クローズアップ現代 ポイント
2015年11月11日(水曜日)放送の「クローズアップ現代」は、座りすぎがもたらす病について。
日本は長時間座る姿勢で居ることが特に多く、最近の研究でそれが心臓病や動脈硬化などに繋がる事がわかって来た。オーストラリアの取り組みや、日本企業の取り組み。解決方法などについて紹介されました―。
クローズアップ現代出演者一覧
【番組副題】「”座りすぎ”が病を生む!?驚きの最新報告(No.3731)」
【司会】 国谷裕子(くにやひろこ)
【御意見番】 岡浩一朗さん(早稲田大学スポーツ科学学術院)
日本人は座っている時間が世界で最も長い
職場でも家庭でも1日の多くの時間を座って過ごす私たち。座りすぎると心臓病や癌などの健康リスクについての研究結果が出ている。
早稲田大学の調査では特に日本人は世界の中でも座っている時間が長い(7時間)という調査もある。
歩く・走るが5%+家事・立ち仕事35〜40%に対して、座っている時間が50~60%。
海外ではすでに対策が始まっていて「Is Sitting the New Smoking?」(座ることは新たな喫煙か?)などとも言われ始めている。
長時間座り続ける事でおきる主な病気
- 筋肉の弱体化
- 抑うつ
- 高血糖
- 肺がん
- 脳梗塞
- 認知症
- 狭心症
- 高血圧
- 腰痛
- 心筋梗塞
- 糖尿病
- 乳がん
国主導で座りすぎ対策をするオーストラリア
オーストラリア・メルボルンでは小学校で座りすぎの対策をしている。立ったり座ったりして作業が出来るように高さを簡単に調整できる机を導入。一日30分立って過ごすことが出来るようになっている。
また、官民一体となりテレビCMなどの啓発活動をしている。
なぜ座り過ぎが良くないのか?
オーストラリア心臓病・糖尿病研究所のネヴィル・オーウェン博士によれば、より科学的に検証した結果、座り続けると体の代謝機能や血液の流れに影響することが解った。
大きな筋肉=足の活動と代謝
歩いている時には足の筋肉が働き血液中の糖や脂肪を筋肉に送り続けることが出来る。
しかし座っていると足の筋肉の活動が弱まり、今まで盛んだった糖や脂肪が血液に溜まってしまう。
つまりグルコース輸送体(糖の取り込みを促進)やリボ蛋白リパーゼ(脂肪の分解を促進)の働きが弱まる。
血液中に余った糖や脂肪はコレステロールとなり動脈硬化などを起こす原因となる。
さらに、座った状態が長く続くことで全身の血流がゆっくりとなり、血液がどろどろになる。その結果、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病になってしまう。
足の筋肉は体全体に対して特に大きいのでこの筋肉の活動が停止することで全身に影響が及ぶとのこと。
長時間座っていると肺がんに?
北海道大学の鵜川重 和助教は、全国12万人の生活スタイルを20年に渡る調査をした。
その結果座っている時間が長い人(一日4時間以上)は肺がん、肝臓がん、慢性閉塞性肺疾患の発症率が高い事がわかった。
ではどうすればよいのか?
現代の生活はとにかく座ることが多い。その問題は同じ姿勢を長時間続けていること。
長時間立ち仕事の人は腰痛というリスクが加わるように、ずっと同じ姿勢で居ることが問題。座ること自体は問題ではない。
立ちっぱなしもよくないし、座りっぱなしも良くない
はっきりとした時間はまだわかっていないが、大体30分から1時間に一度は立って動く必要がある。
座りっぱなしに効果的な運動
- 立っている時にかかとを上げ下げする
- 立っている時に、スクワットをして太もも動かす
- 座っている時に、つま先を上げる運動
クロ現を見たTwitterユーザーの反響
昨晩のクロ現の座る事で心臓病リスクとかやってたけど、1日のうち4時間もすわってないわー。まあ、1時間もじっと座れない。
— にゃろう (@hinatapoppo1) 2015年11月12日
座りすぎが病を生む⁉︎クローズアップ現代を昨日真剣に見てしまった。自分は多分平日は24時間中1時間も立ってないと思う…だから坐骨神経痛にもなるわな…
— ぴーこ (@pieco47) 2015年11月12日
昨日のクロ現で「座りっぱなしは体に悪い」というのを特集してたけど、うちの職場では話題にすら上がらない。なぜなら、その時間に帰れる人がほとんどいないから観てないから。
— ハチグシ('ω')㋤㋾ (@hashi_nao) 2015年11月12日
そもそも残業が多いのが問題。
https://twitter.com/hou_ac/status/664665384969105408
https://twitter.com/lar_aka_berry/status/664668504721743872
昨夜のNHK『クローズアップ現代』見て、座らない机(立ったまま作業)を用意した。
— 希輔@断捨離中 (@maresuke053) 2015年11月12日
机に机を重ねて粘着固定。
物は試し。
テスト使用。
さっそく立ち始めた私であった。まぁ、1時間に10分くらいから意識し始めるか。
— ターティ (@bookricefield) 2015年11月12日
要はふくらはぎの血液ポンプの滞留がいけないんだろうな。
“座りすぎ”が病を生む!? - NHK クローズアップ現代 https://t.co/RinBOqjHMA
昨日見たクロ現の影響もあって、今日は立って仕事してみたけど、1時間立ってるだけで結構辛い。そのうち慣れるかな。1時間立って仕事して休憩でしばらくゴロゴロしてまた立って。早く休みたいからという気持ちが集中に結びつくのはイイかも。 https://t.co/vmzUUvjTzi
— りかぞう\(‘jjj’)/ (@izmrk) 2015年11月12日
各企業の取り組み
ある大企業(楽天ファシリティマネジメント課)では社員1万人分の立って作業のできる机を購入。社員は最高125cmまで上昇可能な天板の机を使い立ったままで作業が出来る。
机は一台18万円だというが社員の健康を優先すれば業績も上がるという考えのもと投資したという。
「働けば働くほど健康になる」がコンセプト。
立って行う仕事の健康面以外での利点
- コピーなどに立つという動作が要らずスピーディー
- 立ち話で社員間のコミュニケーションが増え風通しがよくなった
事務機器メーカー「岡村製作所」
机はオカムラ製。職場にパソコンが普及したのと同じ時期に、より座りやすい椅子を研究開発してきた。
ところが今度は座り過ぎが問題となり今大きな方針転換をしている。
どうすれば座りすぎを克服できるのかが今後のテーマとなった。
今市販されているものは72センチの机の高さがある。
こうした研究の結果、岡村製作所が発売した机の高さを変えることが出来る机(スタンディングデスク”スイフト”)は、仕事は座ってするものという従来の発想を大きく転換した。