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反響要約「ガイアの夜明け 巨大規制に挑む~明かされるバター不足の闇~」▽50年続く日本独自の商習慣と政府が主導する規制改革とは?【2016年11月22日(火曜日)放送内容 テレ東】



ガイアの夜明け「酪農家の自由とバター不足」

2016年11月22日(火曜日)よる10時からテレ東にて放送された「ガイアの夜明け」は「バター不足と酪農家の販路選択」の闇に迫る。

「箱根ベーカリー 川崎アゼリア店」社長の市川美夏子さん。大人気のクロワッサンを作るための「バター」が前年の7割しか入手できず悩んでいた……。

政府はニュージーランド産等のバターを輸入し対応しているが全てが業務用のバター。家庭用バターについては輸入に頼ることも出来ず2005年 300円台だった価格が2015年434円にもなった。(総務省調べ2015年)

なぜいつもバターだけ足りないのか?「バター不足」の背後にある買い取りの仕組みとは?長期取材によって明らかにされる……。

ガイアの夜明け番組データ

【放送日時】 2016年11月22日(火曜日)よる10時(60分)
【放送局】 テレビ東京
【副題】 巨大”規制”に挑む!~明かされる「バター不足」の闇~
【ナレーター】 杉本哲太
【案内人】 江口洋介

現在の牛乳流通の仕組みとは?

スーパーで売られている牛乳はどのようにして私たちの元へ届くのか?

  1. 酪農家が牛から生乳を搾り取る
  2. その生乳は各地にある「指定団体」に全て集められる
  3. 買い取る金額や量は指定団体を中心にして計画的に決定される
  4. 「指定団体」に集まった生乳は、各乳業メーカーに渡る
  5. 乳業メーカーは、ヨーグルトやバターに加工
  6. 各地のスーパーで販売される

この制度になったのはおよそ50年前。指定団体があるから牛乳の価格は常に安定する。指定団体のシステムは「酪農家」を守る上で大きな役割がある。

しかし今、守られてきたはずの酪農家自身が行動を始めた。

絞った生乳を「指定団体」を通さずに自分の決めた販路で売ろうという動きだ。

指定団体以外の販路を模索する酪農家たち

6月上旬、北海道の浜中町。浜中町で生産された生乳は高級アイスクリーム「ハーゲンダッツ」の原料に選ばれる高い品質を持っている。

ハーゲンダッツ スペシャルセット 14個入

ハーゲンダッツ スペシャルセット 14個入

 

この町にある「鈴久名牧場」もそんな品質の高い生乳を生産する農家のひとつ。

社長の、鈴久名翼さん(36歳)は酪農一筋四代目。トップクラスの大規模農家だ。ハーゲンダッツの原料に選ばれる程の乳脂肪分が多い濃厚な生乳なのだが、指定団体で一気に集めるため品質をどんなに上げても全く値段は変わらないという。

【鈴久名翼さんのFacebook】https://www.facebook.com/tubasa.suzukuna

日本の生乳は、全国10箇所の「指定団体」に集まり、指定団体ごとに同じ価格で販売しているのが現状。

指定団体とは農協の組織。例えば北海道の場合は「ホクレン」が指定団体となる。

「高品質な生乳を作っているのに買取価格は他の生乳と同じ。」これが農家の不満として高まっていた……。

指定団体から独立した卸会社「MMJ」とは?

鈴久名牧場に、MMJ(ミルクマーケットジャパン)の社長「茂木修一」さん(62歳)がやってきた。

MMJの茂木さんは生乳を農家から買い取る民間の卸売業者だ。

指定団体の買取価格に不満を持っていた鈴久名さんは、この日MMJの茂木さんの会社に買い取り先を変更する契約を結んだ。

この事は、地元の新聞でも取り上げられ「鈴久名牧場・MMJに出荷切り替え」という大きな見出しになった。(2016年6月9日付・釧路新聞)

www.news-kushiro.jp

買取価格は「指定団体よりも10円高い、1キロあたり約100円」。年間2000万円以上の増収になるという。

出荷先をMMJに変えるだけで売上が大幅にアップする。現在日本では、50件の農家がMMJに出荷先を切り替えている。

MMJで買い取った生乳は中小の乳業メーカーが買い取ってそれぞれ乳製品となるのだ。

立派なビルや従業員が居なくてもやっていける

群馬県伊勢崎市。ここにMMJの本社がある。一間だけのとても質素な事務所だ。

スタッフは4人しか居ず、初めて本社を訪れた人は大抵(規模の小ささに)驚くという。

人件費を大幅にカットすることで指定団体よりも高い買取価格を実現していた。

茂木社長は、かつて酪農家だった。経営難で次々と廃業する仲間を見て2002年MMJを立ち上げたと語る。

www.milkmarket-japan.com

立派なビルや沢山の従業員を抱えなくてもやっていけるところを見せたいと言う。MMJが頑張れば農家も収入が増え、後継者も入り生産量も増える。と笑った。

「指定団体」以外とは取引したくないバター工場たち…

9月上旬。神奈川県の箱根ベーカリーに茂木社長は居た。

http://箱根ベーカリー.com/

MMJの噂を聞きつけた社長の市川美夏子さんが「入手しにくいバターを少しでも確保出来れば…。」と茂木さんに連絡を取ったのだ。茂木社長はMMJで集めた生乳を使ってバターを作ろうとしていた。

国産バターの9割は北海道で作られている。(森永、雪印、明治などの大手メーカーによる)

