総合診療医ドクターG「番組監修:松村理司先生」
2017年5月31日(水曜日)放送の「総合診療医ドクターG」は、特別編。
初回から8年間全ての番組を監修している松村理司先生がドクターGとして登場し、過去に放送した番組(「上田剛士先生の回”吐き気が止まらない”」)を参考に、総合診療の存在意義を解説した――。
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総合診療医ドクターG番組データ
【放送日時】 2017年5月31日(水曜日)22時24分(50分)
【放送局】 NHK総合
【番組副題】 松村Gの”吐き気が止まらない”
【司会】 浅草キッド(玉ちゃん 水道橋博士)
【スタジオゲスト】 なし
【ドクターG】 松村理司(まつむらただし・洛和会ヘルスケアシステム総長)
2009年スタート、病名推理番組「ドクターG」
2009年8月18日に放送スタートした「総合診療医ドクターG」は、些細な手がかりから病名を探り当てる番組として人気シリーズに成長した。
初回は千葉大学医学部附属病院、生坂政臣(いくさかまさとみ)先生で、出演は9回。
最多出演は、福井大学医学部附属病院の林寛之(はやしひろゆき)先生と大阪医科大学附属病院の鈴木富雄(すずきとみお)先生、出演回数は共に10回。
さらに、8年間の番組全てに関わっていたドクターGがもう一人居た――。
その人こそ今回の主役、医療監修を担当している「松村理司(まつむらただし)」先生だ。
今回のドクターG(監修)「松村理司」先生
今回は、医療監修の松村理司(まつむらただし=洛和会ヘルスケアシステム総長)先生がスタジオに登場した。
いつもは裏方として活躍しているため、浅草キッドの二人は8年間一度も会ったことがなかったという。
医療監修の仕事とは、出来上がったVTRを見て医学的に正しいかどうかをチェックする仕事。先生は最終病名を全く知らされないまま毎回ビデオを見てチェックしている。
オススメ放送回「上田剛士先生の”吐き気が止まらない”」
松村先生が今回オススメしたのは、上田剛士先生が登場した回。
先生は「上田剛士先生の回というのは、病名をどのようなプロセスで絞り込んでゆくのか、プロも参考になる総合診療医としての真髄が見られる…」だという――。
そもそも”総合診療医”とは?
そもそも総合診療医とはどんな役割があるのか?
現在細かく臓器別に分類されている病院のシステム。(眼科、循環器科などに分かれている)
深く専門化したおかげでより適切な治療を受けることが出来るようになった反面、患者にとっては自分の症状がどの診療科目になるのかわからず、病院を転々とするケースも増えた…。
そこで約20年前に登場したのが「総合診療科」。
精神科、整形外科、眼科、脳神経外科など様々な疾患の中から患者の状態に応じて鑑別し適切な診療科へ導く役割を果たしている。
松村先生は日本の総合診療医の草分け的存在で、20年前アメリカで生まれた総合診療医という仕組みにいち早く着目、京都や舞鶴にあった自分が勤める病院に世界的な総合診療医(ポールガーバーさん)などを次々と招き入れた。
現在も松村医師が始めた「京都GIMカンファレンス」が開催され月に一度、全国から集まった難症例の検討を行っている。
このような取組みは、病歴や身体診察から可能性の最も高い病気を最初に絞込み、高額な検査をせずに済むようになったり、重大な病気を見落とす危険性が減ったという。
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ダイジェスト「吐き気が止まらない」――
2016年9月21日放送の「吐き気が止まらない」をダイジェストで紹介。
(スタジオゲスト ハイヒールリンゴ 平岳大)
- 患者は木村誠さん(42歳)
- 道端で吐き気が止まらず気分が悪くなりしゃがみ込むなどの症状
- 普段から食欲不振で、カロリーだけは摂ろうと”コーラ”などの甘い飲み物をがぶ飲みしていた…
- ドクターGの診察を受け、次々とその他の症状が明らかになる…
- 最終診断は「糖尿病性ケトアシドーシス」だった。⇒大量のコーラなどを飲み続け劇症糖尿病が進行し体内に「ケトン体」が溜まっていた。(=死に至る病)⇒病気の詳細&治療法はコチラ
- 病名が無事判明したことで、木村さんは無事回復(ダイジェスト版終了)
糖尿病性ケトアシドーシスは怖い病気!
