クローズアップ現代+「急増!カフェイン中毒 相次ぐ救急搬送 今何が」
2017年9月21日(木曜日)に放送の『クローズアップ現代+』では、なぜ今「カフェイン中毒」が急増するのか?今のままではあなたはヤバイかも?…エナジードリンクの現状と対策が紹介されました。
クローズアップ現代+番組データ
【放送日時】 2017年9月21日(木曜日)22:00~22:25
【放送局】 NHK総合
【放送副題】 「急増!カフェイン中毒 相次ぐ救急搬送 今何が」
【キャスター】 武田真一 田中泉
【スタジオゲスト】 松本俊彦(国立精神神経医療研究センター薬物依存研究部部長)
カフェインで集中力アップ?エナジードリンク人気とは?
コンビニや自動販売機、今やいたるところに販売されて人気のエナジードリンク。
おしゃれなイメージとカフェインで眠気を防いだり元気になれると大人気!
エナジードリンクをこよなく愛する「早稲田大学エナジードリンク研究会」まで誕生していました…。エナジードリンクを飲み比べてみたり、やさらに美味しい飲み方の研究をしているそうです。
エナジードリンクの市場規模(国内)は去年ついに約505億円を超えました。(富士経済研究所調べ)
新たに参入する企業も続々誕生しています。さらにカフェイン効率良く摂るためのサプリメントも充実していてコンビニなどで簡単に手に入るそうです。
専門家が警鐘!?カフェイン中毒での救急搬送
しかし、増え続ける愛用者の中にはカフェインのとりすぎで、カフェイン中毒となり救急搬送されてしまうケースも増えて問題になっています――。
各種飲み物に含まれる「カフェイン」の量は?
私達が普段飲んでいるコーヒーやお茶にもカフェインは含まれていますがそれぞれどのくらいの量が入っているのでしょうか?
- コーヒー1杯 … 90mg
- 煎茶1杯 … 47mg
- エナジードリンク1本 … 30~150mg
- 錠剤1つ … 100~200mg
- 栄養ドリンク1本 … 30~50mg
日本で現在販売されるエナジードリンクは40種類以上が販売中。多いものではカフェインおよそ150mgと、コーヒー約2杯分のカフェインが入っています。
7月に日本中毒学会が”カフェイン中毒”の実態調査を全国38病院で行いました。
その結果、急性カフェイン中毒で救急搬送された人が101人も居ることが判明しました。
中には心肺停止状態の人も居たとのことです。そのうち3人が死亡。また去年までの5年間に東京23区内で死因がわからない死亡者のうち36人から高濃度のカフェインが検出されたというデータもありその深刻さが伺えます。
カフェインを摂りすぎるとどんな症状が現れるのでしょうか?
急性カフェイン中毒になった経験がある、真中さん(仮名・28歳女性)。
4年前、長時間の派遣労働を乗り切るため立て続けにエナジードリンク3本と栄養ドリンクを1本一気に飲みしたそうです。。
その直後、悪寒や手のしびれなどが現れさらに立っていることが出来ない状態になってしまいました。
医師からは「カフェイン中毒症」の診断。
真中さんは「3,4本なら問題ないだろう…」と軽い気持ちだったそうです。実際、ボトルに何本までという制限などの使用説明は何も書いてありません。
しかし今でも一気飲みはしないものの、エナジードリンクは手放せないそうです。
「飲まないと不安になります…。飲むとぜんぜん違うので…」と真中さん。
やめたいと思うけれどもやめられないといいます…。
カフェインには依存性があります
カフェインには神経への依存性があり、大量に摂取するとやがて辞められなくなってしまいます。
また、短時間に多量に摂取すれば重大な健康被害を招き大変危険です。
特に錠剤タイプのカフェインをサプリメントとして摂る人はエナジードリンクよりも大量のカフェインを短時間に摂ることになります。
エナジードリンクに飽き足らずこれらの錠剤を何粒も大量に摂取するとエナジードリンク以上の被害が出てしまいます。
実際、救急搬送され死亡てしまう人の多くはこうした錠剤タイプのものが原因だそうです。
カフェイン摂取の安全な量はどのくらい?
成人の場合は、短時間に1,000ミリグラム以上のカフェインで危険な症状が出てくるそうです。
1000ミリグラムの量とは、カフェインが多めのエナジードリンクが7本以上です。
(※ただしカフェインへの感受性が強い人は200ミリグラムでも危険な症状が出る場合もあります)
また、お茶やコーヒーに含まれるカフェインの場合は、お茶やコーヒーに元々含まれている成分によってカフェインの効果が薄まるためより安全だそうです。
エナジードリンクを飲む場合には…
- 子どもや妊娠中、授乳中の方、カフェンに敏感な方は飲まない
- 1日1本を目安にする
などの注意が必要です。しかし、メーカー側では必ずしも表示義務がないため今後の表示制度についても検討が必要になるでしょう。
若者の中毒被害を食い止めるためには?
自体のさらなる悪化を懸念して、東京福祉大学の栗原久教授。
カフェインの薬理作用研究の専門家です。
カフェインの興奮作用はとても弱いのですが、カフェインに「アルギニン」という材料を加えると興奮作用が増すという研究データが公表され、それが新製品の商品開発に生かされようとしていることに警鐘を鳴らしています。
また、厚生労働省はホームページ上でカフェインの過剰摂取への注意喚起を行っています。しかし厚生労働省はNHKの取材に「カフェインへの制限や規制については検討する予定はない」と回答しているとのこと、その理由はデータ的な裏付けがないということです。
アメリカでは業者に警告、カナダでは子どもへの販売禁止、EUでは表示に規制をかけています。
子どもたちへの広がりを防げ!
国の規制が整わない中で、甘い炭酸ジュースのような飲みやすいエナジードリンクはどんどん若年層まで浸透しています。
- 部活・塾の生徒たちへの差し入れにエナジードリンクは適切ではない
- 子どもたちにエナジードリンクを買い与えない(味に慣れさせない)
- エナジードリンクでカクテルを作るのは癖になってしまい危険
規制は難しいのですが、周りの大人が上手く介入して見守ることが大切です。子どもや若い人が早いうちからカフェインを使って自分のパフォーマンスを一時的に上げることの危険性(あとになって数倍の疲れが帰ってくる)についてより深く考える必要があると、スタジオゲストの松本先生(国立精神神経医療研究センター)は語りました。
(※2017年9月21日放送より)
クローズアップ現代+反響ツイート
https://twitter.com/poranky/status/910855561654132736
日本人の仕事のパフォーマンスが悪いのは上に居る人間の指導力の無さや労働環境のせいが一番デカいので尚更こういうカフェインとかで誤魔化してはいけない#NHK #クローズアップ現代
— 夢酔希溺 (@G_DandH_T) 2017年9月21日