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2014年3月16日(日)▼放送を短くまとめ『サイエンスZERO 緊急スペシャル!STAP細胞の謎に迫れ』疑惑について科学の視点で解説・小保方氏・Oct4・TCR再構成など【番組あらすじ】



2014年3月16日(日)の『サイエンスZERO』は、サイエンスZEROらしく科学の視点で今回の「STAP細胞」疑惑について何が問題だったのかをわかりやすく解説。

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このタイミングでホントにやるの?勿論です!サイエンスZEROですから!緊急スペシャル STAP細胞 徹底解説

2014年3月14日 理化学研究所の会見

理化学研究所が異例の記者会見の様子。理化学研究所の野依良治理事長の挨拶があり「世間の皆さまにご迷惑とご心配をお掛けしたことをおわびしたい。」「極めてずさんな取り扱いがあった、あってはならないこと」と発表。


【FNN公式Youtubeチャンネルより】理研会見全録(1/7)

 

事の発端は世界的な科学誌「Nature」に発表された”STAP細胞”の論文

マウスの細胞を酸性の液体に漬けると体のあらゆる組織の細胞に分化できる多能性幹細胞になる。そんな世界を揺るがす大発見が発表された。

 

ところがその後、世界の研究者がSTAP細胞の再現を試みたがSTAP細胞は作ることが出来ない。さらに論文の証拠画像に加工の跡や他の画像からのコピーが混じっていて問題が続出。

 

日本分子生物学会 理事長、大隅典子氏(東北大学大学院教授)の緊急声明が2014年3月11日に発表される事態になった。それは、どこまでが本当に真実のデータだったのか全てが疑わしくなったという内容。

 

出演は、南沢奈央。サイエンス作家 竹内薫。中村慶子アナウンサー。

 

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STAP細胞とは?

STAP細胞とは、Stimulus-Triggerd Acquisition of Pluripotency(刺激惹起性多能性獲得)…細胞に酸などの刺激を与えると初期化され、あらゆる機能を持った細胞に変化する。つまり(多能性)を獲得するという現象のこと。

 

細胞の初期化とは?

私達の細胞は最初はたったひとつの細胞。これが細胞分裂により、皮膚や神経など役割別に変化してゆく。これを”細胞の分化”という。

 

細胞の分化が可能になる仕組みは、遺伝情報の中の不要な部分がフタをされ機能しなくなるため。

 

例えば皮膚になる細胞が作られる場合は皮膚以外の遺伝情報にはフタをしてしまい機能を止めるのでその細胞は皮膚になる事のみに特化してゆく。

 

細胞の初期化とは、フタをされ機能を停止した遺伝子情報のフタが外され、再びどんな細胞にもなれる受精卵のような細胞に戻ることを言う。このように初期化された細胞を「多能性細胞(万能細胞)」という。IPS細胞が特に有名。

 

STAP細胞の凄い所

STAP細胞が凄いと言われていた特色は、とても作るのが難しい細胞の初期化を弱い酸に浸すだけで簡単に作れてしまうという所だった。

 

しかし、世界中でSTAP細胞をつくろうと試みられたが誰も作ることが出来ず、多くの疑問が寄せられることになってしまった。

 

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Oct4(多能性細胞に必ず存在するタンパク質)

Oct4はIPS細胞など多能性細胞にとって目印となるタンパク質で、このタンパク質があるという事はすなわちその細胞が多能性細胞だという証明になる。

 

Oct4が現れるか現れないかで、多能性細胞が出来たか出来ないか知ることができる。

 

小保方氏の研究チームがどうやってSTAP細胞を発見したのか?

まず、Oct4が出来ると細胞が緑色に光る特殊なマウス(鼠)を用意。その血液細胞を採取し酸に浸した。するとその中に緑色に光る細胞を発見!つまり弱い酸に浸したらなんと多能性細胞(=STAP細胞)が出来た!

 

次に本当にそれが多能性細胞なのかを確かめるために、緑色に光るSTAP細胞だけを集めマウスの皮膚に注射。(途中STAP細胞を培養増殖させることにも成功⇒増殖に成功したSTAP細胞は”STAP細胞”と呼ばれた)

 

やがて時間が経つとマウスの皮膚にポッコリ腫瘍が作られた。この腫瘍を形作っている細胞の中からは、「皮膚になる細胞」「筋肉になる細胞」「腸になる細胞」を発見。STAP細胞が分化してそれぞれ別の臓器になる細胞に成長したことが発見された。

 

これがSTAP細胞発見の一部始終。この手順は論文にまとめられ、2014年1月にはNatureに掲載された。

 

しかしその後、論文の方法を試すが誰も作れない(再現性がない)

論文が掲載されて以降世界中でSTAP細胞をつくろうと試みられたが、誰もSTAP細胞を作ることが出来なかった。

 

アメリカの研究チームが色々な追試の結果報告をまとめたサイト「STAP NEW DATA」(カリフォルニア大学Paul Knoepfler准教授)

【参考リンク】STAP NEW DATA | Knoepfler Lab Stem Cell Blog

 

