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【反響要約】NHKスペシャル マネーワールド第2集「孫正義さん登場!資本主義誕生250年…ついに労働者の役割は終わってしまうのか!?」【2018年10月7日(日曜日)放送 NHK総合】



Nスペ「マネーワールド~資本主義の未来~ 第2集」

 2018年10月7日(日曜日)放送の『NHKスペシャル』は「マネーワールド~資本主義の未来~」の第2集。

 近い将来、人間の仕事のほとんどをAIやロボットが担う日は必ずやって来るといいます…。これまで当然だった"働いて収入を得る”という資本主義の仕組みがガラリと変わりその影響は絶大です。「失業者は増える?」「新しい仕事が生まれる?」スタジオゲストには孫正義さんも登場!将来の展望やいかに?

NHKスペシャル「マネーワールド2」放送データ

【放送日時】 2018年10月7日(日曜日)21:00~21:50
【放送局】 NHK総合テレビ
【番組タイトル】 NHKスペシャル マネー・ワールド~資本主義の未来~ 第2集「仕事がなくなる!?」
【司会進行】 爆笑問題(太田光 田中裕二)
【スタジオゲスト】 孫正義(ソフトバンクグループ社長) 新井紀子(国立情報学研究所教授)
【語り】 守本奈美

https://www.instagram.com/p/Bowgyv5nASe/

Nスペ『マネーワールド2』より。孫さん「まずは先端技術の競争に勝たなくちゃ!勝って得点した所からお金を取ればいいよ!」

奪われて行く仕事、新しく誕生する仕事…

 スタジオにはソフトバンクグループ社長の孫正義さんが登場!

 「本当に将来AIやロボットに仕事は奪われて行くんでしょうか?」という爆笑問題田中さんの質問に「ええ、従来型のホワイトカラーやブルーカラーの仕事はかなりの部分で奪われて行くでしょうね。…でも新しく誕生する仕事も出てくると思いますね。」と回答。

 また、同じくスタジオゲストの新井紀子さん(国立情報学研究所教授=「ロボットは東大に入れるか?」プロジェクトなどを進めているAIロボット分野の専門家です)も「やはり将来は、ホワイトカラーの仕事がAIロボットに奪われるだろうとみている」そうです。

 今から90年前の有名な経済学者、ジョン・メイナード・ケインズ(1883~1946)もこうした現象は将来必ず起きるだろうと「孫の時代の経済的可能性(1930年)」という論文のなかで「technological unemployment(技術革新による失業)」と呼び予言していたそうです。 

資本主義誕生250年…ついに「労働者」が消える!?

 資本主義が誕生してから250年――。

 AI(またはAIロボット)の誕生は250年続いた資本主義の流れを根底から変えようとしているといいます。

 資本家は土地を買い、そこに工場を建てて労働者が機械を動かし製品を生産していました。

 ところが将来、AIの誕生で資本主義の仕組みから労働者がいなくなってしまうというのです。

 実際、アメリカ・ラスベガスではレストランやホテル、カジノに続々とロボットが投入され、20年後には65%の仕事が奪われるという予測が出ています。

 そのため解雇を恐れた従業員による大規模なデモも発生…。

 ラスベガスだけでなく、ネットショッピングでの発送作業、イチゴの収穫、などあらゆる分野でAI(ロボット)の導入は徐々に進行中――。

 マサチューセッツ工科大学教授のエリック・ブリニョルフソンさんは「すでに資本家による、AI(ロボット)と労働者の置き換えフェーズは止められない段階に来た。」といいます。

世界で自動化が最も早い国…それは「日本」!?

 マッキンゼー社の2017年の予測によれば今後2030年までに最大52%の労働者が職を失うといいます。

 しかもその影響を最も受ける国の第1位は日本でした(先進46カ国中)。

 その理由として、マッキンゼーパートナーのマイケルチューイさんは「日本の賃金は世界でもかなり高い水準にあり、コスト削減のための自動化は他国よりも早く進むだろう…。」と語りました。

 その対象となる産業は製造業だけでなく、事務などのホワイトカラーにも及ぶとのこと。

 孫さん率いるソフトバンクグループの様な有名IT企業は、優秀なロボット技術を持つ「Bostondynamics」などを次々と買収し、建設会社での現場監督ロボットやショッピングモールの自立型清掃ロボット(納入先はイズミテクノ)を企業向けに販売し、着々とロボット分野に積極的に進出しているのです――。

(youtubeより。孫さんが買収したBostondynamicsの犬型ロボット)

AI(ロボット)によるGDP押し上げ効果とは?

