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【NHK放送内容まとめ】ためしてガッテン”臭い玉”=”膿栓”の取り方!?△放置すればIgA腎症や掌蹠膿疱症に?△T細胞リンパ組織暴走△治療方法は「扁桃摘出術」△原因は「口呼吸」にアリ!【2014年10月22日(水曜日)NHK総合テレビ】



 2014年10月22日(水曜日)に放送された『NHK ためしてガッテン』は…のどから出てくるあの臭~い玉について――。

 ふとした瞬間に口から飛び出るあの「白いチーズのような謎の玉」に悩んでませんか? (2022年10月06日更新)

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ナゾの臭だまが…く、くさい(汗)

 その正体は膿栓(のうせん)というウイルスの塊(死骸)です。

 飲み込んでも害はないのですが、

 あまりにもひんぱんに(または大量に)出る場合は、免疫に関係する大きな病気と関連があるというのです……。

 この記事ではNHK「ためしてガッテン」で放送された内容から、病気のさらに詳しい正体や2022年現在も有効な対策をお伝えします。

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ためしてガッテンより。臭玉の正体は何??

「ためしてガッテン」”膿栓のひみつ”放送の結論から――

  • 口から飛び出すあのくっさーい玉の正体は膿栓(のうせん)という名前だった!
  • ”膿栓”を電子顕微鏡で観察!?その正体は【本文に画像アリ】死んだウイルス2億個の塊?
  • 膿栓自体は無害…でも膿栓が何度も大量に出るなら病気の前ぶれかも?その病気とは…?
  • IgA腎症掌蹠膿疱症など、免疫の病気と臭い玉に深い関係が!?
  • 治療するなら、薬で治す方法や扁桃摘出術が代表的。そして肝心の予防法

 

※膿栓除去にふつうの綿棒やピンセットを使うのは危険!シリンジ・洗浄瓶等の水流や専用ツールを使いましょう。

 

放送日・スタジオ出演者・司会・ゲスト

【放送日時(初回)】 2014年10月22日(水) 20:00~20:43
【放送局】 NHK総合テレビ
【番組タイトル】 ためしてガッテン「“風邪はノドから…”その体質に潜む病SP」
【メイン司会者】 立川志の輔 小野文恵アナウンサー
【ゲスト回答者】 小林幸子 内山信二
【レギュラー回答者】 山瀬まみ
【ナレーター】 生野文治

発見!喉に潜む万病の元「なぞのニオイ玉」

 ふとした拍子に口から飛び出る”謎の玉=ニオイ玉”。街頭で聞いたところ、なんと100人中32人が謎の玉を口から出した経験がありました!

 見た目はチーズのようですが…潰すと、もの凄くクサイ!!

 しかもこのニオイ玉、頻繁に出るようなら要注意。

  • 腎臓病
  • 肩こり
  • 心臓病
  • 肌荒れ
  • 大腸炎
  • 関節炎
  • 目の病気(失明の可能性も…)

――など、全身の病気に関係すると言われているのです。

いったいどうして……?

【体験談】臭い玉で血尿や皮膚の病気…関係はあるの?

 今回ガッテンで体験談を語ったのは静岡県在住の藤田幸江さん(54歳)。

 10年以上前からニオイ玉が頻繁に出るようになったそうです。

 最初はあまり気にしていませんでしたが46歳のときに体調を崩し、喉の痛みが1週間程度続きました…。

 やっと治りかけたと思ったら、今度は血尿が出て大慌て!

 医師から「腎臓病(IgA腎症)=アイジーエーじんしょう」と診断されたのです。(※腎臓は尿を作る臓器です)

 「まさか臭い玉が腎臓病と関係があるなんて考えもしなかった…」と藤田さん。

 一方、埼玉県にお住まいの橋本京子さん(仮名・42歳)はある日、ノドに何かが引っかかるような違和感を覚えました…。臭玉が引っかかっていたのです。

 やがて手と足にひどい発疹が出始めた橋本さん、病院をいくつも回りましたが結局原因は不明…。当時はひどく荒れた手を見られないよう、24時間毎日手袋をして過ごしていた…。と、つらかった体験をふり返ります。

 最後に訪れた病院でようやく判明した病名は「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう⇒皮膚病の一つです)」という自己免疫の暴走による病気でした。

 実はこの病気も臭い玉の出現と深い関係があったのです――。

ためしてガッテンより。膿栓は自己免疫疾患の様々な症状と関連している

ためしてガッテンより。ニオイ玉はいろんな病気と関係が……!

3人に1人が該当?喉から謎のニオイ玉…その発生場所とは?

