チョイス@病気になったとき「腰痛対策」
2016年6月25日(土曜日)に放送された「チョイス@病気になったとき」は、腰痛対策の新常識について。(※2019年5月11日放送の「チョイス”見えない腰痛”」のまとめはこちらをクリック!)
今や日本人の4人に1人が悩む国民病の腰痛。その腰痛の常識が大きく変わりつつあるという。「これだけ体操」や「おしり神経腰痛」について最新治療を紹介。
チョイス@病気になったとき番組データ
【放送日時】 2016/06/25(土曜日)よる8時(45分)
【放送局】 NHK Eテレ
【番組副題】 腰痛対策の新常識!
【番組進行】 八嶋智人(ぎっくり腰になりかけたことがある) 大和田美帆(慢性的な腰痛持ち、以前斜め舞台(八百屋舞台)で踊った事がありそれから痛みがある)【チョイスコンシェルジュ】 新井秀和(NHKアナウンサー)
【語り】 佐藤真由美 江越彬紀
腰痛対策のチョイス
医学の進歩した今でも、腰痛の原因はわかっていないという。なんと85%が原因不明。
腰痛の対策はさまざまにあり、昔から行われてきた。
- 湿布
- マッサージ
- 鍼灸治療
- 放置
- お風呂
- コルセット
- 安静
- ストレッチ
- だましだまし
佐藤さん(女性・29歳・仮名)の場合
佐藤さんは、7年前立ち上がろうとした時に激しい腰痛に襲われた。それにより生活が一変した、何をするにも痛みが伴い人生が変わったという。
医師の指示通り安静を保つようにすれば、収まったという。ところがそれから2年後、さらなる激痛が襲う。腰だけでなく痛みが全身に広がり一歩も動けなかった。
有名整形外科を受診するが治療法も見つからず、退職せざるを得ない状態になった。
佐藤さんを診察した、松平浩さん(東京大学医学部附属病院・22世紀医療センター特任教授)が登場。
- まずは痛み止め(鎮痛薬)
- 画像検査
- 原因特定 … 佐藤さんの場合は原因の特定が難しかった
長引く腰痛の真犯人は「恐怖と借金」
松平先生によれば、長引く腰痛の真犯人は「恐怖」と「借金」だという。
恐怖とは、「また、痛みが出るのではないか?」という恐怖のこと。この恐怖によって腰痛を大事にしすぎてしまいかえって腰痛を引き起こしやすい腰になってしまうという。
腰痛悪化のメカニズム「恐怖回避思考」
恐怖回避思考とは、腰痛が悪化するメカニズム。
- 不安
- 過度の安静(過度の安静により血流が滞る)
- 痛みが激化
- 脳の鎮痛システム低下
悪化すると更に不安が増してこうしたことがずっと続くため、負のスパイラルに陥り腰痛を悪化させてしまう。
コルセットの付け方
ぎっくり腰の場合は、最初の数日間だけ本当に痛いときのみつけるようにして、それ以降はできるだけ付けないようにし、普段通りにしたほうが良い。
借金とは髄核の位置
背骨には椎間板がある。これは骨の間のクッションの役割をしている。
この椎間板のクッション部分には「髄核(ずいかく)」という中心部分があり、これは姿勢が悪いと徐々に中心からずれてゆく。
髄核はゼリー状で柔らかい。
髄核がずれて、椎間板に傷が入るとぎっくり腰。髄核が飛び出すとヘルニアという病気になる。
実演!これだけ体操
松平浩先生が腰痛に効果が有るこれだけ体操を実演した。
- 足を肩幅より少し広げて立つ
- 両手をおしりにしっかり当てる
- 骨盤を手で押し込むイメージで体をそらす。顎を引く。膝を曲げない
- 息を吐きながら3秒押してゆっくり戻す
少し痛気持ちいい程度まで押すとよい。気になった時だけ行う。
実演!これだけ体操「左右チェック編」
- 肩の高さで壁に腕を当てて立つ
- 壁から足の間での距離は壁から肩の2倍弱
- 体が「く」の字になるように手で押す
- 左右で同じことをやり、やりづらい方を確認する
- やりづらい方を5秒(押し込み静止)×5回行う
これで左右差を整える。終始猫背にならないようにチェック。やりづらい方を重点的に。2,3日に1回でOK。
これだけ体操の注意点!
