ブラタモリ #72 箱根関所
2017年5月13日放送の『ブラタモリ』は第72回、箱根関所。天然の地形を上手く利用して作られた関所を訪れたタモリと近江アナ。その守りが如何に鉄壁だったか当時の姿そのままに復元された箱根関所を中心に歴史や地形を探索する――。
ブラタモリ#72箱根関所番組データ
【放送日時】 2017/05/13(土曜日)よる7時30分(45分番組)
【放送局】 NHK総合
【ロケ地】 神奈川県箱根町
【ロケ日】
【天候】 雨
【出演】 タモリ 近江友里恵(アナウンサー)
【語り】 草彅剛
【テーマ曲】 井上陽水
箱根関所前から探索スタート
タモリと近江友里恵アナが、2004年に復元されオープンした、箱根関所前に登場。
今回は、神奈川県箱根町周辺を旅する――。
今日は一日雨「ブラタモリ恒例の雨です。もう、雨じゃないと調子が出ない」とタモリ。
タモリは、箱根関所についての本を読んだことがあるが、それがなかなか面白いという。
オープニングからその内容を言ってしまっていいか判らないから(=ネタバラシになるかも知れないから)今は言わない!と笑うタモリだった――。
今回の旅のお題は「鉄壁!箱根の関所はなぜ破れない?」
タモ手箱が登場。箱根といえば寄木細工ということで、今回も寄木細工の特製タモ手箱になっていた。
――今回のお題は?
鉄壁!箱根の関所はなぜ破れない?
ここで案内人、箱根関所所長の大和田公一さんが登場した。
関所が作られて250年の間に5人しか関所破り出来ていない(しかもその5人は捕まっている)…。その守りがどうやって実現できたのか?探ってゆく。
箱根の山は天下の険♪
箱根関所の場所は、小田原宿と三島宿の中間地点にあり、箱根八里の難所に設けられた。
箱根八里というと、氷川きよし「箱根八里の半次郎」や童謡の「箱根八里」を思い出す。
特に滝廉太郎が曲を書いた「箱根山は天下の険~♪」は、タモリが小学校の騎馬戦で歌っていたといい、とても懐かしい楽曲――。
京都側から関所を訪問
タモリ一行は、京都側の「京口御門」から箱根関所に入る。
発掘調査をして江戸時代そのままに復元された関所は、中に入ると江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚になった。
当時は「京口御門」から「江戸口御門」までわずか38mの距離が旅人にとっての大きな関門だったという――。
関所の建物には、捕まった人の尋問を受ける部屋や火縄銃、弓などの武装がされており旅人を圧倒する。
江戸時代の「箱根関所平面図(小田原市立図書館 蔵)」によれば関所周辺には、人が通り抜けられぬよう木の柵が山側に400m、湖側には湖底まで続いている…。
箱根の関所は背後に急な山、全面に大きな湖に挟まれた狭い平地部分に作られており天然の地形を利用して、関所を通るしか方法がないという所にうまく設置されていた――。
箱根町断層
ここで案内人、萬年一剛さん(神奈川県温泉地学研究所主任研究員=2017年4月22日放送「箱根」編でも案内した)が登場。
箱根の関所は、箱根町断層(丹那断層の北)の上を通っている。
丹那断層は、1930年に横ずれしており、当時丹那断層の上にあった神社(火雷神社)の鳥居と階段が見事にズレてしまった写真が残っていた。
箱根町断層は、横ずれだけでなく同時に縦にもズレていたため関所部分には崖も出来ている。
なぜ縦にもズレたのか?
横ずれ断層なのにどうして縦にもズレたのか?
実は、横ずれしたのはもう一つの横ずれ断層があったため。
横ずれ断層が両側同時に反対方向にずれた場合は、その真中にある地面は引っ張り合って沈んでしまう。沈んだ部分は湖(芦ノ湖)となった。
「ものすごい複雑な要因が絡まってこの地形が出来上がっている」とタモリも驚く――。
ブラタモリ・箱根関所編。箱根町断層を赤線で、旧街道を黄色線で表示。カシミール3Dスーパー地形セット使用。標高1.5倍。今回は番組中でもスーパー地形セットの画像を何回か使っていただいた。#ブラタモリ pic.twitter.com/yC3YIR3xPj
— DAN杉本 (@DANkashmir3d) 2017年5月13日
「出女(でおんな)」に厳しい江戸口御門
京都から「京都御門」を入ってきた時は簡単に入れたが、江戸方面から入る時はなぜか厳しい取り調べがある。
江戸方面から、「江戸口御門」に入ると近江友里恵アナも、「女だ!」と叫ばれ連行されてしまった…。
江戸から京都方面へ出る女のことを「出女(でおんな)」と呼ぶ。
出女が関所に来た時には「改婆(あらためばばあ)」に幕府発行の手形を見せ、ハゲの数、ほくろの位置など厳しい取り調べが行われたという。
これは、参勤交代での実質的な人質(女や子ども)に逃げられないようにする対策。
男性にはあまり厳しくない関所だが、人質に逃げられないよう幕府は「出女」女性には特に厳しかったのだ――。
その証拠が残されていた。関所の資料館に現存する江戸時代に書かれた板書によれば、女性の取り調べについては書かれていたが、男性については何もルールが無かった。
当時男性は不審者でなければ大体通れたのだという……。
あ~、こうなってたんだ。#ブラタモリ pic.twitter.com/GksRoi7XzX
— 偽ミカワ人 (@nise_3kawan) 2017年5月13日
あらためばばあwww
— シュメールさん🦓たぬきちローン地獄 (@sumersan_1560) 2017年5月13日
#ブラタモリ pic.twitter.com/9XqjCvwRDp
小田原橋へ
一行は、箱根駅伝のスタート地点がある小田原橋へ。
箱根町は、三島地区と小田原地区両方からやって来た人々が集まって作られた街だった。その名残が「三島町」と「小田原町」という町名で残っている。
小田原橋は、小田原町にある。
幕府により「箱根宿」という街が作られ山越えの休憩場所として設けられた。
その時に両隣の宿場町に住んでいた人々は強制的に移住させられている。
また、当時は小田原宿から関所を超え、三島宿まで32kmの道のりを1日で歩いたという。
中間地点にある箱根宿では、お昼ごはんを食べていた。
「(1日でその距離を移動するなんて)駅伝より凄い!」とタモリ。
険しい谷道が関所を鉄壁に!
