ガッテン!「盲腸は必要だった?」
2017年3月8日(水曜日)放送のガッテン(旧ためしてガッテン)は、盲腸について。おなかに突然の激痛が襲う盲腸。毎年5万人が盲腸を摘出しているという。
今まで何の役にも立たないと言われていた盲腸(虫垂)だが実は腸内環境改善のため一役買っていた事が最新の研究により明らかになった!
ガッテン!番組データ
【放送日時】 2017年3月8日(水曜日)よる7時30分(45分)
【放送局】 NHK総合
【番組副題】 突然の激痛!意外と知らない”盲腸”の真実
【司会】 立川志の輔(盲腸の経験あり・虫垂切除済み) 小野文惠(アナウンサー)
【スタジオゲスト】 山根千佳(盲腸の経験無し) ゴリ(盲腸の経験あり・虫垂切除済み) 麻木久仁子(盲腸の経験あり・虫垂切除済み)
【テーマ曲】 ジユーダム(椎名林檎)
【ナレーション】 山寺宏一
本日、雑誌「Number」発売。
— 山根千佳 (@yamane_chika) 2017年3月8日
NHK19:30〜「ガッテン!」OA。
チェックして下さると嬉しいです😉🌟
今日もお仕事頑張ってきます!!! pic.twitter.com/QSvliKtFsM
盲腸の治療法とある病気との意外な関係とは!?
今回のスタジオゲスト、ガレッジセール・ゴリ。
彼は学生時代に下宿先で盲腸になり自分でママチャリを運転して病院に駆け込んだという経験があったと話す。
その時は夕方から痛みが始まり、ずっと治らず「こんなに痛いか…」という位の激痛が襲ったと回想した。
一方、同じスタジオゲストの麻木久仁子も7歳の頃に盲腸になったという、とにかくお腹が痛くなりお母さんに連れられ病院で盲腸と判明、全身麻酔で盲腸を切除したという。(もう一人のゲスト、山根千佳は盲腸の経験がない)
不要ではなかった盲腸の役割とは?
昔から”不要”と言われてきた「盲腸」だが、実は大切な役割があったことが新しい研究によって理解ってきたという。
場所は台湾の中央健康保険書(台北市)。
ここには2000万人以上の台湾国民全員の医療データ(盲腸の病歴を始め様々な病歴)が集まっている。
この膨大な数の病気に関するデータを集めコンピュータ解析することで盲腸と大腸がんの関係が判明した。
盲腸の手術の経験者は、その後大腸がんになった人が多いという。そのリスクは2.1倍。
「盲腸の手術を大腸がんに関係があるのでは?」という研究はすでに50年近く行われてきた。
その中で「関係ある」という研究もあれば「関係ない」という研究もあり、専門家の間でもどちらとも言えなかったが、最近の研究で40万人近くを約14年間調査したところ、「盲腸の手術の後、3年半の間だけ」大腸がんのリスクが2.1倍になるという研究が発表された。
他の動物の盲腸はどうなっている?
例えば馬の盲腸はとても大きく、細長い形をしていて30リットルもの体積がある。
人間のように役割がよくわからない臓器としてではなく、草を消化するのにとても重要な器官として活躍していた。
人間の盲腸とその場所は?
人間の盲腸は、大腸の端っこにある大腸の一部分。
”虫垂(ちゅうすい)”というミミズのように飛び出た部分があり、これを手術で切り取る。
盲腸のことを「虫垂炎(ちゅうすいえん)」というのは、盲腸全体が炎症を起こすのではなく盲腸の一部にあるこの「虫垂(ちゅうすい)」という袋上の部分に膿がたまり炎症をおこすためだった。
虫垂炎を引き起こす意外な原因とは?
ある病院では虫垂炎を起こした患者の手術をしたところ、なんと「人間の乳歯」が虫垂を詰まらせていた事がわかった。
その患者に聞くと幼いころ、謝って乳歯を飲んでいたとのこと。
それが大人になって虫垂の入り口にすっぽりと詰まり虫垂炎を起こしたと言う。
中部労災病院の、藤原玄先生によれば、過去の文献を調べると歯以外にも、魚の骨や義歯などが発見されたケースもあった。
盲腸と虫垂の穴とは直径が3ミリ位の管で繋がっている。
ここに、消化されない歯などが何かの拍子にすっぽりとはまり込んでしまうと虫垂炎になってしまう危険がある。
スタジオゲストの山根千佳も小さな頃、乳歯を飲んでしまったと告白し「(自分も盲腸に無縁でないと)急に怖くなってきた!!」と暗い表情に…。
(※ただし、たとえ歯などを飲んでしまっても便になって排出されるため殆どの場合で問題はない。)
虫垂の内部には免疫細胞がぎっしり!
番組スタッフは盲腸の手術の現場に立ち会った。(取材協力:東邦大学医療センター大森病院・本田膳子先生)
取り出した虫垂の断面を詳細に電子顕微鏡で観察する。
すると、虫垂の内部には多くの免疫細胞がぎっしり詰め込まれている。
虫垂にある免疫細胞は、腸内環境(腸内フローラ)のバランスを整える役割もしていた。
100兆個以上の腸内細菌は「がん」「生活習慣病」などと関連しているためとてもそのバランスは大切。
これら腸内フローラのバランスにも虫垂内の免疫細胞たちが働いていることが最近の研究でわかってきている。
つまり、虫垂がないということは免疫細胞の棲家を失ったとも言える。(スタジオゲストの、盲腸がないチーム(麻木久仁子、立川志の輔、ゴリ)が「免疫細胞が住む場所を失った!!」とても悲しむ場面も。)
ここで、スタジオに登場した先生は、東邦大学医療センター大森病院・島田長人教授。
この虫垂の役割についてわかったのは、最近のこと。研究はスタートしたばかり。
これからは…
- 盲腸(虫垂)は…腸内を整える大切なもの。切ることはメリット・デメリットがある
ただしすでに虫垂が破れてしまっている場合など、医学的にはもう取るしかないという場合もある。
盲腸が破裂していない場合は取らずに薬で炎症を抑えることも可能だが、10%から35%程度は再発してしまうと言う。
虫垂を切除して3年半はガンに要注意!
