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要約「サイエンスZERO 宇宙最大の謎 ダークマター 驚きの新説に迫る」▽リサ・ランドール教授インタビューほか【2016年8月7日(日)放送内容 NHK Eテレ】



サイエンスZERO「ダークマター新説に迫る」

2016年8月7日(日曜日)に放送された「サイエンスZERO」は、ダークマターの新説に迫る特集。番組司会の竹内薫とリサ・ランドール教授との独占インタビューやダークマターとは何か?WIMPや、ダークディスク、SIMPなどの新仮説、恐竜の絶滅とダークマターの意外な関係などが紹介された。

サイエンスZERO番組データ

【放送日時】 2016年8月7日(日曜日)よる11時30分(30分)
【放送局】 NHK Eテレ
【司会】 南沢奈央 竹内薫(サイエンス作家)
【スタジオゲスト先生】 向山信治(京都大学基礎物理学研究所教授)

ダークマターとは?

今、宇宙の研究をしている世界中の人々が最大の謎としている物質。

それが、「ダークマター」(暗黒物質)。

ダークマターとは、質量があるのに目に見えない(光を反射・吸収しない・触ることも出来ないし感じることも出来ない)という謎の物質。宇宙はこのダークマターで満たされていることが解った。私達の身の回りにもあり、もし発見すればノーベル賞級。

また、ダークマターがなければそもそも私たちは存在さえしていないという。

今回来日した、ハーバード大学のリサ・ランドール博士がダークマターの驚きの新説ついて語った。

ダークマターは確かに存在する!

なぜ眼に見えないものが存在すると言えるのか?

宇宙を研究していると間接的にダークマターがなければ成立しない現象が発見されている。

例えば、銀河系。

銀河の渦巻きの回転速度を理論上で計算すると、銀河系の回転は早すぎて内部の星が飛び出すような速度になっている。

しかしそれにもかかわらず星がとどまっているのは、「ダークマター」が有って星を飛び出さないようにしていると考えるしか無い。

その後の計算によって、ダークマターは宇宙の目に見える物質全てを合わせた質量の6倍もあることが解った。

ダークマターの集まるところに星も生まれる

ダークマターは、ビッグバン直後宇宙に拡散するが均一でなく、ダークマターが濃いところと薄いところが出来た。

その濃い部分に普通の物質も集まってきて、星や銀河、私達の地球も出来上がったという。

Weakly Interacting Massive Particles

Weakly Interacting Massive Particlesとは、弱い相互作用をする質量のある粒子のこと。(WIMP)。

私達が作られている物質の世界(ダークマター以外の物質)は、比較的相互作用が強い物質同士で出来ている。

手で机を叩いても分子同士がすぐに分解したり、手が机をすり抜けたりはしない。人も机も相互作用が強い物質の結合でできている。

しかしダークマターは、ダークマター同士であっても弱くしか相互作用しない。これをWIMP(ウィンプ)という。

世界中の研究者がWIMPを捉えようと挑戦中

スイスのセルン(CERN 欧州原子核研究機構)では超大型加速器を使ってビッグバン直後の高エネルギー状態をつくりだした。

この実験によって、2013年のノーベル賞を受賞した「ヒッグス粒子」が観測された。

しかしこのセルンの超大型加速器を使っても、WIMPを捕らえることは出来なかった。

さらに日本の岐阜県飛騨市神岡町のスーパーカミオカンデ。

この施設でもWIMPを捕らえる装置があるが5年経つ今も発見されていないという。

東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構の、鈴木洋一郎教授は、WIMPの徴候の糸口も影も無いことから、WIMPの存在自体が計算ミスではないか?別の何かではないか?と考え始めている。

10年前は大型加速器が完成すれば、すぐに見つかると考えてきたがあまりにも痕跡がないため、別の考えかたを模索し始めている。

ダークマターの新しい理論

村山斉(むらやまひとし・東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構)先生と、リサ・ランドール(ハーバード大学)教授は、ダークマターの新しい考え方を提唱している。

Strongly Interacting Massive Particles

Strongly Interacting Massive Particles(強い相互作用をする質量のある粒子)は、村山斉教授らが提唱する新しい考え方(仮説)。

ダークマター同士がすり抜けるSIMPに対して、ダークマター同士はぶつかり合う事ができるというもの。(SIMPの場合でも物質同士の隙間が大きいので、私達の身体などはすり抜けてしまう)

「WIMP」(ウインプ)に対して「SIMP」(シンプ)と言われる。

ダークマターをSIMPだと仮定するとこれまで解決できなかった問題が解決できるという。

例えば「矮小銀河(わいしょうぎんが)」。

矮小銀河は小さな銀河。その銀河の形がWIMPだと星がもっと中央に集中した形になるはずで実際の形とはあっていない。

そこで、ダークマターがSIMPだと仮定して形を計算すれば実際の矮小銀河の形とそっくり合うようになる。

リサ・ランドール教授

ハーバード大学のリサ・ランドール教授は、村山斉教授が提唱する仮説と同じ「強い相互作用のある粒子」をもつダークマターを考えているが少し別の考えを持つ。

番組司会の竹内薫が来日した、リサ・ランドール教授に直接インタビューした。

リサ・ランドール教授の考えるダークマターは、1種類ではなく95%のWIMPと5%の新説のダークマターがあると仮説を立てた。

残り5%のダークマターは、電磁気力を持ったダークマター。通常の物質の電子と陽子のようにダークマター版電子とダークマター版陽子がありダークマター版原子を作っている。その結びつきはWIMPよりも強い。

ダークディスク

このダークマター版原子は、普通の物質が渦巻き銀河を作るのと同じようにして、見えないダークマター版銀河(ダークディスク)を作って渦巻いているという。

ダークディスクは、天の川銀河に重なるようにして存在していて、星の密度などを今の銀河系の形に調節しているという。

(WIMPダークマターだけだと今の銀河系の形が説明できない)

他の研究者はSIMPに懐疑的?

他の研究者たちは、SIMPダークマターのモデルについては懐疑的だと思われていると、リサ・ランドール教授。

ただ、ヒッグス粒子もこうした新しいモデルがあったからこそ発見できたので続けて研究してゆきたいと話した。

ダークディスクが恐竜の絶滅を招いた?

恐竜は、隕石の衝突により絶滅したという説が有力だが、その隕石をダークマターが引き寄せたというのだ。

地球は、銀河を回ると同時にダークディスクを周期的に通過している。

ダークディスク通過した時に遭遇する強い重力の影響で、隕石が生まれる場所「オールトの雲」を回っていた隕石が軌道を変え、地球にやってきて衝突、恐竜は絶滅したというユニークな仮説もある。

ダークディスクは観測できるか?

2013年にヨーロッパの観測衛星ガイアが打ち上げられた。

この衛星は、10億個の星の位置や重さを観測できる。観測によって精度の高い星の軌道が明らかになればダークディスクの影響があるのか無いのかなどはっきりするという。

今後10年が楽しみですと、向山教授が話した。

サイエンスZERO反響ツイート

https://twitter.com/multiversestone/status/762934016836153344

https://twitter.com/sakakurahisashi/status/762934113951059969

https://twitter.com/naoto718/status/763342519400697860

次回のサイエンスZERO

次回のサイエンスZEROは、「マリモ 球体の謎に迫る!」(再放送)。日曜夜11時30分。

前回のサイエンスZERO

yonta64.hatenablog.com

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