2014/07/16(水曜日)放送の『ためしてガッテン』は、心房細動。ある日突然の痛みやけいれんが襲う症状の心臓病。手足や内臓を壊死させてしまう程の大きな血栓を早期発見する方法を紹介ーー
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【まとめ】夏に!心臓けいれんがあなたを襲う!ゲストに高橋英樹・初登場の友近。心房細動によって心臓に大きな血栓ができ、それが他の臓器に飛んで血管を詰まらせます。心房細動には気づくタイプ気付かないタイプがあり、最新のカテーテル治療(アブレーション)や抗凝固薬などの治療法があります。脈の測り方も紹介。
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スタジオ出演者
NHKためしてガッテン やせるスイッチ 太るスイッチ女性のための成功ダイエット
- 作者: NHK科学・環境番組部専任ディレクター北折一
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/11/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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立川志の輔、小野文恵アナ、山瀬まみ、友近、高橋英樹。ナレーターは生野文治。
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気付かない!?夏の心臓けいれん「心房細動」
心臓けいれんの内、気がつくタイプのけいれんと全く気がつかないうちに病気が進行してしまうけいれんがある。それは「心房細動(しんぼうさいどう)」
都内に住む、堀田すみれさん(仮名・当時70歳)は、健康のため水泳を欠かさないスポーツ好きで病気知らず。ある日腕が上がらず、これまで経験したことのない手が重くしびれ、物が持ちにくい状態になった。すぐにしびれは元に戻ったが翌朝も痺れていたため病院に行くと原因は心臓だった。数日病院へ行くのが遅ければ最悪手が壊死して切ることになる病気だった。
河野壽雄さん(81歳)は、生き物の世話をしている時、これまで経験したことがないような感じで左足が重く動かなくなった。あと6時間遅ければ足の切断を余儀なくされていた状況だった。
心室細動と心房細動は違う。心室細動の場合は、「うっ」となり自分で気付くことが出来るが、心房細動は自分が気付かない。また、街に設置されているAEDは”心室細動”の為の機器で、心房細動には効果がない。
ある日突然!巨大血栓の恐怖
(東京医科歯科大学 高谷節雄 名誉教授)
(レントゲン映像提供:関西電力病院 佐藤洋さん)
(レントゲン映像提供:西宮共立脳神経外科病院 臨床検査科 松山貴司さん・佐藤幾生さん)
東京医科歯科大学にて、人工心臓の権威、高谷名誉教授の指導のもと、人工心臓のモデルを使って実験。
通常の心臓は、血液を右から左へ送り出すが、心房細動のある心臓の場合は血液をうまく送れないのが原因で血液が澱みドロドロして血液が固まってしまう。その固まった血液が”巨大血栓”となって手や足に飛んで行き、血管が詰まる。
レントゲン映像によって心臓内にゴロゴロしている、大きな血栓の映像と、比較的小さな血栓が心臓の外へ出て行く瞬間の映像が紹介された。
どんな所に血栓が飛んで行くか?
(取材協力:東京北部病院 関川昭彦医師)
人間の体内の血管だけを立体画像に起こした写真によって、(河野さんの場合の)心臓から左足の付け根までの血栓の行き先が示された。
心臓から飛んだ血栓が脳に向かうと脳が壊死。腸へ向かう血管に飛ぶと腸が壊死する「腸管動脈閉塞」になる。この「腸管動脈閉塞(ちょうかんどうみゃくへいそく)」は、ものすごい痛みを伴う。
腎臓に飛んで詰まると、腎梗塞。背中の辺りで激痛が起こる。
血管がひとたび詰まるとその先の器官で壊死が起きるまでの猶予はおよそ6時間。それまでに何とかしないといけない。
謎の心臓けいれん 早期発見のコツ
心房細動があることが判った諏訪さん。きっかけは夜中に心臓が「ドキドキドキドキ」したことだった。回数もひどくなるし、自分で胸を見ても動いているのがわかるくらい鼓動が激しかった。凄く苦しいわけではないが気持ち悪くて怖かったと語る。
一方黒内三郎さん(65歳)は、病院の精密検査で心房細動とわかった。心臓がどきどきすることは無かった。自覚症状が無いタイプ。一日中心房細動なのに全く健康そのもの。
心臓には、上半分の「心房」、下半分の「心室」があり、さらにリズムを取るペースメーカー役の「洞結節(どうけっせつ)」がある。
洞結節が一定の電気信号を出すので、心房と心室がリズミカルに鼓動するが、ある原因で洞結節の部分に沢山の電気信号が発生すると、心房が高速運動してけいれんが始まる。
このときの心室の動きは人によって違いがあり、心房が細動すると同じように心室もけいれんして動く場合と、全く動かない場合がある。
心室が動く場合は、自分で異常を気付く事が出来る。諏訪さんの場合は、心室の動きが150回(分)も動き気がつくことが出来た。
心室が動かない人の場合は、心房の動きと関係なくマイペースに動くため普段と変わらず自分で全く気付かない。(黒内さんの場合)
ただし、心臓のペースが不安定になっているような音がしている。
心房細動で怖いのは血栓!脈の異常で早期発見、水分補給も重要!
