NHKスペシャル 人体6「生命誕生 ミクロの会話」
2018年3月18日(日曜日)に放送された『Nスペ 人体6 生命誕生 ミクロの会話』は、生命誕生の神秘に迫ります。
胎内の赤ちゃんがお母さんと「メッセージ物質」によって頻繁にやりとりする様子や、たった一つの細胞からあらゆる臓器に変化する壮大なメカニズムを紹介。
Nスペ 人体6 番組データ
【放送日時】 2018年3月18日(日曜日)午後9時~9時50分
【番組タイトル】 NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク 第六集 「”生命誕生” 見えた!母と子 ミクロの会話」
【司会】 タモリ 山中伸弥(iPS細胞研究所所長) 久保田祐佳(NHKアナウンサー)
【スタジオゲスト】 木村佳乃(二人のお子さんの出産を経験) パトリック・ハーラン
卵子と精子の大きさを比較すると?
人間の卵子をリンゴ大(約1000倍)に拡大すると、精子の大きさは米粒大くらいの大きさとなります。
さらに、受精卵がリンゴの大きさとすれば、赤ちゃんの大きさはなんと500メートルにもなります。
タモリさんも「へへーっ!」と驚きました。
受精卵の中には、私たちの体を作り出す驚きの仕組みがプログラムされているといいます。
また、番組のテーマ「メッセージ物質」に注目すればここでもやりとりは活発だといいます。
あるご夫婦の出産までのドキュメント
番組では、3年前にご結婚した松永めぐみさん、あつしさんご夫婦の出産までを取材させてもらうことに――。
めぐみさんは、子宮筋腫の手術をしたご経験があり、なかなか赤ちゃんに恵まれなかったそうです。
婦人科(映像:ミオ・ファティリティ・クリニック)で検査を受けたところ卵子の数が極端に少ないという検査結果。お二人は思いきって「体外受精」を選びました。
体外受精とは、二人の精子と卵子を顕微鏡の下で人工的に受精させること。
受精して細胞分裂が始まった受精卵は再びめぐみさんの子宮に戻されます。
受精卵がお母さんに伝える初めてのメッセージ物質「hCG」とは?
アメリカニューヨークのロックフェラー大学。
アリ・ブリバンロー教授は、世界で初めて受精した卵子が子宮に着床する決定的な瞬間を捉えました。
着床した受精卵からは、日を追うごとに「メッセージ物質=hCG」が増えてゆきます。
この最初のメッセージ物質はお母さんが全く気づかない間に出ています。
hCGと名付けられたこのメッセージ物質は、受精卵が子宮に根付くために「ここにいるよ!」というメッセージを出して生理をストップさせ、子宮の壁をどんどん厚くします。
そして受精卵は子宮の壁にしっかりと包み込まれます。
受精卵を子宮に戻してから3週間、松永めぐみさんの受精卵も無事、子宮に定着しました。
受精卵が子宮に定着したか判定するには血液検査で判ります。
メッセージ物質のhCGが血液中に含まれていれば、着床したことが判定できるのです。
(めぐみさんのhCG数値は、検査の結果172.4(=着床OK)ありました。)
やがて体の数百種類の細胞に変化する受精卵
着床して成長した受精卵は、このあと肝臓や脳、骨格、肺、心臓、筋肉といった姿形の全く違う別々の細胞に変化してゆきます。
生命誕生はいったんスタートすれば、たった1つの受精卵から、枝分かれしてドミノ倒し式に全自動プログラムのように次々といろんな臓器が出来るようになっています。
スウェーデンのカロリンスカ研究所のケニス・チェン教授は、ES細胞を使って最初の臓器が生まれる様子を観察しました。
山中伸弥先生の研究テーマの(人の)iPS細胞、ES細胞を使えば、人体を使わずに研究室のシャーレの中で観察可能です。
取り出したES細胞に「WNT(ウイント)」という人体で受精卵分裂中に大量に見つかるメッセージ物質を加えると1週間後、心臓の筋肉が生まれます。
また、横浜市立大学先端医科学研究センターの武部貴則教授は、「心臓の細胞が拍動する刺激で隣に肝臓の細胞を作り出す」ことを発見しました。
受精卵は、心臓が作られると次のメッセージ物質を出し、肝臓に。…肝臓が出来ると次のメッセージを出して肺に…など次々と様々な臓器を生みだしてゆくのです。
人の受精卵の中では、セットでこれら別々の臓器が一気に作り出されます。
受精5週目、めぐみさんの子宮では心臓の動きを見ることが出来ました。
その後、受精9週目には手足が出来てきます。およそ2ヶ月後には、心臓、肝臓、腸、胃肺などほとんどの臓器が完成、すべての細胞が何種類もの複雑なメッセージ物質を出し合っています。
山中伸弥先生によれば、「少しタイミングや濃度が違うだけで狙った臓器にならなかったりするのでとても複雑で精密な仕組みを持っています」とのこと。
安定期を迎える直前子宮内部は大変なことに!?
