今回の家庭の医学は…
2016年1月26日放送された「たけしのみんなの家庭の医学」。今回は、尿トラブル、治らない肩こりについて。原因が特定しにくい病を解決へと導く専門外来が日本全国に約1,000件と増加し便利になった。尿トラブルと肩の専門外来の現状が放送された。
たけしのみんなの家庭の医学出演者
【司会】 ビートたけし
【スタジオゲスト】 ガダルカナル・タカ 酒井和歌子 榊原郁恵 中山秀征
【先生アシスタント】 斎藤真美(ABCアナウンサー)
尿トラブルを99%解明する専門外来とは?
夜間トイレに頻繁に立つ頻尿。
ちょっと動いただけで尿が漏れる、失禁。こうした尿トラブルを99%解明する専門外来があるという。
長崎大学病院「排尿機能外来」
(排尿機能外来リーダー:松尾朋博先生・泌尿器科腎移植内科)
長崎県長崎市にある、長崎大学病院。
ここに病の原因を99%解明してきた尿トラブルの専門外来「排尿機能外来」がある。
32年前に開設された歴史ある外来で松尾朋博先生がリーダーを務めている。
また、排尿機能外来の三銃士こと「田島純子さん(看護部副師長)」「中村龍文先生(神経内科医)」「道越恭江さん(診療放射線技師)」ら総勢9名の診療のエキスパートが居る。
また、30種類以上の一般的な泌尿器科には無い特殊測定機器があり、さまざまな症状の原因特定に威力を発揮。
小池さんの場合「近所の医者へ」
小池さん(72歳)は、ご主人と二人暮らし。
1日15回もトイレに駆け込む頻尿の症状に悩まされていた。
60代の時、長年パートで冷蔵施設で冷たい環境の職場に居た。数時間でトイレに駆け込む異常な排尿を経験。
しかし、職場の低温環境下や加齢による頻尿は仕方ないものと病院には行かなかった。
最初の排尿異常を放置して1年後、いつものようにトイレで用を足した時に針でさすような強い痛みを感じた。
さすがに不安に感じ初めて近所の泌尿器科を訪れる。
ここで「膀胱炎」と診断された。「膀胱炎」とは、尿道に細菌が繁殖し痛みが出る症状。
また、頻尿については「過活動膀胱」という診断だった。過活動膀胱とは加齢などで膀胱の機能が低下し勝手に収縮することで強い病に襲われる症状。
治らない頻尿は「ウィルス」だった
膀胱炎の薬は効いたが、過活動膀胱の薬は全く効かない。それどころか、頻尿の回数は余計に増えてしまう。
再び近所の医師に相談。長崎大学病院に尿の専門外来があると紹介状を書いてもらった。
小池さんは長崎大学病院へ診察に行く。
問診中おちょこ一杯位の尿しか出ないと聞いて、ウロダイナミクス検査や膀胱造影という検査を実施した松尾先生。
検査の結果、過活動膀胱ではなく「骨髄へのウイルス性感染症」だった。
背骨にある神経をウイルスが炎症を起こし、尿道をコントロールする弁が誤作動を起こし尿が溜まっていないのに激しい尿意を起こしていたのだ。
重大な病が潜んでいる「尿トラブル」の症状とは?
重大な病が潜んでいる場合、尿トラブルに加えて「足のしびれ」をともなう場合がある。
病名は「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」が疑われる。腰周辺の背骨の神経が圧迫されると様々な症状が出る。
極端になると、膀胱を縮める神経が動かず、尿が溜まり続ける状態となり、緊急手術となる場合もある。
肩こりの専門外来「東北大学病院・肩関節外来」
(肩関節外来リーダー:井樋栄二(いといえいじ)先生・日本肩関節学会理事長、国際肩関節学会会長)
(秋貴史先生・東北大学大学院医学系研究科外科学病態学講座整形外科学分野)
(常陸真先生・東北大学大学院医学系研究科放射線診断学分野助教)
肩こりには、放置しても治る「五十肩」が代表的だが、五十肩に似た病気もあり、放置すると危ない。
東北大学病院には「肩関節外来」という専門外来がある。
長島さんの場合「腱板炎」
長島さんは57歳。10年前から治らない「五十肩」に悩む。
どの病院に行っても五十肩といわれ20件周り続けたがなにも対処してもらえなかった。腕を上げるのが痛くてひどい場合は歯を磨く時に首のほうを動かす位だった。
2015年12月、長島さんは埼玉県から遠方の宮崎県仙台市の東北大学病院まではるばる来院。
専門外来で徹底的に原因を究明することに。
- 五十肩のような症状は10年続く
- 痛みのきっかけはパソコン作業のしすぎ?
- 寝返りの時、痛みで毎晩目が覚める程
- 肩のレントゲンを撮影すると、関節内に白い影と骨のすり減りが見えた
- 肩の筋肉は正常
- バンザイをする(腕を高く上げた時)と痛みがある
- 腕を捻った時にも痛みがある。(それ以外は痛みがない)
- MRIを撮影し、4本の腱のうち、2本に若干の腫れと腱が毛羽立っている(ちぎれ始め)が見つかった
- 怪しい腱板表面に麻酔を注射(ブロック注射)すると痛みが消えた
ブロック注射で痛みが消えることから確定診断となった。
病名は「腱板炎」。
長島さんは、腱鞘炎を治療するため、理学療法士・村木孝行先生の指導のもと、腱板の筋肉を鍛えるストレッチ法を教わり自宅で行っている。10年悩んだ肩関節の痛みが解消しつつあるという。
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五十肩と間違えやすい隠れ病の見分け方
五十肩とは正式な診断名ではなく、肩関節に起きる痛みの総称。
肩の使いすぎや加齢で炎症が起き、痛みや動きづらさが現れる。半年から1年で治ってしまうが、しつこい場合は別の病気が隠れていることも多いため病院に行くべき。
以下の症状がある場合は、隠れ病の可能性もあるので病院へ。
- 腕を上げる時に異音がする … ゴリゴリ、ジョリジョリなど
- 腕を動かす途中で痛む … 腕を上げ下げする途中(90度の位置)で痛みがでる(上げきったところや下げきったところでは痛みはない)
こうした症状がある場合は「肩腱板断裂」の可能性がある。五十肩の40%は肩腱板断裂だという。
腱板断裂は、MRIで判別できる。
次回の「たけしのみんなの家庭の医学」は…
次回のたけしのみんなの家庭の医学は、2月2日火曜日夜8時放送。顔のある部分が弱ると前身が衰える!身体を老けさせないスペシャル。
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