NHKスペシャル「寝たきりからの復活~驚異の再生医療!」
今回のNHKスペシャルは夢が現実的に!?「再生医療」の最前線について。
2019年5月から健康保険が適用される夢の再生治療。点滴を投与するだけで脊髄損傷など従来は治療不可とされてきた重篤な症状が劇的に改善するといいます…。その治療現場をNスペ取材班が2016年から3年にわたり密着しました――。
NHKスペシャル【再生治療】番組データ
【放送日時】 2019年5月4日(土曜日)21:00~21:50
【放送局】 NHK総合テレビ
【番組タイトル】 NHKスペシャル「寝たきりからの復活~密着!驚異の”再生治療”~」
【ナレーション】 勝地涼 中条誠子
【登場専門医】 本望修(札幌医科大学 神経再生医療科 教授)ほか
【5月4日夜】病気やけがで損傷した臓器・組織を、“自己再生能力”を活性化させることで治療する「再生医療」。札幌医科大学が行ってきた治験に3年間密着。その実像に迫る。
— NHKドキュメンタリー (@nhk_docudocu) April 28, 2019
#NHKスペシャル 「寝たきりからの復活~密着!驚異の再生医療~」は、5月4日(土)夜の放送予定。[総合]https://t.co/PNMHVaFAse
札幌医科大学で20年間研究を重ねてきた「再生医療」
札幌医科大学は20年前から再生治療(再生医療)の研究を続けるトップランナーです。
札幌医科大学(北海道)には、日本全国から重症の脊髄損傷を負った患者さんが運ばれて来るのです…。
3年前の2016年8月…遠く三重県から首に瀕死の脊髄損傷を負ったKさん(67歳・男性)が運ばれてきました。
自力で呼吸は出来ず、人工呼吸器でかろうじて命をつなぐ状態…。Kさんの担当は、札幌医科大学・整形外科の山下俊彦先生と森田智慶先生らです。
脊髄は脳から全身に命令を伝える大切な情報通路
脊髄とは脳から背骨を通って全身の神経と繋がる大切な情報通路。
もし脊髄が損傷すれば脳からの命令が全てストップし、手足の麻痺はもちろんのこと、心臓や肺などの内臓の制御も出来なくなってしまいます…。
Kさんは作業中、車から足を滑らせ落下、首の脊髄を激しく損傷しました。Kさんの場合は自律神経の働きが低下し内臓も危ない状態。
脊髄損傷に陥る人は毎年およそ5000人居るといいますが、その多くが一生寝たきりの状態に…。突発的な事故はいつ起きるか解りませんから私たち誰もに可能性のある病気なのです。
Nスペより。小林さんの首は脊髄が損傷し(右)手足や臓器までもコントロールを失った。そこで再生医療の力に望みをかけた pic.twitter.com/07gRwa8hLx
— テレビ番組ブログ (@yonta24blog) May 5, 2019
Kさんの娘さんが「札幌医科大学の治験」を見つけた
このままではKさんは一生寝たきりの可能性が高い…。
娘さんはお父さんのため懸命に情報を調べ、札幌医科大学で再生医療の治験が行われていることを突き止めました。
治験とは国が安全性を審査する際に行う最終テストのこと。治験に合格すれば健康保険が適用され、誰もが治療を受けられる様になるのです。
札幌医科大学では20年前から再生医療の研究を行っており、近年ようやく最終テストととなる「治験」までこぎ着けたのでした――。
「(間葉系)幹細胞」が持つ変身能力はiPS細胞に似ている?
再生医療というと山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したiPS細胞が有名ですが、実は私たち誰もが、様々な臓器に変身可能な(iPS細胞に似た)「間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)」という細胞を持っています。
間葉系幹細胞を脊髄から取り出し培養して患者に戻します。すると損傷した部分に集まってその部分の臓器に変身し再生を始めるのです!