(東邦大学医療センター大橋病院院長:杉薫先生)
心房細動に気付くには、まず脈を測るのが一番だと杉先生。
【脈をとる時のポイント】
- 安静時の脈が1分間に100回以上
- 脈のリズムや強弱が乱れる…規則正しくない、強かったり弱かったりする
- 朝起きた時&夜寝る前…心房細動が最初に起こりやすい時間帯。大抵早朝、夜〜目覚める直前(副交感神経が活発になるため)や寝る前。
【脈の取り方】
- 親指の付け根の辺りに指を3本当てて脈をとる
- よりハッキリ判るのは、首筋に優しく触って脈を測ると良い
ある程度の時間、10秒から20秒くらい脈のリズムや強弱を確認すると、規則正しいか規則正しくないか判る。
まずは、3日間。朝起きる時と夜寝る前に脈を確認すると良い。また、年に1度は心電図検査を受けると皿に確実。
心房細動のリスクを上げる原因とは?
心房細動は全員に起こる病気では無い。心房細動のリスクを上げる原因として「睡眠不足」「過労」「ストレス」「過度の飲酒」がある。
また、体が脱水すると血液が固まりやすい。夏は特に水分も補給する。
最先端治療で完治!謎の心臓けいれん「カテーテル治療(アブレーション)」
以前は大変だった治療も現代では進化している。2年前に心房細動の発作が出た諏訪さんは新しい治療で治ってしまった。
画期的な治療法(アブレーション)を編み出したのはフランスの医師「ミッシェルハイサゲル先生」愛弟子の東京慈恵会医科大学准教授「山根禎一さん」が語る。
世界中の人が待ち望んでいた治療法を見た時の感激は忘れられないという。
15年前、ミシェルハイサゲル先生は悩んでいた。心房細動を起こす電気信号の正体について…。毎日の研究の末、異常な電気信号を出す親玉は、肺静脈(肺と心臓の間に有り、新鮮な酸素を蓄えた血液が戻る血管)に居た!肺静脈から出る異常電気信号を隔絶してやれば、心房細動も起きなくなる。
カテーテル治療は、足の太い血管の中に細いカテーテルを心臓まで通す。カテーテルの先端には電極が付いていて、その電極で心臓の電気信号が送られてくる部分を焼いてしまう。
焼いた部分には電気信号は来なくなってしまうので、異常な電気信号だけをカットする事が出来るようになった。
カテーテル治療については、最寄りの専門医に相談をする。75歳くらいまでの方なら治療可能。ただし、諏訪さんのような時々心房細動があるタイプの人には効果があるが、黒内さんのような常に心房細動がある人の場合はあまり効果が無いため、血栓が起きないような薬を使い細動があっても血栓ができない、「抗凝固薬(※薬によっては副作用や食物制限がある)」を飲む。
(※今回も色紙にひと言は無かったようです)
次回の『ためしてガッテン』は…
次回のためしてガッテンは、7月30日(水曜日)夜8時放送。(7月23日はお休み)ニキビにソックリな「ニセにきび」。美肌の大敵!治らないニキビの正体。