サイエンスZERO「ネコの科学」
2016年6月5日(日曜日)に放送された「サイエンスZERO」は、猫と人の関係について。
サイエンスZEROネコ特集の第2弾!猫は飼い主のことをどう認識しているのか。ネコと接した時の人の脳活動の様子。ネコが飼い主の心臓病を防ぐという驚きの作用など科学的に解明。さらに猫の慢性腎疾患についても。
サイエンスZERO番組データ
【放送日時】 2016年6月5日(日曜日)23:30(30分)
【放送副題】 ニャンとビックリ!科学で探るネコとヒトとの優しい関係
【放送局】 NHK Eテレ
【司会】 竹内薫(猫大好きサイエンス作家) せんちゃん(スタジオゲスト猫) よりちゃん(スタジオゲスト猫) 南沢奈央
【ナレーター】 稲垣秀人
ネコとヒトとの関係
この分野は動物行動学や認知科学の分野ではあるが、意外に人と猫との研究は少ない。
それは、ネコの実験への参加が難しいため。気まぐれで餌にも釣られない。
猿などの霊長類であれば、餌を与えることで簡単に実験ができる。
猫は飼い主のことをどう思う?
司会の竹内薫の自宅。猫が4匹いる(モモちゃん、ゾンゾンほか)。
猫がくつろぐときに飼い主が声をかけてもしっぽだけしか反応しないが、犬の場合は声をかけるとよりはっきりとした認識をして反応する。
武蔵野大学の、齋藤慈子(さいとうあつこ)講師。
自身も猫を飼う斎藤さんは、他人の声と飼い主の声を区別できているのか?について実験を行った。
猫にストレスをかけないように、飼い主さん(服部円さん)の自宅が使われた。
飼い主が呼ぶ声と他人の声を数人分録音。
「馴化脱馴化法(じゅんかだつじゅんかほう)」を使う。
これは他人の声に飼い主の声を混ぜて声全体に慣れさせその一部に突然飼主の声を入れその声を区別し反応するか見る方法。
その結果、ちゃんと飼い主の声を聞き分けている事がわかった。
ただし、猫の場合呼ばれても尻尾を動かしたり振り向いたりしただけで、鳴いたりはっきりとした積極的な返事行動はしない。
返事をしない理由は、歴史的にコミュニケーションする手段が豊富でなかったり、野生が残っていて人とあまり積極的な関係を持ってこなかった事が影響しているだろうと、斎藤先生。
太田光明(東京農業大学教授)がスタジオに登場。猫は先進国ではネズミ捕りのしごとに失業したので今は、人とのコミュニケーションに努力しているという。
例えば「にゃー」という鳴き方は、猫同士の会話のためではなく人に向かって鳴いているのだと太田光明先生。
猫同士はにゃーとは言わない。と太田光明先生。
猫とのふれあいが人間にどう影響する?
内山秀彦(東京農業大学 准教授)さんは、最新の機器を使って動物に触れた時の人の脳活動を調べている。
使用する機器は、「光イメージング脳機能測定装置」。
近赤外線を使って脳の血流を調べることができる。
40人の実験の結果、犬を撫でていると急激に脳の活動が活発になることがわかった。
さらに、猫でも同じ実験をするとなんと猫と触れ合ったほうがさらに脳の活動が活発になった。
特に、猫が「ツンデレ」で人間の命令を聴かなかった時は特に脳は活発に。
犬の場合は、犬が言うことを聞いた時に脳の血流が上がり逆の結果になるという面白い結果に……。
猫の癒やし効果とは?
うつ病の患者さんに対してイルカのクリックス音(イルカがゴロゴロ言う音)を聞いてもらうと鬱病の症状が和らぐという。
猫のゴロゴロ音もこれと同じ効果があるのかもしれないと、太田光明先生。
ミネソタ大学脳卒中研究所(アドナン・クレシ教授)の研究論文によれば、「猫の飼育と心血管疾患」の関連について調べた。
35歳から70歳で猫を飼ったことがある人、2435人と、猫を飼ったことがない人2000人で実験を行った。
この人達を13年に渡り追跡調査したところ、驚くべき結果が!
- 猫を飼っている人は心筋梗塞などでなくなる確率が40%も低いことが判明
したという。人の心臓病の研究者もこうした傾向があるということを以前から認識していた。
その原因は……
心臓の具合が悪い人はストレスを抱えている。それを和らげてくれるのが一番大きな原因。
猫の死因2位「腎臓疾患」の知られざる原因とは?
猫の死因で二番目に多い「腎臓疾患」。
その原因が、意外なものであることを示す論文が香港で発表された。
ネコモルビリウイルス
その原因となるものは、「ネコモルビリウイルス(Feline morbillivirus)」というウイルス。
日本でもネコモルビリウイルスと腎臓疾患との関係を探る研究が進んでいる。
坂口翔一(東京農工大学・研究員)さんと、宮沢孝幸(京都大学ウイルス研究所准教授)さんが共同で研究を行う。
日本のたくさんの猫の尿を観察、腎臓の細胞を調べた。
すると、ネコモルビリウイルスを日本でも発見。これが腎臓疾患の原因のひとつだと判明した。
猫の慢性腎疾患は長らく猫特有の病気で高齢になればしかたがないとされてきた。
しかし、その何割かが「ネコモルビリウイルス」によるものだとわかれば、ワクチンや抗ウイルス薬を開発することで猫を助けることができる。
研究はまだスタートした段階で薬はまだ開発されてはいない。
サイエンスZERO反響ツイート
https://twitter.com/DdShishi/status/739499792439484416
https://twitter.com/DdShishi/status/739500680063242240
https://twitter.com/mymtkiko/status/739565722016186368
頭丸いの。なでなで健康。#サイエンスZERO pic.twitter.com/Rdp00JivDZ
— 赤羽根 和恵 (@kazue_akabane) 2016年6月5日
猫はくつろいでいる時は飼い主の呼びかけに積極的に反応していないが飼い主の声は聞き分けているらしい。どの猫ちゃんも呼びかけにしっぽを振るかちょっと振り向く程度なのね〜(^_^;)#サイエンスZERO
— nekonatsukoサカナクション中毒中 (@nekonatsuko) 2016年6月6日
猫の死因第2位は腎臓疾患。原因はウィルス感染によるものがわかってきたΣ(゚Д゚)高齢の猫の30%が腎臓疾患になる。そのウィルス感染の治療薬が出来れば死亡率も低くなるかもʕ•̀ω•́ʔ✧#サイエンスZERO
— nekonatsukoサカナクション中毒中 (@nekonatsuko) 2016年6月6日
NHK「サイエンスZERO」ネコの特集に見入る坊ちゃん pic.twitter.com/kUO3EkfBpf
— ひぐらし堂 (@higurashi375) 2016年6月6日
必見です!→ サイエンスZERO「ニャンとびっくり! 科学で探る ネコとヒトとの優しい関係」Eテレ 6月11日(土) 昼0時30分 https://t.co/aYjy1evZqP… pic.twitter.com/BE0WNePfR9
— 桃ちゃん (@pinot1996) 2016年6月6日
次回のサイエンスZEROは…
次回のサイエンスZEROは、去年12月に金星の軌道に入った。探査機「あかつき」金星の謎に迫れ!。日曜日よる11時30分。
前回のサイエンスZEROは…
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