すごい。再生医療は日進月歩だなあ。こんな治療にも保険が利くとは、なるほど二十一世紀にちがいない。https://t.co/l9Tk1fmRyR
— 冬樹蛉 Ray Fuyuki (@ray_fyk) May 4, 2019
間葉系幹細胞が損傷部分を再生するまでのしくみ
間葉系幹細胞を投与すると、若い人であれば早くて翌日には変化を見せ始めます。
まず第1段階としてすぐに弱った神経細胞を活性化します。その後数ヶ月間、壊れた神経細胞を修復し続けます。
さらに3ヶ月以上経つと新しい神経細胞に変化して脳からの命令をより強く伝達するようになると考えられています。
札幌医科大学・整形外科の山下俊彦先生によれば、「従来、神経は一回やられると治らないということだったが研究の結果、我々が再生方法を知らなかっただけで神経の再生は可能だった…」と結論づけました。
幹細胞は様々な臓器に変身出来る pic.twitter.com/ZBbVCSoCvU
— テレビ番組ブログ (@yonta24blog) May 5, 2019
間葉系幹細胞を投与したKさん3年間の経過
2016年8月。Kさんが転院し事故からは54日が経過しました。
この日、Kさん自身の骨髄液から1億個まで培養された間葉系幹細胞を点滴によってKさんの体に戻されました…。
幹細胞の投与は後にも先にもこの1回限りとのこと…点滴のみで大規模な手術も一切ありません。
- 間葉系幹細胞の投与から1週間後 … 人工呼吸器を外す。外している間は自分の肺で少し呼吸が出来るようになった
- 2016年10月…投与から2ヶ月後 … 顔色が良くなる。しかしものを飲み込む力が戻らず栄養食を鼻からチューブで摂る
- 間葉系幹細胞投与から2ヶ月+数週間後 … 水が飲み込めるように。皮膚の感覚、肛門の反応がよみがえってきた
- 間葉系幹細胞投与から7ヶ月後 … 人工呼吸器が外れ、待望の声が戻った!
- 2017年7月(投与10ヶ月後) … 三重県の自宅により近い、和歌山県立医科大学へ転院。腕が動くようになりリハビリ開始
- 2017年10月(投与13ヶ月後) … 和歌山県立医科大学にてきついリハビリ。動いていなかった右側の横隔膜が動き出す
- 投与2年2ヶ月後 … ついに自宅に戻る。手足はまだ動かないがこれからのリハビリに期待。飲み込み、呼吸能力はほぼ回復した
札幌医科大学が3年にわたる治験結果を発表!
今回の治験を受けた患者さんは13名。そのうちもっとも重症だった1名をのぞき12名に1ランク以上の回復を確認しました。残る1名も呼吸能力の回復を確認。
また、問題となるような副作用は誰にも現れませんでした。
この結果を受け、札幌医科大学・整形外科の山下俊彦先生は、「今までは受傷直後は回復するかもしれないがんばって!と言っていたが1月経つと回復は難しいかも知れない…と患者さんに言っていたが、今後は明るい道が開けてきた」といいます。
NHKスペシャルより。治験の結果は全員何かしらの進展があった。 pic.twitter.com/VPErcgSsJR
— テレビ番組ブログ (@yonta24blog) May 5, 2019
国は7年間の条件付きで健康保険適用を承認
国は今回の治験の結果を受けて”7年間の条件付き”で健康保険適用を認可。(7年経った段階で再度評価する予定だそうです)
その結果今年(2019年)5月からは健康保険の適用が認められました。札幌医科大学の塚本泰司理事長は、記者会見で「今後の再生医療に新しい一歩を踏みだした」と話しました。
ただし初年度は年間100人分のみ――
ただし幹細胞を培養するメーカー(ニプロが担当)では幹細胞の数に限りが有るとのこと。
そのため2019年度は当面札幌医科大学のみで実施、年間100名の患者を受け入れることになりました。
ニプロの箕浦公人・再生医療事業部長によればまずは慎重に立ち上げ今後日本国内に広げる計画です。
当面の治療対象は「脊髄を損傷して30日以内の重症患者のみ」
当面治療対象は培養可能な数に限りが有ることから制限されます。
- 脊髄を損傷して30日以内の重症患者で、受傷後2週間以内に札幌医科大学へ入院が可能な人
に限られるとのこと。この治療の成果を見ながら7年後に再び国が審査することになっているそうです。
研究チームでは現在、受傷から時間が経った慢性期の患者でも研究を続けていて将来的には脊髄損傷を受けた多くの人が日本全国で治療できるような状況にしたいと考えているそうです。
さらに脊髄の再生だけでは無く、脳細胞の再生への研究で、脳梗塞や認知症の治療に繋げたいと考えているそうです。
2019年5月4日(土曜日)放送『NHKスペシャル「寝たきりからの復活~密着!驚異の”再生治療”~」』より
NHKスペシャル「驚異の再生治療」放送終了後の反響ツイートは?
