サイエンスZERO「113番元素」
2016年6月19日(日曜日)よる11時30分から放送された「サイエンスZERO」は、113番元素について。
「ニホニウム」に決まった日本発の113番元素の名前、その命名されるまでの道のりが紹介された。(オープング以外は再放送)
サイエンスZERO番組データ
【放送日時】 2016/06/19(日曜日)午後11時30分(30分間)
【再放送データ】 番組内容はオープニングを除き、2016年3月13日の再放送
【放送局】 NHK Eテレ
【番組副題】 祝!命名権獲得 113番元素はこうして作られた(中身は再放送)
【司会】 南沢奈央 竹内薫(サイエンス作家)
【スタジオゲスト】 森田浩介(九州大学大学院 理学研究院物理学部門教授)
113番元素の命名権を獲得
日本の研究グループが発見した周期表の元素「113番元素」の命名権が認められた。
周期表には空欄が有り、それを埋めた研究グループには命名権が与えられる。
未だ、アジアでは命名権が与えられたことはなく、日本がアジア初となる。
周期表の基礎
- 水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム … ビッグバンの直後に出来た元素
- 以降、鉄(Fe28)まで … 星の核融合で出来た元素
- 以降、ウラン(U 92)まで … 自然界から発見
- 以降、93番から … 人工的に作られたもの
93番以降は、アメリカ、ドイツ、ロシアだったが、今回日本も加わることになった。
原子番号の基礎
原子番号は陽子の数によって決定される。水素は陽子が1、ヘリウムは陽子が2つある。
理化学研究所
113番元素が作られたのは、「理化学研究所 仁科加速器研究センター」(住所:埼玉県和光市)
ここには、超巨大な40メートルの加速器がある。
ここで4兆個もの粒子同士をぶつけ核融合を起こし113番元素を創りだす。
核融合を起こすにはちょど良いタイミングと速度(光の速さの10%)がありこれを調節するのは至難の業。
材料物質を選んだ理由は?
今回113番元素を作るにあたって使用したのは、30番「亜鉛」+83番「ビスマス」。足して、113となる。
これらを選んだのは、安定的に存在している元素を選ぶこと。例えば1番と112番を当てるのが一番可能性が高くなるが、112番は瞬間的にしか存在できない。
そこで、考えた結果亜鉛とビスマスという組み合わせとなった。
作るだけなく検出も大変!
作るのも難しいが、作った113番元素を観測する必要もある。
存在を証明するのは意外に難しい。森田浩介さんが作成した、GARISを使い森本幸司チームリーダーと一緒にこの難関に挑んだ。
核融合を終えて飛び出してくる原子は電子の数が決まっていない。そこでヘリウムガスを通すことで電子の数を一定に調整し、検出することに成功。
準備は2001年に完了し、その後24時間体制で毎日核融合を行ってきた。
2004年7月23日元素を作り出す
2004年7月23日についに核融合により、113番元素を創りだした。
丁度、森本さんが帰ろうとするときに発見したという。すぐ森田さんに知らせた。
当時は「物凄く嬉しかった今でも声が出なくなるという。」
その後、3回作ったが2回目までは認められなかった。3回目でやっと100%間違いなしと認められた。
現在は、119番、120番の元素づくりに着手している。
より性能を上げた「GARIS2(ガリス2)」を開発して
「ニホニウム」が存在する時間
ニホニウムが存在する時間は、たったの1000分の2秒。陽子は反発力が強く数が増える程すぐに崩壊してしまう。(=元素番号が大きくなるほど崩壊しやすい)
命名権のルール
命名権のルールガイドラインがあり
- 神話に由来するもの
- 地域に由来するもの
- 有名な科学者に由来するもの
- 1族から16族までは「ium(イウム)」で終わること
などがある。
サイエンスZERO反響ツイート
サイエンスZEROの南沢奈央さまはいつみても安定してかわいいありがとう
— たいたいちゃん (@thi_concon) 2016年6月19日
なんとなくサイエンスZERO見てて分かったんですけど作ってどうするのかなって、新しい元素作って何かするのかなって、創作クラスタがキャラ作って本編描かないみたいなものなんですかね?
— ◎◎ (@tokage_3) 2016年6月19日
サイエンスZEROニホニウム特集、設備や合成の過程の解説が理解しやすい。
— SH2ARP (@SH2ARP) 2016年6月19日
全編音楽演出がテクノで気持ちいい。曲名を知りたい所。字幕オン時に出て欲しいなあ。 pic.twitter.com/JurrV5LrRD
昨晩のサイエンスZERO。ニホニウム発見特集(命名発表前)の再放送だった。発生したブツを検出器に導くのに、電荷がまちまちでうまく誘導できないのを、ヘリウムで満たしたチャンバーを通過させると電子が12個外れた状態になりやすいことが分かって検出できるようになったって解説だった。
— シン・Yoshio Fukushima (@fukushimasan) 2016年6月20日
次回の「サイエンスZERO」は…
次回のサイエンスZEROは、人工知能の大革命!ディープラーニング。日曜日夜11時30分から放送。