今日のドクターG「背中の痛み」
2016年4月27日(水)午後22時24分ごろ50分間放送の「総合診療医ドクターG(ドクタージェネラル)」は、「背中が痛む」。
50歳の主婦、介護生活のさなか、ある晩の電話中、背中に激しい痛みが襲う。最終的な病名は「微小血管狭心症(びしょうけっかんきょうしんしょう)」だった。この病気は検査で異常なしと出てしまい病名自体知らない医師も多い。
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今日のドクターGはこんな内容!
- 50歳の主婦、介護疲れ、夫が非協力的
- 背中、うで、あごの関連痛で心臓狭心症の可能性
- しかしカテーテル検査を含めあらゆる検査では異常なし
- 結果「微小血管狭心症」だった。この病気は検査で正常となりおまけに医師も知らない病気のため見過ごされやすいが実は更年期障害の女性に多い
総合診療医ドクターG出演者一覧
【司会】 浅草キッド(水道橋博士 玉ちゃん)
【スタジオゲスト】 早見優 六角精児(腎結石で背中痛の経験あり)
【ドクターG】 片岡仁美(岡山大学病院総合内科・出演2回目)
岡山大学病院「総合内科」
今回のドクタージェネラル、片岡仁美先生がいる総合内科は問診が丁寧なことで有名。一人平均20分も診てくれる。表情や言葉のトーンが病気を診断するヒントになるという。
今回の研修医たち
今回は集まった研修医たちは以下のとおり…
- 衣斐恭介(いびきょうすけ) … 千葉県総合病院国保旭中央病院
- 福市有希子 … 埼玉県上尾中央総合病院
- 藤田貢司 … 宮崎県藤元総合病院
主訴「背中が痛む」
稲葉ちえみさん (50歳)は、姑の認知症で介護生活となった。毎日大変な介護を経験。
夜に娘と電話中、背中に激しい痛みが襲い立っていられない状況となった。
病院へは歩いてこられた。主婦、168cm52kg。
- 夕方から肩に違和感があった。50肩のように腕が痛くて上がらない
- その後夜7時、夕食後も左肩の痛みが続く
- 夫は介護に無関心で任せっきり。負担は妻へ
- その後よる8時、激痛が走り倒れる
- 背中は1年ほど前から月に1,2回の痛みがあった
- 寒くなると痛い時が増える(月に3,4回)
- 明け方背中の痛みで目が覚める
- 外出中、介護中も痛み
- 1年前から生理は不順だがある
- 手先が冷えたりといった更年期障害の症状がある
- 虫歯もないのにあごが痛い、2,30分で収まる
- 背中の圧痛はない
- 体の奥が痛いような感じがある
- 心音、呼吸音に異常なし
- 何件も病院をまわりレントゲン、エコー、心臓カテーテル検査、CTスキャン、MRIすべて異常なし
- 心療内科にも行ったが異常なし
- やがて精神的なものと決めつけられ痛みを相談できなくなった
研修医たちの初期の診断
研修医たちが挙げたのは、すべて心臓の病気だった。
- 大動脈解離 … 大動脈の内側の膜が裂ける。突然胸や背中に激痛が走る。原因は高血圧や動脈硬化
- 急性心筋梗塞 … 冠動脈が詰まり心筋が壊死する病気。胸の激しい痛みは30分以上続き死に至ることもある。
- 狭心症 … 心臓に酸素、栄養を送る冠動脈が狭くなり血流が低下。胸に鋭い痛み、肩、うで、背中が痛むことがあるが安静にすると数分で収まる
- 冠攣縮性狭心症 … 狭心症の一つ。何らかの原因で冠動脈が痙攣、瞬間的に血管が狭くなる。就寝中に起こり痛みは数分でおさまる。早朝に多い。
- 心身症(身体表現性障害) … ストレスで足が動かない錯覚(アルプスの少女ハイジのクララなど)
- 身体表現性障害 … 頭痛、腹痛、吐き気、しびれなど様々な場所に多彩な症状が出る。
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後半の研修医たちの診断
- 高安病 … 大動脈などの太い血管に原因不明の炎症が起きる。発熱や倦怠感湿疹がでる。30代の女性に多い
- 自立神経失調症 … 呼吸や消化、体温調節などに異常が出る。めまい、発熱など
- 更年期障害 … 女性ホルモン「エストロゲン」が減少することで起きる。ほてり、のぼせ、肩こり、腰痛、うつなどの精神症状もある
心臓の関連痛の場所
心臓に問題が起きた時の関連痛の場所は以下のようになる。これは心臓からの痛みの信号が脊髄を通って脳に到達する。脊髄には心臓と違う場所の痛みの神経も通っているため関連痛として痛みを引き起こす。
- あご
- 肩
- 背中
心臓カテーテル検査で映らない血管とは?