しかし、どのバター工場も(50年間もそうしてきたため)「指定団体」以外の牛乳を入れることは出来ないという……。

山形県天童市の「富士乳業」。こちらでは現在、東北の農協指定団体「東北生乳販連」から生乳を仕入れている。

脱農協、北の国から 高値の牛乳、一部で値下げ 本州へ安値で「越境」 :それにしても深刻なバター不足 あっしら

4年前、富士乳業(会長:東海林恵さん)がMMJとも取引を始めた途端「支払いを現金に…」「(保証金を)3ヶ月分積んでくれ」など色々な妨害(のような条件指定)にあったと当時を振り返る。

「ことごとく要求をつっぱねて居たら、指定団体から生乳の供給を全て止められた。」

番組はこれが本当なのか農協側にも確認。その結果農協側は「(農協の規約により)個別の理由は一切公開できない」との回答だった。

結局、MMJの茂木さんは22社全て回ったがどの工場もバターを作ってくれない。そのためこれから2年かけてMMJ独自のバター工場を作るという。

「バター不足」の意外な理由が明らかに!?

北海道中央区「ホクレン農業協同組合」。北海道で特に大きな力を持つ指定団体「ホクレン」。

国内の生乳の半分以上。

国産バター約9割の流通を握っている。

9月下旬にホクレンと酪農家との意見交換回が行われた。

番組スタッフはバター不足についてのホクレンの考えをインタビュー。

(一般的な消費者心理として)「品薄であれば必要でないが取り敢えず購入する」という消費者心理が働く事は間違いないと回答。

(こうした一般論とは別に)ホクレンでも、もちろん意図的にバター不足にしているわけではなく我々も安定供給を目指している。と話した。

また、バターが不足する理由として以下のような状況も加わる……。

  • 生乳は飲用向けに売ったほうが高く売れる ⇒ 価格の安いバターに生乳が回らない
  • バターは(保存が効くため)不足すれば国外からの「輸入」に頼れる

「バターは不足しても輸入出来る。だから卸価格の高い生乳向けに卸したい」という心理が働く。この構造そのものが、バター不足の原因だったと番組は結んだ。

50年以上続く生乳の流通形態に政府がメスを入れた!?

政府はこうした事態を受けて、50年以上続く生乳の流通形態にメスを入れ始めている。

規制改革は、安倍総理を中心にし「規制改革推進会議農業ワーキンググループ」として発足。

www.sankeibiz.jp

ワーキンググループのメンバーである、本間正義さんにインタビューした。

本間正義さんは、「バター不足になる原因は長年続いたシステムにある」と明言した。

”指定団体オンリー”というシステム自体が自身の儲けや組合員に対する利益を最大化しようとして行動するのは当然考えられることで、だからこそ今このシステムを見直さなければならないと話した。

消費者がたとえバターが不足して困っても、指定団体は安いバター用の生乳を増やしたりはしない原理が働くという。臨機応変に市場に対応する仕組みづくりが出来ていない。

販路を模索する若い酪農家たち

北海道釧路市阿寒町。この街で5年前から酪農を始めた、福田貴仁さん(32歳)。

釧路市 福田貴仁さん - 頑張ってます!新規就農者

もともと派遣会社の営業をしていた福田さん、憧れの酪農を始めたが聞くとやるとでは大違い。

1日の労働時間は平均12時間。スローライフを目指したが全くスローではないと奥様も笑う。

サラリーマンの時代よりは収入は上がったが、労働時間は大幅に増えている。

また、指定団体への手数料(年間200万円以上)が高く農協を通すだけで(飼料等を)買っても(生乳を)売っても手数料を取られると言う。かと言って農協以外の選択肢は選べない。

そこで福田さん。2年前にはMMJと取引をしようとしていた。

しかし近所の酪農家からは「農協とケンカしたくない」と断られ、自身もMMJとの取引を断念していた過去がある。

今回、事業を拡大するつもりでもう一度MMJの茂木さんを呼んでいた。

しかし近くの農協にMMJへの切り替えを「阿寒農協」で相談。組合長は「歓迎はできない。リスクは背負ってもらうよ。他の組合員と同じように出来ないからエサ代を値上げする。

と言われてしまう。

エサ代が値上げされれば、MMJで生乳を高く買ってもらっても全く意味がない。

と、奥さんに相談。エサ代は経費の半分以上を占める。値上げされればたちまち経営は行き詰まってしまう。

エサ代の値上げはしない?

しかし、事態は急展開を見せた。阿寒農協の組合長が「エサ代の値上げはしない」と言ってきたと言う。

そこで、「エサ代の値上げがない」ことと「農協に借りている借金を清算せず、MMJに取引先を変更できるように」という”ひっかかる2つの部分”を書面で出して欲しいと願い出た。(なぜ方針転換をしたのかは不明)

安倍総理が手動する政府の規制改革

同時期に、安倍総理が、「生乳については指定団体に出荷する酪農家のみを補助対象とする仕組みをやめて、酪農家が販路を自由に選べ、流通コストの削減と所得の向上が図れる浩平な事業環境に変えます」と断言した。

福田さんの牧場では新しい牛舎の工事が進んでいる。来年早々に牛舎が完成し、仲間たちとともにMMJへの出荷を始める。

福田さんは「高く買ってもらう以上は良いものを生産していかなくてはならない。」と決意を語った。

日本の農業が強くなるにはこうした若い農業家たちが自由に活躍できる場を提供する必要がある……。

ガイアの夜明け反響ツイート

https://twitter.com/0po3/status/801699447570694144

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