また、虫垂を切り取って3.5年をすぎるまではガンの発生率が上がり、3.5年を過ぎるとガンの発生率は下がるという。
これは、3.5年の間に何かの臓器が、盲腸の代わりをしているのかもしれない。(ただし本当の理由はまだ解明されていない。)
盲腸を取った人はその後3年位は、定期的にガン検査をして注意しなくてはいけない。
盲腸対策の重要なポイントとは?
- 盲腸は重症化すると命にかかわるため必ず医師の指示に従う
- それほど重症でない場合は「手術」か「薬」かを選べる
- 手術で治療 … 再発はなし。大腸がんのリスクは上がる
- 薬で治療 … 35%程度再発する。
- 大切なのは、その後の健康的な食生活が最も大切
- 定期的ながん検診も大切
番組が盲腸経験の無い男女を調査
盲腸を経験したことがない男女に調査を依頼。
東邦大学医療センター大森病院・丸山憲一先生が超音波検査をした。
10人中4人の虫垂の内部に、盲腸の原因となりそうな白い石粒状の影が見つかった。
便秘と盲腸には関係があった!?
一体何が虫垂内に入り込んでいるのか?
それは…うんち。
うんちは、虫垂内に詰まると長い時間の間に「糞石(ふんせき)」という固い石状になってしまう。
これが、やがて虫垂に詰まって盲腸(虫垂炎)を引き起こす。
「D.Adamidis et al(2000)」の論文研究によれば、食物繊維をよく摂る人(1日20.4g)は虫垂炎になりにくいというデータがあるという。
学術研究誌「Nature」に論文が掲載れる程の国際的な学者、福田真嗣さん。
世界中から腸内細菌を集めている。
食物繊維を取り入れるために始めること
そんな腸内細菌のプロ、福田さんの食生活を覗いた…福田さんのお弁当に入っているのは…
- ひじきの煮物 … 腸内細菌の餌となる「水溶性食物繊維」が豊富
- 味噌汁 … 微生物の力による栄養素がとても豊富
水溶性食物繊維と発酵食品の例をまとめると以下の通り…
- 水溶性食物繊維 … 昆布・ひじき・ワカメ、野菜(にんにく、オクラ、ごぼうなど)
- 発酵食品 … 漬物(ぬか漬け・キムチ)、納豆、みそ、ヨーグルト
盲腸にならないためにも、これら食物繊維が豊富で、腸内細菌バランスも良くなる食べ物をいずれも長期間続ける事が一番大切だと福田先生は語った。
盲腸の痛みはどんな感じ?
いざ盲腸になったとき何よりも大切なのは早めに病院へ行くこと。盲腸の痛みを実際に経験者した人によれば以下のような痛みに襲われるという…。
- 40代女性 … 痛みがお腹全体をぐるっと日毎に移動する感じがした
- 60代男性 … 日ごとにぐるぐると痛みの部位が移動する感じがした
など、盲腸の経験をした人の半分近くの人が「痛みが移動した」ような気がしたと答えた。
- 最初はお腹全体が痛み
- その後、右下腹部が痛む
という人が特に多かった。
虫垂には「鈍い神経」と「鋭い神経」の2つがあり、最初に「鈍い神経」が反応し、その後「鋭い神経」に移動するという。
そのため最初は「どこかわからないけどお腹の何処かが痛い」と感じ、その後「虫垂が痛い!」と鋭い痛みに変わるという。
痛みが日に日に移動する時は盲腸のサイン。いつもの腹痛とは違うと思ったら早めの受診をオススメします。
ガッテン反響ツイート
ガッテンに出てる山根千佳って、初めて見るけど可愛いな(-´∀`-)
— ねこぞう (@shigetokyo) 2017年3月8日
虫垂炎テーマで山根千佳なら玉の海の話をするかと思ったけど……流石に40年以上前のことは知らないのかな? #nhk #ガッテン
— 石嶋正治 (@martin_ish) 2017年3月8日
あのさ、「スイカの種を飲んだら盲腸になるよ」なんて脅しは昭和の迷信ですぜ……虫垂炎は感染症。
— KGN (@KGN_works) 2017年3月8日
平成も29年になって何言ってんだ(呆 #ガッテン
虫垂炎なんて、昨今は「手術しないことも多い」。抗菌薬で治療できるからね。
— KGN (@KGN_works) 2017年3月8日
腹を開けるのは「のんびり薬が効くのを待ってたらヤバい」場合だけですけどね。
必要なのに手術を拒否して死にますか?その場合、たしかにガンの心配はしなくて良い、死ぬから。#ガッテン
それもう、人体じゃないから…
— ネコラス刑事 (@nekokei2164) 2017年3月8日
#ガッテン #盲腸 #山根千佳 pic.twitter.com/eWOv19xvUd
次回のガッテンは「大動脈瘤」?
「声」で発見!?突然死を防ぐ大動脈瘤の危機とは?NHK総合15日(水曜日)夜7時30分放送予定。
前回のガッテンは「コラーゲン」
当ブログのガッテン!関連記事
ガッテン!関連グッズ