#NHK #寝たきりからの復活 札幌医科大学の自家骨髄間葉系幹細胞を使った脊髄損傷の治験ってこれか。https://t.co/X6Pv7kwYbg
— tomo (@tonagai) 2019年5月4日
再生医療!!!!NHK
— てのひらさん (@tenohiranote) 2019年5月4日
NHK再生医療の番組を見ている。まだ最後まで見てないので何ともいえないが、完全に身体自由をなくしていた男性が水を飲めた瞬間は感動的だった…。「1本の点滴より一杯のスプーンの食事を飲み込むこと」というある医師の言葉を思い出す。人間は口から栄養を得る…そのことを実感するのは病を得てから。
— 白央篤司 (@hakuo416) 2019年5月4日
今、NHKで脊髄損傷の再生医療の特集してるんだが、ボーヤンが受けた再生医療ってどんな方法だったんだろう。羽生くんの右足首の組織を再生して欲しい。
— エミリ🦋🌹🦢🌸⛸️ (@emirimiri) 2019年5月4日
https://twitter.com/cb__o0/status/1124657765979320320
今日のNHKスペシャルには、驚かされた。再生医療の進歩って、本当に凄いんだな。#NHKスペシャル
— 九太7 (@kyuuta_7) 2019年5月4日
NHKスペシャル「寝たきりからの復活~密着!驚異の再生医療~」 は脊髄損傷した方が歩ける驚きの内容だった!「再生医療」がどんどん進んで患者さんにとって明るい光が差し込めばいいな♪#再生医療 pic.twitter.com/ZBPNXkISET
— skysea (@skysea_bluecats) 2019年5月4日
NHKで放送していた再生医療の内容が凄すぎて日本の医療についてもっと知りたくなった
— いっくん。 (@elDVRQC0ndO8BMu) 2019年5月4日
脊髄損傷の全身麻痺の患者自身が元々持っている細胞を培養して
その培養した細胞
“間葉系幹細胞”
を自身の体に戻すことで歩けるまでに回復する夢のような魔法のような治療法。
日本すげっ。#間葉系幹細胞 #再生医療
NHKスペシャルで札幌医科大学の幹細胞による再生医療が特集されていましたね!
— ちん♿️中村珍晴 (@suisui_project) 2019年5月4日
数年前は、二度と治らないと言われていた脊髄損傷の治療に新しい光が差し込み当事者としてとても嬉しいです!
今はまだ急性期の患者さんのみ対象の治療ですが、僕も10年後には立って歩ける日がくるかもしれませんね😊
医学の進歩とはよく言うけど、これは本当にすごかった。5月から健保適用(7年縛り?)とのことでしたが札幌医科大だけでなく全国展開および慢性期の患者さんにも適応となる日が一刻も早く来る事を祈ります。
— The おざわ (@OZAWAWAZAO) 2019年5月4日
NHKスペシャル | 寝たきりからの復活~密着!驚異の「再生医療」~ https://t.co/rQR6jLJR22
https://twitter.com/kabuwoha/status/1124672856158117888
昨夜のNHKスペシャルの再生医療を見ていた娘が、自分もこれで治せると良いのに、と呟いた。
— ウンナーチョ飴 (@Wunnakyaw_amay) 2019年5月5日