おしりから、太ももにかけてしびれや痛みを感じた場合。体操後も10秒以上痛みが続く場合は、整形外科を受診する必要がある。(別の内臓などの病気の可能性あり)
小島慎二さん(50歳)による検証
仕事が物流のため腰には負担をかけている。コルセットが手放せず20年以上慢性の腰痛がある、小島慎二さんがVTRに登場。これだけ体操を試してもらう。
- 朝起きて1回
- 洗顔前腰を曲げる前に1回
- 寝る前に1回
を毎日実践してもらったところ、2週間継続してやってみると痛みを感じなくなり効果があったという。
モーションキャプチャーによる解析技術
新潟医療福祉大学医療技術学部准教授の「勝平純司」さん。
モーションキャプチャーによって、人間のくしゃみなどの腰の負担を解析した。
くしゃみをすると237kgの重みが腰にかかることが判明。
287kgといえば、武蔵丸の体重ほどもある。
- くしゃみをする場合は、机に手をつくと62%の重さを回避できる
- 物を運ぶときは、物を遠くから持つのは厳禁。ものの近くで腰から持つと良い
- 台所仕事で立つ場合は片足を踏み台のような低い台に置くだけで前かがみを防げる
- 靴下を履くときは壁に寄りかかって前かがみをなくせば腰の負担が消える
ハリ胸&ぷりけつ
- 肩幅に足を開いて、小さくまえ倣えのポーズ
- 手のひらを上にむけて胸を開く
- その胸を張った状態をキープしながら、体のそばで常に作業をする
前かがみになる作業の時は「ハリ胸&ぷりけつ」にしてさらに体の近くで行うことを心がける。
腰痛借金をためない予防が一番重要。
腰椎手術をしても6割に腰痛が残る!?
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)は、加齢で腰の骨が変形し脊柱管という神経が通る管を圧迫する病気。圧迫する時に激しい痛みを引き起こす。
まだ症状が少ない場合は通常、鎮痛薬と血流改善薬で様子をみるが、重症になると手術(脊椎固定術など)をする場合もある。
なんと腰椎手術をしても、半分以上の6割の患者さんに腰痛が残るという。
日本医科大学千葉北総病院
こちらには、脳神経外科があり、手術後の痛みに特化した治療が行われている。
担当医は、金 景成さん(きん きょんそん・日本医科大学千葉北総病院脳神経センター)。
手術自体はとてもうまく行っている。
おしり神経腰痛とは?
しかし、CTやMRIに映らない細い神経が腰痛を起こしているという。
これを「上殿皮神経障害(じょうでんひしんけいしょうがい)」と呼んでいる。通称を「おしり神経腰痛」とも呼ばれる。
背骨からは無数の「おしり神経」が伸びていて「腸骨稜(ちょうこつりょう)」という少し盛り上がった部分に引っかかっておしり神経がひっぱられ痛みが出る。
直径2ミリの神経のため画像に映らない。
上殿皮神経ブロック
おしり神経が原因だとわかれば、上殿皮神経ブロックをする。麻酔注射をして神経をブロックし痛みを軽減するやり方。
注射をすればまったく症状がなくなる。
おしり神経腰痛に詳しい、井須豊彦(釧路労災病院脳神経外科部長)先生がスタジオに登場。解説した。
ブロック注射は、2日に1回、10日間で4回から5回の通院で、その後1年半の効果が持続するという。
治療法が見つかったばかりで、まだ多くのお医者さんはこの治療を行っていない。
これから普及してゆくことを期待したいという。
チョイス@反響ツイート
あ、Eテレのチョイス病気になったときの腰痛特集ですよ
— ゆーゆあず@テレオペ (@yu_yurs) 2016年6月25日
腰痛対策の新常識!:チョイス@病気になったとき 腰痛の主な原因は、「腰への負担の蓄積」と「ストレス」だということが分かってきた。腰の負担を和らげる日常生活の工夫や痛みを減らすための超簡単な体操などを続々紹介。 https://t.co/XNaxIoQ1UA
— 小渕@鳥取 (@sihikurume) 2016年6月25日
昨夜8時からのEテレ「チョイス」(4月23日放送の再放送)は、“腰痛対策の新常識!”。これだけ体操、負担軽減ワザなど腰痛対策は参考になった。上殿皮神経ブロックの注射で劇的に治った高齢男性の姿を見て、激しい腰痛に悩む父親の参考になるかもと、ネットでさらに詳しい情報を検索している。
— kawaitomoko (@kawaitomoko54) 2016年6月26日
昨晩たまたま観たEテレのチョイスで紹介してた腰痛これだけ体操、試してみたらホントに腰が伸びて気持ちいい(*^-^*)
— 染井よしの (@someiyosino4429) 2016年6月26日
次回の「チョイス@病気になったとき」は…
次回は、土曜日夜8時から。「肺がん」がテーマ。進行がんの人に効く最新治療も紹介。
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