 臭い玉の出現場所は、扁桃(へんとう=むかしは扁桃腺と呼ばれた)…ノドの両側にある「口蓋扁桃」と呼ばれる丸い部分です。

 左右に1つずつあり、問題のニオイ玉は扁桃表面のデコボコへこんだ穴に栓をするようにスポっ!とはまり込んでいます。

 (鏡で喉の奥の扁桃腺を観察すると白い”臭い玉”の頭が見えていることがあるとのこと)

喉の扁桃の凹んだ穴に膿栓がはまっている様子を模型で示している

ためしてガッテンより。ニオイ玉は扁桃の凹んだ穴にスポッとはまり込んでいる。

NHKのど自慢 予選会場にて”ニオイ玉”を発見?

(VTR出演:和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科 戸川彰久医師)
(VTR出演 顕微鏡分析:神奈川歯科大学 大学院歯学研究科 山本龍生准教授)

 番組が訪れたのは、昭和から続く「NHKのど自慢」の予選会場。喉をかなり使う人々が集まるこの場所に、ためしてガッテン出張診療所を開設し、ニオイ玉を持っている参加者が居ないか探しました。

 長年”のど自慢”の司会を担当する、小田切千アナウンサーが調査――。

 すると予選に訪れたうちのひとり、通事建さんの喉(左側の扁桃)に「ニオイ玉」を発見!

 早速サンプルを取り、神奈川歯科大学の電子顕微鏡を使って1万倍まで拡大すると、以下の画像のような無数の細菌がウジャウジャ!!

ニオイ玉(膿栓)を電子顕微鏡で10000倍に拡大した画像。細菌がうじゃうじゃ塊になっている

ためしてガッテンより。ニオイ玉を電子顕微鏡で10000倍に拡大すると細菌がうじゃうじゃ!!

正体判明!臭い玉は細菌死骸の塊「ニオイ玉=膿栓=バクテロイデス」

 ニオイ玉を顕微鏡で観察すると、歯周病菌や大腸悪玉菌(バクテロイデスの仲間)が1ミリ四方に1億個から2億個集まったものだとわかりました。

 こうした細菌は卵の腐った様な、とんでもない臭いがするとのこと。その正体は死んだ細菌の塊です。

 ニオイ玉そのものは体の防御反応により無害化されていて、誤って飲み込んでしまっても全く害はありません。

(※ただし”膿栓が頻繁に出来てしまう場合”には問題があるようです。このあと説明があります)

2億個の細菌の塊…バイキンは外の空気よりやって来る!

 細菌は外の空気から喉へ到達します。

 喉にくっついたバイキンは、扁桃腺に常駐する「T細胞」が撃退する仕組みになっています。

 よく「扁桃炎(へんとうえん)」になって喉が真っ赤にはれるのはT細胞による免疫撃退活動の結果なのです。

 T細胞が攻撃したウイルスの死骸は塊となり膿栓(白いクサ玉)になって喉にくっつきます。

膿栓が頻繁に出るなら大問題?全身を襲う病気はノドのT細胞から始まる…

 膿栓がたまに出来るくらいなら心配ありません。

 問題は膿栓が「頻繁に出る」場合。

 膿栓が頻繁に出る…という事は細菌の侵入が長期に渡り何度も何度も繰り返し続いている証拠。

 毎日、街や家のどこかで人や物から細菌やウイルスを繰り返しもらっているかも知れません。

 放置しているとやがてT細胞は防御に疲れ切って暴走を起こし、全身の正常な細胞にまで攻撃を始めてしまいます。

 そうなったら大変!

 「扁桃(へんとう)」は”リンパ組織(=防衛部隊)”の塊で体の免疫を担っています。扁桃以外にも”リンパ組織”は全身に点在していますが、いったん喉のT細胞が暴走して攻撃指令を出すと、なぜか全身の別の部位のT細胞も影響され健康な細胞を攻撃します。

 それが腎臓なら腎臓病へ、指先なら指先のいろんな皮膚病へと進行するのです。

 この病気を「自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)」と呼びます。

 

 

喉(扁桃のT細胞)は外気と直接触れる最前線…24時間体を守れ!

(スタジオ出演教授:和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 山中昇教授)

 リンパ組織は全身に有りますが、その内「喉のリンパ組織である扁桃」だけは外気にじかに触れていて、常に外部からの敵(風邪ウイルスなど)にさらされる唯一のリンパ組織となっています。

 膿栓(臭玉)が頻繁に出来るという事は、喉のT細胞が24時間戦わなければならなかったという証拠。

 その場合はできるだけ速やかに臭玉(膿栓)が出ないようにする必要があります…。

(※免疫の仕組みが判明したのは最近10年位のことだそうです)

 とくに公共施設、電車、バスなど人混みの中に毎日出かける人、公衆トイレを頻繁に使う人などウイルスを常に吸い込みやすい環境にいる人は、うがいや手洗いマスクなどを使ってしっかり防衛することが肝心です。

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帰ったら「手洗い」「うがい」そして「マスク」で防衛!

