ブラタモリ #84「高野山の町」
2017年9月23日(土曜日)に放送された『ブラタモリ』(NHK総合テレビ)では、高野山の町が舞台。高野山は真言宗の開祖・空海が816年(1200年前)に開いた日本を代表する仏教都市です。その発展には「水源 食料 人口 火災」など大変な苦労が…シリーズ第3弾!
ブラタモリ 番組データ
【放送日時】 2017年9月23日(土曜日)19:30~20:15
【放送局】 NHK総合
【出演】 タモリ 近江友里恵(アナウンサー)
【語り】 草彅剛(草なぎ剛)
【テーマ曲】 井上陽水
高野山 金剛峯寺よりロケスタート
高野山の金剛峯寺(こんごうぶじ)の前に、タモリさんと近江友里恵アナが登場。今回は高野山SP三回目です。
金剛峯寺は、高野山の総本山になるお寺。タモリさんも過去に一度、金剛峯寺を訪れたことがあるとのことです。
近江アナにお賽銭を借りるタモリさん「俺、随分(近江アナにお賽銭の)借金があるよね!」と笑います。
「けっこう貯まってらっしゃるかもしれない」と近江アナ。
近江アナにもらったお賽銭で、お参りをするタモリさんでした。
タモテバコ登場!「高野山はなぜ”山上の仏教都市”に?」
ここでタモテバコの登場です。テーマは「高野山はなぜ”山上の仏教都市”に?」。
タモリさんの私物の時計(PRO TREK)で標高を図ると約800mありました。
高野山は標高800mかつては徒歩で6時間かけて登山していたといいます。そんな山の上に、東西4km、南北3kmにも及ぶ平らな地形が広がる不思議な場所です。
ここで案内人が登場しました。宮大工棟梁で一級建築士の尾上恵治さんです。
尾上さんは117ある寺社仏閣から公衆トイレまで街中の建築に携わっています。
高野山金剛峯寺(こうやさんこんごうぶじ)という名称は高野山全体をさし、117の塔頭寺院(たっちゅうじいん)があります。
タモリさんが現在立っている金剛峯寺はその全体を統括する場所とのこと。
高野山のメインストリートへ
高野山には”門前町”はありません。
それは町全体が既にお寺の内部(境内)だからだそうです。メインストリートにはコンビニ(案内人の尾上さんが設計)やお土産物屋さんもあり門前町のような機能も持っていました。
豊富な川の水に恵まれた高野山の町
実はこのメインストリートは、昔は川(御殿川=おどがわ)が流れていました。現在は暗渠(川を水路にして地下に閉じ込めた場所)になっています。
江戸時代の地図をみれば御殿川が流れていた場所を確認できます。
高野山は奇跡的に豊富な川の水に恵まれた場所にありました。
豊富な水を生んだ「地形や地質」とは?
タモさん一行は、不動院を訪問。
不動院住職の山階清隆(やましなきよたか)さん、産業技術総合研究所の栗本史雄さん(地質学)が案内しました。
不動院はとてもお水が豊富、お水は湧き水でどんどん補給されてしました。
この辺りの川底は泥岩(でいがん=細かい泥の粒が固まって石になっていて水が通りにくい性質があります)で出来ていて水が染み込みにくいため水を蓄える事が出来ます。
蓄えられた水は湧き水となって高野山一帯に供給されるのです。
仏教都市としてはこの上ない場所となっています。「空海もよくこんないい場所を見つけたね!」と驚くタモリさんでした。
こんな高い山の上で食料をどのように調達したの?
タモさん一行は、高野山の食糧事情が分かる場所「金剛峯寺」の内部へ移動しました。
弘法大師さまが持っている大きな「三鈷杵(さんこしょ)」が飾られています。
上段の間(貴賓の間)には、金箔が貼られ壁土を使わない(土=人が踏んだものを使わない)装飾がされた部屋もありました。
更に奥には、なんと200畳の台所(庫裏=くり)がありとても大きな釜が置いてあります。2000人分の鎌(二石釜)といいます。それだけ多くの食料が集まった証拠です。
多くの食料は高野山領からやってきた?
たくさんの食料はどのようにして手に入れていたのでしょうか?
それは、高野山が広大な土地(=領地2万1300石)を持っていたからです。有力者から寄進された広大な土地からは多くの年貢米が収められます。その為米不足に悩むことはまったくなかったのです。
さらに、野菜などは信仰心から納められる寄進(きしん=寄付)によって納められてきました。
寄進は、宮大工棟梁の尾上さんのお母さんの子供時代まで続いていたそうです。
大名並みの領地持ちですやん、高野山 #NHK #ブラタモリ pic.twitter.com/lqqz8CygY3
— a_Cyg (@a_Cyg) 2017年9月23日
貴重な食べ物を保存する工夫「高野豆腐」
あの有名な高野豆腐は高野山で誕生した保存食です。
山の頂上まで運ばれてくる大切な食料を保存するために開発されました。
冬季、寒さを利用して凍結し乾燥させて作っています。
高野豆腐は偶然の産物だった。高野山は冬季の冷え込みと風の強さから乾燥がひどかった。この気候が、豆腐を凍結、低温熟成及び乾燥させる、いわゆる「フリーズドライ」の保存食を産み出した。 #ブラタモリ pic.twitter.com/vysbD96CPq
— 酒上小琴【サケノウエノコゴト】 (@raizou5th) 2017年9月23日
女人禁制の町で人口を増やすには?
