授)は、太鼓をたたきながら計算するなど、2つのことを同時に行うことで認知症リハビリに効果があるという。
日常生活では例えば…
- ウォーキング+歌をうたう
- テレビ+調理
- ドラムを叩く
など、2つのことを同時に行う(ながらタスク)と、前頭葉が改善すると言う。前頭葉はやる気や積極性が芽生えるという。
サークルなどに参加できない人は自作のドラムセットを使って叩くなどしても良いと言う。
スタジオゲスト医師の上山医師は「特に、五感をできるだけ使って運動するとよい。例えば、耳+口+目+鼻をフル活用すれば脳にとても良い効果がある」という。
(また、スタジオゲスト医師の南雲吉則先生は自宅に以下のようなドラムセットを購入して脳育に役立ていると自慢。)

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脳育法3.腰掛タップダンスで脳育
関西医科大学附属病院の、木村穣医師が紹介するのは、腰掛タップダンス。
井植敏さん(85歳)が考案したダンスがあるという。
実は井植さんは、三洋電機の元・会長。事務所にはクリントン大統領、ヒラリー夫人と一緒に撮影した写真も飾られていた。
元タカラジェンヌの「鷹悠貴」さんがチーフインストラクターとして座ってできる「腰掛タップダンス」を教える。
木村先生によれば腰掛タップダンスは、しっかり踊ればウォーキング以上の全身運動になるという。筋肉を使うと筋肉からホルモンが出て脳の神経を修復・維持してくれると言う。
またインナーマッスルも鍛えることが出来、インナーマッスルからもホルモンが出るのでさらに脳育の効果はますと言う。
スタジオゲストたちも、ゲストの元タカラジェンヌ(鷹悠貴さん)に教わり、腰掛タップダンスを実践した。
タップダンス脳育法のポイント
- タップダンスやウォーキングなど全身運動が大切…筋肉から脳に良いホルモンが出ることが解っている
- インナーマッスル(体幹筋肉)を鍛える事が大切
- リズム感をつけることで脳育になる
- 仲間とコミュニケーションをとれる
タップダンスでなくとも以上のような効果のある様々なエクササイズなどを実践すればよい。
脳育法4.オリジナル丼を食べて脳育
番組主治医が考案したオリジナル脳育丼を紹介。
秋津医師のオリジナル丼「スーパーソイ丼」
大豆パワーで脳を元気にする「スーパーソイ丼」の作り方ーー。
大豆に含まれるレシチンは、脳の神経細胞の材料になる。煮豆、ひきわり納豆、生湯葉を使ってレシチンのフルコースを味わう。
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【作り方】
- ご飯に油揚げを刻んだものを混ぜておく
- 御飯の上に納豆、大豆の水煮、生湯葉をのせる
- 針海苔とギーを加え
- 豆乳+めんつゆ+かつおだし+醤油を煮たタレをかけて完成
スーパーソイ丼を作らなくても…
スーパーソイ丼を作らなくても以下のようなスーパーソイ丼の材料を使った食事をすれば自然な脳育になる。
- 大豆の水煮
- ひきわり納豆
- 生湯葉
- 針海苔
- ギー … バターから作られる油のこと
- 豆乳
姫野医師の「脳活丼」
頭を活性化する食材をてんこ盛りにした「脳活丼」を考案。ちりめんじゃこには、EPA&DHAが豊富で脳の血流を良くしてくれる。また卵の黄身にはビタミンB12が豊富、脳の萎縮予防につながる。
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【作り方】
- 卵は炒り卵に、キュウリは薄切りにする
- 木綿豆腐を手で崩し電子レンジで2分加熱
- 刻んだ梅干し、キュウリ、ちりめんじゃこ、いくら(醤油漬け)、白炒り胡麻、木綿豆腐をのせて丼にして完成(ご飯を使わずかわりに木綿豆腐をつかう)
姫野医師の脳育ポイント食材
この料理で姫野医師がおすすめする脳育になる食材は…。
- ちりめんじゃこ … EPA&DHAが豊富で脳の血流アップ
- 卵の黄身 … ビタミンB12で脳の萎縮予防
- ご飯の替わりの木綿豆腐 … 大豆パワーで脳力アップ
丁先生の「脳育とろとろ丼」
カレーをかける丼。カレーにはカルダモンというスパイスがあり脳血流を改善してくれる。
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【作り方】
- ご飯にウナギ、めかぶ、すりおろし山芋をかけて丼にする
- 市販カレールーにカルダモンとガラムマサラを加える
- 黒ごまをふり、最後に丼にカレーをかける
ウナギやめかぶ、山芋の上からカレーを掛ける所で「うぁー食べたくない!」とスタジオゲストたちの叫びが聞こえた。しかし食べてみると意外に美味しいと意外な答え。「カレーに納豆を入れるのでいけるかも?」と藤吉久美子。
丁先生の脳育ポイント食材
- カレーのカルダモン&ガラムマサラ … 脳血流改善
- めかぶ
- すりおろし山芋
主治医の見つかる診療所で、カレーが脳に良いってチラッと紹介されていた。
— machita (@machita0203) 2017年5月8日
おばちゃん客はTVに影響されやすいから明日はカレー多めに仕込んでおこう。
[特集コーナー] 脳の病、最後の砦「上山博康」命の現場ドキュメント
番組では、脳神経外科医 上山博康先生の手術の現場をドキュメンタリーで紹介した。
上山博康の元には他の病院で治療が困難と言われた患者が全国から集ってくる。
今回は長野県からやってきた、安田聡子さん(仮名・50歳)を紹介。
彼女を苦しめるのは、「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」。
脳動脈瘤とは脳の動脈が風船のように膨らみ、コブが出来る病気。コブがいったん破裂すれば脳出血を起こし最悪の場合、死に至る。
安田さんの場合、コブができた場所が延髄に近く傷つけると危ない。そのため他の病院では手術できないと言われた。
上山医師の手術が始まる。専用のマイクロスコープを見ながら神経の束を傷つけないように脳の奥深くへ。
コブの根元にクリップを挟み、血流を遮断してコブを消す。「いいイメージがある、大丈夫」と手術前に宣言したとおり、手術は順調に進み無事コブを消すことに成功した。
安田さんは手術から10日後、麻痺などの後遺症もなく笑顔で退院することが出来ている。
緊急を要する場合は出張も…
緊急を要する場合は出張もして手術をするという。二例目は中京病院へ巨大脳動脈瘤の手術。
コブは3cmを超え破裂寸前で今すぐにでも手術は必要だと言う。
患者は今村良美さん(仮名・59歳女性)。
去年の暮、貧血で倒れた時にたまたま撮影した脳の画像から巨大脳動脈瘤が発見された――。
しかも麻痺などの後遺症が残るリスクのある手術でとても難しい場所にあった。
五日市市記念病院の脳神経外科長、坪井俊之医師が上山博康先生の弟子だったため今回の手術が実現したと言う。
今回の手術は瘤が大きすぎてクリップを掛ける場所がない。そこで別の血管からバイパスを作り血流を確保してから瘤全体の血流を遮断する作戦に出た。
実際に開頭してみると動脈瘤がとても大きくクリップをかける部分が見えない。そこで動脈瘤を小さくしぼませてクリップをかけることに。
作戦は成功し手術は無事成功、手術をサポートしていた弟子の坪井医師も「決して諦めない」その姿勢がすごい、私もそういう心構えで居たいと感想を語った。
その後、今村さんは後遺症もなく日常の生活を取り戻したと言うーー。
(※2017/05/08放送)