幕府はかつて尾根道沿いに続いていた関所へのルートを、厳しく険しい谷道に付け替えて設定した。
こうすることで、この谷道を通った者たちが話し伝いに「あの関所を越えるのは難しいぞ!険しいぞ!」と言い伝えたため、「関所を越えるのは難しい」という宣伝効果を得ることが出来た。
実際その険しさは「箱根八里」で歌われるような「天下の険」のイメージを作り上げている――。
☆今年GW 5/5(金祝) 箱根関所~遠見番所より☆彡…
— 😷motoyasu@📆💨💨🎵 (@motoyasu2727) 2017年5月14日
断層だけあって、晴天でもかなり気を使う急斜面・急階段です…。
雨ロケで足元悪い中…
☆タモリさん、近江友里恵さん、スタッフの皆様方☆…
大変お疲れ様でした☆彡☆彡#ブラタモリ #箱根 #関所 pic.twitter.com/B9MzQQN50I
タモリの疑問と「関所守り村」
タモリ一行は「箱根寄木細工」発祥の地、畑宿へ。
箱根寄木細工伝統工芸師の、石川一郎さんが解説。石川さんは七代目の職人。
石川さんが寄木細工の基本を見せてくれた。さらに、寄木細工で作った「ブラタモリ」の模様も披露された。タモリと近江友里恵アナが巨大なカンナを使いその表面を削って見事に完成した。
守り村とは?
寄木細工で有名な「畑宿」には裏の顔があった…。
箱根関所周辺の村は「守り村」と呼ばれ、山に入ったり、道をそれたりする旅人が居ないか監視する重要な使命を幕府から命令されている。
旅人が関所を迂回しないように周辺の山々は立入禁止区域となっていて畑宿の他に「湯本村」「湯本茶屋村」「須雲川村」などの村人は全体で関所を鉄壁にする役割を担っていた――。
箱根寄木細工の #ブラタモリ pic.twitter.com/9CuHm305F5
— おはよん (@Ohayon0400_0550) 2017年5月13日
箱根関所を迂回する旅人もチェック「裏関所」
そして、箱根関所を迂回するルートは確かにあった…。
しかし箱根全体では「裏関所」も設けられていて、こうした迂回ルートには全て関所があったという。
裏関所には――
- 谷ヶ関所
- 川村関所
- 矢倉沢関所
- 仙石原関所
- 根布川関所
があった。しかもこの関所の周辺の村は全て「守り村」だったため人力による監視があって簡単に箱根を越えることはやはり難しかった。
タモリも、これだけの監視網が築かれていたのならやはり鉄壁だったんだなぁと納得した。
(※2017/05/13SAT放送)
ブラタモリ反響ツイート
NHK番組「 #ブラタモリ 」面白いですよね。昨日は箱根の関所でした。勉強になります。物知りになれる。さて そのブラタモリを岡山に引っ張ってきたい。岡山城 後楽園 林原美術館 夢二美術館あたりをブラついてみては如何かなと思います。宇喜多、池田に遡りながら。いい番組になります。
— あいさわ一郎 (@ichiroaisawa) 2017年5月14日
ブラタモリ・箱根関所編。本日何回も登場した箱根の地形模型は、カシミール3Dスーパー地形セットで描画した画像を、ニシムラ地形模型さんが模型化したものでした。画像は製作中のもの。#ブラタモリ pic.twitter.com/kjrj6D6xTN
— DAN杉本 (@DANkashmir3d) 2017年5月13日
次回のブラタモリ「尾道」
次回は尾道20日SATよる7時30分予定。「なぜ人は尾道に魅せられるのか?」