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内容要約 『クローズアップ現代』▽ウルトラファインバブルを巡る現状・ISO世界標準・問題点▽小さな泡が世界を変える?日本初・技術革命は成功するか【2015年10月6日(火)放送】



今回のクロ現 番組のみどころ

2015年10月6日(火曜日)放送の『クローズアップ現代』は、ウルトラファインバブルに焦点が当たった。

超微細の泡が入った水は、魚の成長を促進したり、医療分野で病気の治療法となったり、清掃分野では除菌にも応用されていて13兆円の市場が見込まれている。

現在主に中小企業と大学が取り組んできた技術は世界中でリードしていてISO(世界標準)規格化の取り組みがあるという―。

クローズアップ現代出演者一覧

【司会】 国谷裕子
【解説】 寺坂宏一さん(慶應義塾大学教授)

注目の「ウルトラファインバブル」とは?

今、超微細な「泡」が注目されている。

「ウルトラファインバブル(きわめて細かい泡)」とは、特殊な機構を使いわずか1000分の1ミリのごく小さな泡で、小さすぎて浮力が生まれず水の中に留まり続け酸素が水面に逃げなくなる泡の事。

ウルトラファインバブルの使いみちと将来性

そのため普通の海水の5倍の酸素を溶け込ませる事が出来、ウルトラファインバブルを使って魚を育てると成長促進などの様々な効用がある。

  • 酸素のウルトラファインバブルでトラフグやウマヅラハギ魚の重さが1.5倍に(広島県尾道市の養魚場・九州工業大学が装置を設営)
  • 窒素のウルトラファインバブル水を使えば、酸素が少ない水が作れ鮮度が落ちない水を作ることが可能
  • 空気を使ったバブル水は、高速道路のサービスエリアでトイレ掃除に利用されている。微細な泡が汚れに入り込みはじけることで汚れが落ちやすくなる
  • 医療分野では細菌やウィルスを殺す新しい切り札、オゾンバブル水を使っている。糖尿病患者の足の傷に使用しオゾンを微少な泡にして傷の隅々まで浸透して治すという。大腸菌やサルモネラ菌、エボラウィルスにも効果がある(九州大学特任教授・大平猛さん)

など、この泡が国や地方自治体大学など大きな可能性を秘めている。ファインバブル産業会によれば2010年には、1,260億円の市場が2030年には、12兆6,700億円という巨額な市場規模の試算をしている。

日本のファインバブル技術は世界でリード

日本はこの泡の技術に長けている。今まで「牡蠣の養殖」などの水産業で培ってきた微細な泡の測定技術などによって世界中で一歩リードしている。

今後は泡をさらに細かくしたり、泡の気体の種類を変えたりしてさらなる応用を可能にする。

  • 微生物活性(微生物の成長を促進)
  • 風呂(二酸化炭素)
  • 食品加工(窒素)
  • がん治療(フッ素)
  • 農作物の育成(空気)… 高知県ではショウガの栽培に使って太く大きく育つ

微少な泡の活用は現在、山形県、兵庫県、鳥取県、岡山県、高知県、広島県、山口県、佐賀県、熊本県などの中小企業で開発が進んでいる。

ファインバブル研究者を悩ます問題!?

ファインバブルの開発が進むにつれて問題も出てきた。ファインバブル産業界副会長の藤田俊弘さんが解説。

それは主にインターネットで販売されている「水素入りバブル水」「酸素入りバブル水」などの商品。これら商品の効能書きにはウルトラファインバブルに匹敵する「1万分の1ミリ」のナノバブル酸素が入っていると標榜されているが実際には入っていず、その効能に科学的には根拠がない。

水素入り・酸素入りの水には何も入っていない!?

研究室で実際に商品を分析機器にかけて調べると、微少な泡はほとんど検出されなかった。

藤田さんが警鐘を鳴らす「付加価値があるようだが実際には泡も何も入っていない単に高い値段の普通の水だ。こうした商品を放置すればバブル水自体の信頼性が低くなってしまう。」

そこで藤田さん達のグループは企業や大学と連携して「ISO(国際標準化機構)」の国際規格を提案、現在ファインバブルの国際規格の制定が進行している。

高い技術力を持つ日本を独走させてはならないと韓国などが国際標準化に懸念を表明していたり、超えるべき課題がまだ沢山あるが前向きに進めていきたいと藤田さん。

また国内では農業などいろんな分野で情報共有を強化していく。今は中小企業の事業情報共有が進んでいないので強め世界に広げるための開発加速に繋げてゆきたいと語った。

ウルトラファインバブル関連のツイート

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