現段階では、このサイトにまとめられた追試の中でSTAP細胞を再現出来た例はひとつも見当たらない。

 

サイトに追試を報告した1人、関西学院大学の関由行専任講師は、マウスの皮膚の細胞からSTAP細胞を作ることが出来るなら凄いと試してみた。

 

しかし、論文に有るとおりにPH5.7の酸性の液体につけて培養。これまで三回行ったが全て死んだ。

 

京都大学iPS細胞研究所特定准教授の八代嘉美さんが解説する。人により手の動かし方が違うというレベルの細かい条件が違ってくると再現性がないことがよくある。例えば培養液のメーカーが違うなど当初はそうした理由で再現ができないのでは?と思われていた。

 

そこで理研は詳しい手順書を公開

理研は、2014年3月5日に再現性がないという要望から、さらに詳しい手順を書いた手順書を公開。しかしその手順書には、「TCR再構成は無かった」という驚くような一文があった。

 

TCR再構成とは?T細胞の役割

TCRのTはT細胞のT。これは病原体から体を守る重要な細胞。幾つもある病原体に合わせてT細胞はDNAの形を変え攻撃対象に合った武器に変化させ病原体を殲滅する。このDNA変化の事を「TCR再構成」という。TCR再構成はT細胞だけに起こる。つまり、TCR再構成がある細胞=T細胞という証(目印)となる。

 

手順書には論文と違う部分があった(TCR再構成はなかった)

Natureに発表された論文にはSTAP細胞にもSTAP幹細胞にもあったT細胞が、理研の手順書では、マウスの血液細胞の中にはT細胞があり、弱酸に漬けて出来たSTAP細胞の中にもT細胞があったが、それを培養したSTAP幹細胞中には、そのT細胞が培養段階で生存できなくなり死滅して消えてしまったと説明していてNatureの論文とは違う内容(TCR再構成はなかった)が書かれていた。

 

遺伝子解析画像に切り貼り&過去の写真の転用の跡?

さらに、理研が行った説明の中で、STAP幹細胞中のT細胞の死滅の説明だけではなく、その前段階のSTAP細胞中にあったT細胞の存在、そしてそもそもSTAP細胞が本当にあったのかどうか疑わしくなった。

 

それは、論文中の遺伝子解析画像に切って貼りつけた跡や小保方氏の3年前の博士論文から画像をコピーして貼りつけた写真が見つかったから。

 

画像が結果に沿うように意図的に改竄された跡があったので、STAP細胞の存在自体に疑いの目が向けられている。

 

小保方氏から貰ったSTAP細胞が偽物だった?

論文の共同著者である、山梨大学生命環境学部の若山照彦教授が小保方氏から貰ったSTAP細胞が実はただの幹細胞で、STAP細胞では無かった可能性があると若山氏は言う。小保方氏から貰ったものが本当にSTAP細胞であったか、そうでなかったかは小保方氏だけが知っていて、今は信じる事が出来ないという。

 

 現在では小保方氏からもらった幹細胞を第三者研究機関にあずけてそれがSTAP細胞だったか否かを調べてもらっている最中。

 

なぜ、このような論文が出回ったのか?

様々なエキスパートがそれぞれ別の場所で研究をしている状態で、実験はパートに分かれている。それぞれのパートの中で不正が行われると次のパートではそれを証明することが出来ない。

 

例えば「これがSTAP細胞です」と言われ渡されれば、それをあからさまに疑うことは通常は無く、信じて次のパートに行くしか無い。それが結果的に今回の事態を招いてしまった。

 

 査読のクラウド化

画像がコピーされた物で有ることをいち早く指摘したのはインターネット上のユーザーだった。さらに論文の剽窃についても指摘したのはネットユーザーで今後このような「査読のクラウド化」は増えるのかもしれない。多くの人が参加して一つの論文を様々な角度で検証する時代の到来かもしれない。

【参考リンク】早稲田大学理工系でコピペ横行の文化?STAP細胞小保方氏コピペに影響され早稲田学部の内部実態が匿名掲示板へ投稿される - yonta64のテレビ番組ブログ

 

STAP細胞が本当に存在するのか?

シクラメンは茎を切るという物理的な衝撃で細胞が初期化する(カルス)。カルスを培養すれば植物の全ての根や茎葉っぱなどに変化してゆく。このような細胞は実在するので、STAP細胞のように酸の刺激で初期化する細胞も100%無いとは言えない。今回のことで科学の可能性を閉ざしてしまうのではなくいろんな可能性を秘めていると思うことは重要だと、八代嘉美さんは語る。

 

小保方氏がどのようにこの論文に行き着いたのかきちんと決着は付けるべき

今回の論文で切り貼りがあったり、剽窃があったりしたずさんな行為が日本の科学の地位を危うくしていて悲しい。実際にはどのように実験や論文作成行われたのか、STAP細胞が本当にあったかも含めて小保方氏と関係者にはきっちりと決着は漬けてほしいと語る、サイエンス作家竹内薫。賛同する出演者。

 

 

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