慢性扁桃腺炎=膿栓が出来続ける状態

 膿栓が出来続ける状態のことを慢性扁桃腺炎(まんせいへんとうえん)といいます。

 慢性扁桃炎が長引くとやがて全身のT細胞が攻撃を始め、いろんな場所で病気を起こしてしまいます。

 長引かせないよう、自分の免疫によって全身が攻撃される前に病院での治療が必要になります。

わたし「慢性扁桃腺炎」?かんたんチェック!

  1. のどのイガイガ感や違和感がひと月以上続いている…
  2. 膿栓(ニオイ玉)が月に3〜4回出る事が3ヶ月以上”続く”…
  3. 「急性扁桃炎」を年に3回~4回繰り返す…

 こうした症状がある場合は、慢性扁桃腺炎の可能性が高いため、すみやかに対策スタート!!

【実践!】「慢性扁桃腺炎」の治療は予防と手術が基本

  1. まずは、うがい薬を使い、うがいをしっかり行ってみる(マスク等で喉への細菌・ウイルス付着を防ぐ)
  2. 病院で慢性扁桃炎を抑える薬の使用
  3. 膿栓を取り除く(耳鼻咽喉科にて取り除きます)
  4. 扁桃摘出術(扁桃を切り取ってしまう手術=薬でだめなら最終手段)

 ただし慢性扁桃炎を持っていても、全ての人が自己免疫疾患(腎臓病、掌蹠膿疱症、関節炎、腰痛、肌荒れなど)になるわけではありません。

 むしろ確率的にはそれほど高い頻度ではないそうです。

 冒頭で体験談を披露した、掌蹠膿疱症の橋本京子さん(仮名)は、医師と自身の判断で腎臓病を治すため、扁桃摘出術を行いました。この手術では半数が完治、90%の患者の症状が改善したそうです。(※手術で改善しない場合は、病気の原因が別の場合もあるとのテロップ表示)

 また腎臓病(IgA腎症)の場合、扁桃を取る手術と抗炎症薬でおよそ90%が腎臓機能を復活させて元の生活に戻ったとのこと。

 たとえ扁桃摘出術をして扁桃が無くなっても、他のリンパ組織が扁桃の機能を補うため、免疫が低下することはありません。

【実践!】臭玉の最も簡単な予防法は「くち呼吸」を辞めること

(VTR出演・犬の映像:岩崎動物病院 岩崎雅和院長)
(VTR出演・猿の映像:医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター 揚山直英 主任研究員)

 『NHKのど自慢大会』でニオイ玉が発見された通事(とうじ)さんは、いつも「お口ポカ~ン」。本人も気がつかない「口呼吸」を常にしていたことが解りました。

 口呼吸は人間のみ。犬や猿、馬は呼吸のほとんどを鼻でしか行いません。そのため扁桃炎にかからないのです。

 口呼吸をすると口の中の扁桃に常に外気が当たり、その上乾燥しやすくなるため慢性扁桃腺炎の原因になってしまうのです――。

【実践!】臭玉の原因「口呼吸」を徹底的に治す

 口呼吸を徹底して治すために、番組では以下の方法が紹介されました。

  1. まず鼻に問題のある場合は鼻の問題を解消する(鼻炎・鼻詰まりなど)
  2. 口呼吸の癖(くせ)を治す

(3)の「お口ポカ~ンの癖を治す」方法は、「行動認知療法(認知行動療法)」を応用します。

 例えば、部屋の色んな場所に「口を閉じて!」と書いたシールを貼り、そのシールを見るたびに「口を閉じなきゃ…」と思うようにする。

 そうすると、やがて口呼吸が鼻呼吸に切り替わってくるそうです――。

 口呼吸は慢性扁桃炎の原因となります。鼻呼吸に切り替えて慢性扁桃腺炎を予防し、腎臓病や皮膚病のリスクを減らしましょう!

マンガでやさしくわかる認知行動療法

マンガでやさしくわかる認知行動療法

【以上、2014年10月22日放送「ためしてガッテン」より】

 

(※UUUM所属の有名YouTuber、瀬戸弘司さんにも、臭い玉に関する面白エピソードが…。)

『ためしてガッテン』放送終了後の反響ツイートは?

次回の『ためしてガッテン』は…認知症&受験にも役立つ昔遊び術!

次回は10月29日(水曜日)よる8時放送。紙飛行機・お手玉・けん玉?認知症&受験に勝つ!脳をフル回転する昔あそび。

yonta64.hatenablog.com

前回『ためしてガッテン』は保険適用の花粉症治療!

yonta64.hatenablog.com

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