人間の心臓には冠動脈だけではなくもっともっと多くの微小血管が張り巡らされている。(心臓の微小血管)
心臓は血管の塊と言って良い。
微小血管が詰まっている可能性は?
エストロゲンには血管を拡張させる働きがある。更年期障害によりエストロゲンが減少すると血管の拡張作用が弱まって心臓の微小血管が狭窄することがある。
最終診断結果「微小血管狭心症」
最終的な病名は、「微小血管狭心症」だった。
検査で異常がなくても症状が出る場合は、冠動脈だけではなくもっと細い血管が狭心症を起こすこともある。
今回さらに細かい検査をして「微小血管狭心症」の確定診断ができた。
まだ知られていない病気
更年期の女性10人に1人はこの症状の可能性があるという。
日本では、2010年「循環器領域における性差医療に関するガイドライン」にこの病気のことが初めて記載されているため、学校では習った生徒も少ない。
多くの検査で異常なしと出るので注意が必要。
この病気には「カルシウム拮抗薬」「ニコランジル」などが効くことがわかっている。
稲葉ちえみさんは、これらの薬を長期服用して現在は元気な心を取り戻した。
総合診療医ドクターG反響ツイート
今日のNHK ガッテン/やわらか鶏胸肉特集の録画見てる。明日は鶏ムネと舞茸が売れるぞー(`・Д・´)今までレモン+砂糖水+オリーブオイルで自家製サラダチキン作ってたのを舞茸にチェンジしてみよう
— shig (@shig7500103) 2016年4月27日
微小血管狭心症
— megegg7 (@megegg7) 2016年4月28日
NHKドクターGで
やってた
背中、腕、あご、歯、
の痛み
カテーテル検査しても
わからない。
そもそも医者がしらないという。
閉経前後に女性ホルモンが
減って血管が細くなって
血液の流れが悪くなるらしい‥
昨日のドクターG、見ていただいてありがとうございます。
— 志村りお🌎 (@shimurara) 2016年4月28日
全国にいるこの病気の患者さんが救われますように。なんていい番組なんだ!!
「ドクターG」に出てた片岡仁美先生(岡山大学病院)、いいこと教えてる。検査結果に異常がないからといって、症状のある患者を離してはいけない、とのこと。検査結果に異常がないというのは、医師にとって都合のよい言い訳だと私は感じた。
— Ken Kurashima (Ph.D. in Disability Sciences) (@kurabi22) 2016年4月28日
昨夜の「総合研修医 ドクターG」の症例は「微小血管狭心症」。
— ドクターズゲート (@DoctorsGate) 2016年4月28日
更年期障害期の10人に1人程度がかかるという普遍性と、それに反して知名度が低く知っている医師が少ないという難易度がやや高いものでした。
再放送は4/30(土)なので、ぜひ! #ドクターズゲート #ドクターG
https://twitter.com/yuugurezoku/status/725523743355723777
TVジャパンで解決ドクターGやってるんだけど患者さんの夫がクズすぎて見るに耐えなくなってテレビを一回消しちゃった。それだけ役者さんの演技力が上手いってことなんだけど上手すぎると不快になってしまう。ほんま結婚相手は選んだほうが良いね。 pic.twitter.com/oiAhKaUcI8
— とらい (@ToraiKun) 2016年4月28日
@yukiozawa (承前) 僕は2年ほど前に、左腕からカテーテルを入れて検査してもらったら、特に異常なしだったけど。
— ヒロタン@郡山市 (@hirotan1977) 2016年4月28日
昨晩のNHKのドクターGで、狭心症の一種で「微小血管狭心症」のことを取り上げていたんで。
お大事になさってください!!
次回のドクタージェネラルは…
次回のドクターGは、温泉入浴中に息が苦しくて動けない症状が出た患者の診断。5月11日(水)よる10時25分より放送予定。
前回のドクタージェネラルは…
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