高野山は女の人は入れない「女人禁制」の町です。町には女性は居ません。
もちろん1000年以上出生率はゼロ。
実はその秘密は金剛峯寺にもある会下(えか)と呼ばれる長屋に住む「寺生(てらせい)=お坊さんの卵」さんたちです。
寺生さんたちは、授業料や生活費が免除される手厚い待遇で、若い人たちが常に集まってきていました。
こうやって若い人たちが自然と集まる仕組みがあるため高野山の人口は維持されています。
蓮華定院(れんげじょういん)へ移動
さらに寺生を呼ぶために、徳川家、織田家、真田家、島津家などの大名(連華定院=れんげじょういん=住職、添田隆昭さん案内)は、お寺を宿坊として使う契約を交わしていました。
こうした関係もあり日本全国の大名家は寺生を派遣する習慣が出来ていたそうです。
高野山を悩ませた「火災」の原因とは?
タモリさん一行は壇上伽藍(だんじょうがらん)へ戻りました。
御影堂(みえどう)の隣りにある金堂(こんどう)は昭和元年12月に全焼しています。金堂は記録に残っているだけで6回、根本大塔は5回も燃えている。
その原因は落雷。800m以上の高さのため、頻繁に落雷がありました。
しかも社寺や宮殿に多い「檜皮葺(ひわだぶき)」という屋根で作られていたためとても燃えやすかったのも原因だそうです。
当時割れやすかった瓦も使えないため、火事は避けられない状態でした。
中には「壇上伽藍の中門」のように再建出来ず、2年前(172年ぶり)にようやく再建された建物もあります。
燃えては再建、燃えては再建と繰り返しすべての建物が揃ったことはありませんでした。現代になりようやくすべての建物が揃いました。
ここからは、おなじみ総本山金剛峯寺執行の山口文章さん(9月16日放送回でも登場)が案内しました。
現在は火災に対して防火専用の水道や特殊なスプリンクラー設置されています。特に御影堂にはお堂の下から噴水のように吹き上がる「ドレンチャー」という装置が火の手を強力にブロックします。
想像以上の水ぶっかけっぷりw #NHK #ブラタモリ pic.twitter.com/YpeCeJPW1C
— a_Cyg (@a_Cyg) 2017年9月23日
(※2017年9月23日放送より)
ブラタモリ反響ツイート――
先ほど案内している尾上さんがコンビニと言ったお店(勝間屋さん)の二階窓はカボチャですよ〜 #高野山 #ブラタモリ pic.twitter.com/zuIuKdp8au
— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) 2017年9月23日
ふむ…(考)。
— R-Raven (@R_Raven_Six) 2017年9月23日
高野山は世俗権力とは距離を取っていたはずだけど、金銭は必要だよなぁ…??
荘園領地は持っていただろうけど、まさか二万石以上も持っていたとは…!?
こりゃ、寄進も含めたら、中立勢力としては破格の経済力だったんじゃ…。#ブラタモリ #高野山
先ほどダイニングルームと言われた部屋は土室(ツチムロ)と申します。いわゆる囲炉裏の間ですね。
— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) 2017年9月23日
釈尊が入滅された2月14日の前夜のみ、ここで夜通し囲炉裏の火が焚かれます。#高野山 #ブラタモリ pic.twitter.com/L6XC4B8FUx
後ろの方にガンダムがあるぞ。
— 冴見悪龍 (@saemi_akuryu) 2017年9月23日
そんな世俗的でいいのか、ハマーン様に俗物扱いされちゃうぞ。#ブラタモリ pic.twitter.com/ut0NfJ7NS7
金剛峯寺本坊の台所は現在も使われています。
— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) 2017年9月23日
#ブラタモリ #高野山 pic.twitter.com/TkR6Pr0A0H
昨今は檜皮で屋根をふくと億越え&伊勢神宮と取り合いになるという #ブラタモリ
— 蝉丸P@「住職という生き方」「つれづれ仏教講座」発売中 (@semimaruP) 2017年9月23日
高野山、消防署のサイレンが1回なら山火事・二回なら寺・三回なら民家で、寺の場合は一斉に炊き出し準備をするという #ブラタモリ
— 蝉丸P@「住職という生き方」「つれづれ仏教講座」発売中 (@semimaruP) 2017年9月23日
昭和元年の金堂火災時には御影堂の檜皮葺(ひわだぶき)の屋根に伽藍近くの味噌屋さんから味噌を運び、屋根に塗って延焼を防止する役目を果たしたといいます。#高野山 #ブラタモリ
— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) 2017年9月23日
次回のブラタモリは「高知」――
次回のブラタモリは高知。「高知の町は何故坂本龍馬を生んだのか?」。9月30日(土曜日)夜7時30分から。