松村先生は浅草キッドと一緒にビデオを見ながら、この病気についてさらに付け加えて語った。
――糖尿病性ケトアシドーシスは今まで糖尿病と言われたことがないのに、コーラなど甘いものの食べ過ぎで突然糖尿病の初期症状として現れる、怖い病気。
糖尿病と診断されている人は健康に気をつけようとする意識が働くが、糖尿病と診断されたことがない人は病気の進行に気が付かないまま甘いものを飲み続ける…。
その結果命を落とす事態になると言う。
糖尿病患者は厚生労働省の国民栄養調査(2012年度)によれば950万人いるが、それに加え糖尿病予備群は1100万人も居る。
糖尿病性ケトアシドーシスは見逃されている!!
医療機関でも「糖尿病性ケトアシドーシス」は糖尿病ではなく「急性胃腸炎」と診断され見逃してしまうことがある…。
医師が誤診し「糖尿病性ケトアシドーシス」と診断されない場合は必ず亡くなってしまう重大な病気。
そのため誤診による医療事故や医療裁判に発展している例もあるという…。
糖尿病性ケトアシドーシスの特徴的な所見とは?
急性胃腸炎の場合は「吐く」のが先(口から入ったものが悪さをしてまず吐く)、「下痢」が後(悪いものが下の方まで行って下痢になって出て来る)になる。
(患者)木村さんの場合は、先に下痢が有ってその後吐き気が止まらない状態になったため急性胃腸炎ではない事がわかる。
クスマウル大呼吸?
糖尿病性ケトアシドーシスの特徴的な所見には「呼吸の仕方」がある。
それはクスマウル大呼吸、かつてクスマウルという研究者が死に近い糖尿病患者を診ていて、呼吸だけはどんどん激しくなることに気がついた事からその名前が付いた――。
末期の糖尿病患者は全身の息苦しさのため「速く&深い呼吸」をする。
通常は、吸う時に1、吐くのに2の時間を使って呼吸をするが、クスマウル大呼吸の場合は、吐くときにも力を使うので吸う時に1、吐く時も1となる。
#ドクターG
— RAITEIZAP (@RAITEIZAP) 2017年5月31日
お クスマウル大呼吸で知識がリンク!
なるほどね、糖尿性ケトアシドーシス=脂肪の分解=呼吸が浅く速くなる
これってDNP(ジニトロフェノール)摂取した時に起こる症状に似てる!
そりゃ痩せるわな・・・
こうやって劇的に脂肪が無くなっていくのか・・
さらにケトン臭もする?
糖尿病患者の息は甘い匂いがする。(腐ったリンゴの匂い。マニキュアを落とす除光液のような匂いがするという。)
さらに、血液検査をすればケトン体の量などから確定的となる。
アセトン=除光液だから 一般の人にもわかりやすい表現ですね #ドクターg
— papa-kyo (@maistersinger) 2017年5月31日
(※2017年5月31日放送)
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総合診療医ドクターG反響ツイート
40代吐き気が止まらない、で真っ先に鑑別が「劇症1型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシスかな?」と推察してしまう身もふたも無いクソ内科医ですが、何か? #ドクターG #NHK
— sitesnk (@sitesnk) 2017年5月31日
https://twitter.com/hobarman14/status/869911438852214784
『もし仮に○○だとしたら△△があるはずである。しかし、それは見られない。とすると○○とは考えにくい』という思考は医師以外の職業でも役立つ考え方 #ドクターG
— whitewind.zero(札幌市民) (@ww_zero) 2017年5月31日
ベルトの穴の間隔は2.5cm。1cmで1kg目安。
— 暁 (@gyohm) 2017年5月31日
これは仕事で覚えたわん。
#ドクターG
https://twitter.com/hobarman14/status/869919992749228032
番組の総集編ってだけじゃなくて番組自体を解説ってのいいなー。8年に1度じゃなく今後も何回かやってほしい。 #ドクターG
— にかいち (@A_nikaichi) 2017年5月31日
糖尿はホントに怖い
— 一見、悪徳に見えて、ただ歯科検診を勧めているだけのC!MAプロ (@CiMA_HelloDC) 2017年5月31日
昔、急性炎症で緊急入院してきた患者さんでCRP22とか何事!?って調べたら思いっきり糖尿だった事がある。
やっぱりその患者さんも糖尿って指摘されたことはないって言ってたな。#ドクターG
次回の総合診療医ドクターGは――
次回の総合診療医ドクターGは6月7日(水曜日)よる10時25分から放送予定。
「立ちくらみでふらつく。」よくある症状から思わぬ展開に!?
(追記:2017-06-07)
この回に出演した研修医(住田真理子医師)が逮捕されたため「立ちくらみでふらつく」の回は差し替え(2016年4月27日放送「背中が痛む」)となっています。
出演予定は、早見優さん、ロバート・キャンベルさんでした。
前回の総合診療医ドクターGは――
次回のドクターGは?
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