2015年5月2日(土曜日)に放送された『医のココロ』では、パニック障害について「どんな病気なのか?」「治療法は?」など、前久保邦昭先生がわかりやすく解説されました。
医のココロ出演者
【医のココロナビゲーター】 武川智美(MBSアナウンサー)
【解説医師】 前久保邦昭 先生(前久保クリニック院長・日本産業精神保健学会理事・日本外来精神医療学会理事)
パニック障害とはどんな病気?
パニック障害とは、不安が耐えがたい程になってしまい、心と体に激しい不安症状が出る病気のこと。重い場合には、日常生活にも支障をきたします。
どんな場合に起こる?
例えば、運転中の車中や満員電車の中のような「自由を拘束され安全な場所に逃げることが出来ない空間」を意識した時に起こる。
その不安は、通常の人が車を運転している時にハンドルが突然効かなくなってしまった時に感じる位激しい。
どのような症状?
発作が起こると約10分程度パニック状態に成り、30分以内に収まることが多い。
命の危険は無いが繰り返しパニック状態が起こることもある。
「予期不安」とは?
予期不安とは、過去に経験した恐怖や不安を思い出し、そのことを考えるだけで恐怖や不安を感じてしまう症状のこと。実際にその場所に行っていないのに、そのことを考えるだけでパニック発作になってしまう。
「また起きるのではないか?」と不安となり家から出れなくなったりする。
パニック障害の原因は?
パニック障害の原因は様々。サラリーマンが連日仕事に追われたり、主婦が子育てを精一杯やっているような状況で心に余裕が全くなくなってしまった時などに発生する事が多い。
それは「不安」「緊張」「動悸」を伴い日々強くなってくる。
それを何とか治めようとするが最後には収まりきらなくなってくる。その時にパニック障害となる。
現状詳しい原因については解明されていません。
治療法について
パニック障害と診断されるとまずは「抗不安薬」による薬物療法が基本となる。
パニック発作を抑えつつ「認知行動療法」(間違った認知や偏向した思考パターンの癖をより良い方向へと修正する治療法)を行ってゆく。
例えば、電車にのるのが不安だという場合には、信頼できる知人と一緒に電車に乗り環境に慣れる治療が行われる。
これを繰り返し徐々に恐怖や不安に慣れてゆく治療法などがある。