 またAIの導入によって、2030年頃までには軒並みGDPは押し上げられると予測しているとのこと。世界平均で14%はGDP(≒国の豊かさ)が上がるだろうとみているそうです。(PwC調査)

 「特に中国と北米は成長が著しく、日本はAIに関して後進国だ」と孫さんは言います。「もしこのままAIの技術者が成長してゆかなければ日本は何周遅れになるのか解らない」と孫さん。

将来AIロボットが肩代わり出来る仕事とは?

 野村総合研究所の調査によれば、将来AI(ロボット)に置き換えられる可能性が90%以上の仕事は以下のようになっているそうです――。

  • レジ係(99.7%)
  • 路線バス運転者(99.7%)
  • 一般事務員(99.7%)
  • 銀行窓口(99.4%)
  • 倉庫作業員(99.4%)
  • スーパー店員(99.2%)
  • ホテル客室係(98.7%)
  • 宅配便配達員(98.6%)
  • 警備員(97.8%)
  • 機械組み立て工(94.4%)
  • プログラマー(94.2%)
  • 税務職員(94.0%)
  • 行政書士(93.1%)
  • 税理士(92.5%)
  • 機械修理工(91.6%)

などなど…。

AI(ロボット)に出来ない仕事を模索する人々

 逆に野村総合研究所の調査には、AIに換えにくい職業もリストアップされていました。

 それは、画家、数学者、小説家、コメディアン、看護師、理容師、工業デザイナー、ケアマネージャー、内科医、学校カウンセラー、中小企業診断士、精神科医などなど…

 金融機関(みずほ銀行)に務める、福井智美さん(28歳)は、中小企業診断士の資格を取るために日夜勉強中。

 福井さんは「銀行に入ったので一生安泰だろうと思ったらこんな時代になってビックリ…”中小企業診断士”はAIに取って代わられにくい仕事だと考え思い切ってこちらの道を進む事にしました。」といいます。

 みずほ銀行を始めUFJ、三井住友銀行などの大手銀行がAIなどを使い今後数万人規模で人員削減を実施する今、将来への雇用不安はますます大きくなっています。

 「AI時代に人間は、将来需要のある仕事をまず考え、例えばAIのエンジニアやデザイナー、パティシエ、料理人などにシフトして行くでしょう」と孫さん。

「クリエイティブ」に向かない人々はどうすれば?

 孫さんが「そんなに不安がらず、前向きにクリエイティブなAIに出来ない仕事を目指そう!」という意見に対し、爆笑問題太田さんは「みんながみんなクリエイティブなことが出来るわけじゃない、工場労働のように決まったルーティンワークが得意な人はどうすれば??」と反論します。

 スタジオゲスト専門家の新井さん(国立情報学研究所教授)も「まさにそこが悩みどころで、0.1%のクリエーターよりも99.9%のクリエイティブに向かない人々は不安を感じている…」といいます。

 孫さんは「かつてローマ帝国が富を得て、つらい仕事を召使いにやらせてきた。そのおかげでローマ市民は芸術などの豊かな文化を築いたのと同じく、今度はAIロボットにつらい仕事を任せれば人間はより人間らしい豊かな文化を築けるはず。」と話しました。

 実際に200年前「蒸気機関」が出来たとき(第一次産業革命)には大量の失業者を生み出しましたが、その革命によってゆとりが出来、産業革命は新しい(しかも自動車産業のような巨大な)雇用を生んでいます。

AI企業に富が集中?巨大な格差が生まれる?

