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サイエンスZERO 3月13日放送まとめ 「祝!命名権獲得 113番元素はこうして作られた」▽森田浩介教授スタジオ登場【2016年3月13日(日曜日)】



サイエンスZERO「113番元素」

2016年3月13日(日曜日)に放送された「サイエンスZERO」は、113番目の元素に日本の研究グループが命名権を獲得したことをクローズアップ。元素の命名権ってなに?や、113番元素がどのようにして作られたのかなどを研究リーダーの森田浩介教授自らが説明する。

サイエンスZERO出演者

【番組副題】 「祝!命名権獲得 113番元素はこうして作られた」
【放送局】 NHK Eテレ
【司会】 竹内薫(サイエンス作家) 南沢奈央

【スタジオゲスト】 森田浩介(九州大学大学院 理学研究院物理部門 教授)

元素の周期表とは?

学校で習った「元素の周期表」は、この宇宙を作った基礎的な物質を表す一覧表。

特に4番(ベリリウム)までは、「ビッグバン」直後に出来た物質が並んでいる。

その後、宇宙誕生の順を辿って並んでいる。(陽子の軽いものから重いものへという順番になっている。(113番元素は陽子の数が113個))

また、93番以降の物質は人間の手によって作られたものだという。今までいずれもアメリカとロシア、ドイツが命名権を独占していた。

今回ついに日本は113番元素を作ったことが認められたので命名権を獲得。

人工的に元素を作るには…

人工的に元素を作るには、異なる原子を足し合わせ、陽子の数同士を足し算して完成する。

今回の113番元素は、「亜鉛30」+「ビスマス83」=113で完成した。

単純なようだが実際に作るのはとてもむずかしい。

理化学研究所 仁科加速器研究施設

113番元素がつくられたのは、兵庫県の仁科加速器研究施設(理化学研究所)。

70mに渡る巨大な加速器を使って作られた。

装置には亜鉛がセットされ、1秒間に2.4兆個の亜鉛原子を射出。

ビスマスにこの原子をぶつける。

お互いの核がぶつかって「核融合」を起こせば理論的には新しい物質が誕生する。

しかし、現実には調度良い速度で亜鉛とビスマスがぶつかる事自体が難しい。原子全体を東京ドームに例えると、原子核の大きさはグラウンドの100円玉程度しかない。

加速器を巧みに操作して、「光の速さの10%」というハイスピードを創りだす。

2.4兆個もの原子を射出して「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」式で確率を高くする。

それでも、113番元素が出来上がらないのが普通の日常になってしまうので、それにめげず毎日毎日作業を繰り返し続けることが大切だった。

亜鉛とビスマスを選んだ理由

なぜ、亜鉛とビスマスを選んだのか。

原子核同士がくっつくためには、核が離れようとする反発力に打ち勝たないと行けない。

反発力は原子番号と原子番号の掛け算の答えの大きさに比例している。(陽子の数が多いほど反発力が大きいので新元素作成が飛躍的に難しくなる)

つまり、できるだけ原子番号の小さい物同士を掛けあわせたほうが原子を作れる可能性が高い。

したがって、本当は112番と1番をぶつけるのが一番確率が高い。

しかし、112番は1万分の1秒間位しか存在していないため不安定でぶつけることが技術的に難しかった。

そこで、安定した原子核の中から亜鉛とビスマスを選んだという。

113番元素を検出するための工夫

森田浩介教授が設計した「GARIS」によって、113番元素だけを選別して取り出すことに成功。

www.nishina.riken.jp

森本幸司チームリーダー等とともに「ローレンツ力」を使って、亜鉛だけを取り除く。

その後、ヘリウムガスを満たすなどのアイデアを重ね113番元素だけを検出することが出来、新元素が完成された。

森田浩介教授

スタジオゲストとして、チームのリーダー、森田浩介(九州大学大学院 )教授が登場。

司会の南沢奈央から「まずは、命名権獲得おめでとうございます!」と言われると「ありがとうございます、やっと来てくれましたという感じです」と笑った。

今回の命名権獲得は、アメリカ、ドイツの研究グループのレベルに並ぶことが認められたんだと、スタートラインに立てたと非常に端的に喜んでいるという。

もともと森田浩介教授が理化学研究所に入った当初110番元素を作ろうという目的で入ったがドイツのグループなどによって作られ抜かされていた。

新元素を作る意味

元素は宇宙のすべてを構成している基本単位。

元素が何種類あるかというのは自然科学の1つの根源的な問いになって今まで多くの研究が続けられてきた。

その根源的な部分に答えようとする研究活動だと考えていると、森田浩介教授。

アルファ崩壊

人工的に作られる元素は不安定なため、存在する時間も限られている。

陽子が次々と出ていって、113番元素⇒111番元素⇒107番元素と変化する。

113番元素は、1000分の2秒しか存在できない。

この様々なアルファ崩壊が「再現性」を検討するときに決め手になる。

どんな名前になるのか?

新元素は、どんな名前になるのか?今研究グループで検討中だという。

名前の規則は、神話、地域名、有名な学者の名前など色んな物に由来する。また、1属から16属は「ium」で終わるなどの規則もある。

森田浩介先生は「皆様に愛される名前を付けたい」と微笑んだ。

GARIS-Ⅱ

現在「GARIS-Ⅱ」という強い磁石の新型のマシンを使ってより重い粒子を検出するための実験がスタートしている。

日本命名ふたつ目の元素を目指してチーム一丸となり研究は続いている。

173番までは元素はある?

森田浩介教授の友人の話では、元素表は、173番まであるだろうからまだまだ作れると話しているという。

周期表を拡大する面白みはとてもあると話した。

次回の「サイエンスZERO」は…

次回のサイエンスZEROは、「日本初驚異の泡!ウルトラファインバブル」。刺し身の賞味期限や、インフルエンザを破壊するなど注目されている技術を紹介。

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サイエンスZERO反響ツイート

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