妊娠4ヶ月目(2017年1月27日)を迎えためぐみさんは、埼玉医科大学総合医療センターに居ました。
「つわりがひどくて食べたものを戻してしまって大変」だといいます。
この時期の赤ちゃんはまだ身長10cm程、安定期を迎える直前で赤ちゃんの正念場です。
このとき子宮内部では、赤ちゃんがメッセージ物質(=PGF「もっと大きくなりたい!」)を出し胎盤も大きく成長します。
胎盤が成長すると子宮との血液の循環もより活発になり、大量の酸素と栄養を受け、赤ちゃんがすくすく成長するのです。
ただし、松永めぐみさんは過去に子宮筋腫の手術によって子宮の壁が薄くなっているため、この活発な時期、赤ちゃんの成長を受け止められるかとても心配でした。
胎盤を通じたコミュニケーションがより活発にーー
妊娠7ヶ月目。このころになると赤ちゃんはとても大きくなります。
お母さんからの栄養や酸素は「胎盤」を通じてやりとりします。
子宮に空いた穴からはお母さんの血液(赤血球)が降り注ぎ、胎盤でお母さんの赤血球から「栄養」「酸素」「メッセージ物質」などが受け渡されるのです。
赤ちゃんとお母さんの血液型は違う場合もあるので直接血液同士が触れることはありません。
人は脳を大きくするため、より多くの栄養を必要とするために胎盤が他の動物よりも大きく成長するそうです。
2017年7月21日。いよいよ松永さんの出産の日
子宮筋腫の手術で子宮が薄いため破裂の恐れを回避するために、帝王切開手術をすることになりました。
開始から1時間、2164グラムの元気な女の子が誕生しました。
つわりの原因はまだわかっていないと山中伸弥先生。
(※2018年3月18日・日曜日「NHKスペシャル シリーズ人体6 生命誕生」より)
『Nスペ人体6』放送後の反響ツイートは?
産まれてくるだけですごいこと
— きよ身(生島清身、高座名は天神亭きよ美) (@tenjinteikiyomi) 2018年3月25日
by #山中伸弥教授
ほんまそう思う#Nスペ#人体
先週のNHKスペシャル人体生命誕生見たんだけど、世界初公開の受精卵の中で父と母の染色体が合体する瞬間を詳細に捉えた映像が凄かった。生命の神秘。
— まろにー (@lovekiryale) 2018年3月28日
あとiPS細胞で心臓の細胞作ったらその刺激で隣の細胞が肝臓になったのも面白かった。そのまま人間ができそうだった。
NHK スペシャル 人体、生命誕生の回見ました。人体の発生すごい、細胞を間違いなく配置して、(たぶん)間違えたら細胞を処分して・・・いや、先祖返りして再分化するのか?(そのへんはよー知らんけど)、とにかく人体を著しく高い確率で構築する受精卵すごい、受精卵に足を向けて寝られない
— おびお (@cradiobio) 2018年3月31日
【プレビュー】NHKスペシャル『人体:生命誕生・見えた!母と子 ミクロの会話』――お腹の中でこんなことが起きていたとは!! : MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト- https://t.co/FSsnuNcva6
— うさいぬ (@usagiinuusa) 2018年3月31日
https://twitter.com/naimaze_another/status/982934465881128960
https://twitter.com/meatya_saiko/status/984377886860722176
NHKスペシャル 人体 生命誕生
— 朱音®︎自称化学系エンジニア (@akane_preg) 2018年4月14日
やっと視聴完了。大学時代の発生学の講義や実習を思い出した…(理学部生物学科卒)。
やっぱりこの分野は楽しいね。こういう研究がしたくて大学行ったはずなのにいま、何で私化学系の技術者やってるん…?
『NHKスペシャル人体』シリーズリスト
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【反響要約】NHKスペシャル 人体 第1集「腎臓(じんぞう)」▽何故か疲れる!?腎臓、弱っていませんか?仕組みを解説【2017年10月1日(日曜日)放送内容】 - yonta64のテレビ番組ブログ
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