 AI時代…労働者に賃金を支払わなくて良くなった資本家は、今まで以上に利益を得る事ができます。

 その結果、世界の富は一握りのAI企業に集中してしまうことになるでしょう。

 マサチューセッツ工科大学教授のエリック・ブリニョルフソンさんは「未曾有の富を生み出し数兆ドルもの資産を持つ大富豪が誕生する一方で、このままではほとんどの人はその分け前にありつく事が出来ず巨大な格差が生まれるでしょう」と警鐘を鳴らします。

 スタジオの荒井紀子さんは「今でも世界の大富豪8人で、36億人の貧困層を合わせた資産を独占している。今は多くの国をまたぐグローバル企業が増え、それぞれの国家の機能が上手くかいくぐられて富を国民に再分配する能力が下がっている…」と話します。

 また孫正義さんは「AI化が資本主義のピンチに向かうのか、ネガティブに捉えないで新しいことを進めて行くかそれはやはり資本家がリーダーシップを取る必要がある。こうした議論はどんどん続けてこれからも話しあってゆきたい」と答えました。

新しい資本主義の形?「ベーシックインカム」とは…

 AI化のため労働者に賃金が回らなくなれば、作った製品を買う人もいなくなりやがて資本家の会社も潰れてしまいます。そうなってしまうのは資本家自身も望まない事でしょう…。

 そこで今「ベーシックインカム」という新しい手法が考案されています。

 ベーシックインカムとは、生活保護とは違い国や自治体が収入の有無にかかわらず住民全員に一定のお金を配る仕組みです。

 カナダのオンタリオ州では去年(2017年)10月からベーシックインカムの実証実験が行われています。

 選ばれた1000人に毎月10万円を3年間給付。受給者の中には仕事を辞め自分がやりたかった仕事に挑戦するなどして生活しているといいます。

 「ベーシックインカムがなければ人生のシフトチェンジが出来なかった」と喜ぶ人も…。

 しかし「受給者が怠惰になる」「財源の確保の問題」などベーシックインカムが「新しい資本主義の形」となり得るのか疑問の声も多く、まだまだ導入されるには時間がかかりそうです。

 事実、カナダのオンタリオ州で始まったベーシックインカムの実証実験は次の政権に変わった途端、1年も経たずして中止が決定されてしまいました…。その理由は財源の確保がとにかく難しいことだといいます。

孫正義さんはベーシックインカムに賛成?

 ゲストの孫さんはベーシックインカムに賛成。「近い将来仕事を奪われる人たちが最低限生活してゆけるという安心感は社会に必要だろう」といいます。

 また孫さんは「その為に一番大切なのは、国がベーシックインカムを提供し続けられるほど豊かな国であり続けなくてはならない…。中長期的に日本が考えなくてはいけないのはトップ企業が最先端技術を積極的に取り込んで前に前に前進し続けられるよう国が支援する事。攻めの部分をしっかりやらなきゃならない。」と続けました。

 また、EUでは「ロボット税」という税制度も話し合われており、ベーシックインカムを実現できるような、法人税逃れが出来ない財源の仕組みも考えなくてはいけない…と荒井紀子さんも問題提起しました。

 これに対して孫さんは…「ロボット税には反対ですね。ロボット開発の足かせになるような政策をもし日本が導入すれば、ますます立ち後れてしまう。まず先端技術で競争に勝たなくちゃ。勝って得点した所からお金をとって配分すればいいんですよ!

 「もしも日本の企業がAIやロボットで豊かになった時に孫さんには是非、社会をベーシックインカムで支えるような財源を出す側になっていて欲しいですね。」と爆笑問題のふたり――。

 番組の最後には「技術革新が失業者を生み出す」と予想したケインズも「失業者の問題は一時的に過ぎず、長い目で見れば人類は自らの経済的な問題を解決して行くだろう…」と語っていた事を紹介。近い将来迎える産業革命に対して私たち人類はうまく難局を乗り越えられるのでしょうか?

 

(※2018年10月7日(日曜日)『NHKスペシャル マネー・ワールド~資本主義の未来~ 第2集「仕事がなくなる!?」』より)

 

『Nスペ マネーワールド2』放送終了後の反響ツイートは?

https://twitter.com/shasahiro/status/1048918579649736704

次回の『Nスペ マネーワールド』は第3集「借金が世界を追い詰める」

次回のマネーワールド第3集は14日(日曜日)夜9時放送予定。「借金が世界を追い詰める」です。

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