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反響要約「総合診療医ドクターG 腰が痛くて痛くて」▽最終診断は「パーキンソン病」【2016年10月12日(水)放送内容反響ツイート集】



総合診療医ドクターG「腰が痛い」

2016年10月12日(水曜日)夜22時25分から放送された(NHK総合)「総合診療医ドクターG」は、腰痛について。

最終的な病名は「パーキンソン病」だった。徐々に悪化したパーキンソン病によって痛みの閾値が低下し、軽い腰痛を大きな痛みとして感じていたのが原因。

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総合診療医ドクターG番組データ

【放送日時】 2016年10月12日(水曜日)よる10時25分(50分)
【再放送】 2017年2月8日(水曜日)午前2時30分(50分)
【放送局】 NHK総合(NHK G)
【番組副題】 腰が痛くていたくて
【司会】 浅草キッド(玉ちゃん 水道橋博士・54歳=ぎっくり腰に悩まされている) 山瀬まみ(成人した途端に腰痛と付き合っている) いとうせいこう(Twitterで腰痛注意報を出している程の腰痛持ち)

今回のドクターG「生坂政臣」先生

今回のドクターGは生坂政臣(いくさか まさとみ)先生。千葉大学医学部附属病院の先生でドクターGへは何度も出演している。

今回の主訴「腰痛」は患者さんの中でも特に多い訴え。多いだけにそこから原因を突き止めるのは難しいと生坂政臣先生。

スタジオゲスト、いとうせいこうの友人は何時も腰が痛い腰が痛いと言っていたが、最終的には「大腸がん」だった。その友人はすでに亡くなったという。

(※書記は、池上亜希子先生・千葉大学医学部附属病院)

今回の研修医たち

  • 伊藤孝助(いとうこうすけ) … 大阪医療センター 研修医
  • 宮田依未子(みやたえみこ) … 福岡県 製鉄記念八幡病院
  • 高野敬佑(たかのけいすけ) … 長野県 信州大学医学部附属病院

患者「倉田実千代さん」71歳の主訴

「腰が痛くて痛くて」

倉田実千代さん(71歳・主婦・仮名)は、10年前の60代のころは普通に歩けたが、だんだん腰痛がひどくなり、普通に歩くのもままならない状態となってしまった。近所の医師からは「お年を召されているのでしょうがない」と言われる始末だが痛みは強く日常生活に支障をきたしている。

  • 痛みは、ここ3年位からはじまった
  • 重い痛み
  • 最近どんどん痛みが強くなっている
  • 近所の病院では「2ヶ所の圧迫骨折」していると言われた
  • 骨粗しょう症がある
  • 医師には、足腰が弱るので歩いて下さい。と言われ、毎日20分歩くようにしていた
  • 薬(痛み止め+骨粗しょう症の薬)も、言われた量を毎日飲んでいる
  • 良くなるどころかだんだん痛みが強くなる
  • 結局2軒病院を回ったが、痛み止めを変えただけで薬は最初の内だけしか効かない
  • 痛みが強くなるのは、立ったり歩いたりするとき。寝ている時は楽
  • 痛むのは腰だけでなく、肩や手や足もつらい
  • ここ数年で家事が出来なくなった
  • 最初に出来なくなったのは洗濯物を干すこと。左の肩や腕が痛くなった
  • 足の痛みは、肩や腕の少しあとに痛くなった。(2ヶ月前)
  • 散歩して夫と一緒にスケッチをしていたが、痛みが酷くそれも出来なくなった
  • これまで大きな病気は無し
  • 食欲はあり、体重も変わらない
  • 夜中に目が覚めるが、天井を見ているといつの間にか寝ている
  • 寝付きは良い
  • バイタルデータに問題はない(体温…36.4、血圧…130/78、脈拍…60)

番組中に登場した疑わしい病気

骨粗しょう症による骨折

「骨粗しょう症」とは、骨に鬆(す)が入ってもろくなる病気のこと。

原因は、ホルモンバランスが崩れることや骨の病気によって発症する。

骨粗しょう症にともなう圧迫骨折は、自分の体重だけで変形する場合もあり、3分の2の患者さんが痛みを訴えない。

痛みを感じないのは、長い年月を掛けて徐々に変形するので、神経をあまり傷めないからだという。

【研修医】多発性骨髄腫

研修医の、伊東孝助先生と、宮田依未子先生、の最初の診断。

「多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)」とは、ガンの一種

骨の中にある骨髄の細胞ががん細胞に変化して骨を溶かす。痛みがあり、骨粗しょう症の原因ともなる。

脊椎や肋骨などに発症することが多く、食欲不振や体重減少が起こる。

決して珍しい病気ではなく、高齢者で難治性の腰痛を訴える場合は必ず”多発性骨髄腫”を考えておくと医師も勉強している。

ただし、実千代さんの圧迫骨折は、2箇所で数年前から増えていない。

多発性骨髄腫による圧迫骨折ならば、数年経てば骨折箇所がさらに増えるはずなのでこの病気には当てはまらない。(※倉田さんは2年経っても骨折が増えない)

【研修医】リウマチ性多発筋痛症

研修医の、高野敬祐先生の最初の診断。

リウマチ性多発筋痛症(りうまちせいたはつきんつうしょう)とは、全身に痛みが出る原因不明の病気。

高齢者に多い。特に太い筋肉に炎症が起きて「肩」「首」「腰回り」に痛みが出る。

突然痛みが出るが、発症から2週間程度でそれ以上は悪化しなくなる。

2週間後は痛みは横ばいになる。

ただし実千代さんの痛みは3年前から徐々に悪化している。「痛みが横ばい」になっていないので、リウマチ性多発筋痛症とは考えにくい。

【ガッテン代表?の山瀬まみ】 線維筋痛症

NHKの健康番組「ためしてガッテン」に長く出演していた、山瀬まみは流石に病名に詳しく、「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」の病名を追加した。

ドクターGの生坂政臣先生も「それを言っちゃいますか!」とびっくり。

線維筋痛症とは、全身の筋肉に痛みが出る、原因不明の病気。トリガーポイントと呼ばれる、押して飛び上がるほど痛い「圧痛点」が全身18箇所あり痛みが現れる。

ただし、トリガーポイントは「腰」「顔」には無いため「顔が痛い!」「腰が痛い!」という人は、線維筋痛症ではない。

内臓全般の病気による腰痛の場合

今回の症例で、内臓全般の病気による腰痛を考えると考えにくい点は、「労作時の痛み」

労作時(ろうさじ)の痛みとは、洗濯物を干すなどの動作をした時の痛みがあるかないか。

何か動作をした時にその部分を動かすと悪化して痛くなるのは「骨や筋肉」に病変があることを示している。

もしも「内蔵」に病変がある場合は、身体を動かしても動かさなくても痛みには変化がない。

実千代さんの場合は、安静時に痛みがなく労作時の痛みがあるため「内蔵に病変がある」とは考えにくい。

労作時の病気はほぼ整形外科の領域となる。

「関節」の病気の可能性はあるのか?

関節に炎症が起き、水が溜まって腫れると痛みが出る。人間の身体には腫れを抑える仕組みがあり、血液を通して水を回収する「循環」が行われている。

循環を良くするには、関節を動かすこと。このため、起きて活動しているときには関節がよく動いて痛みは早く収まるが、寝ているときは関節を動かすことがないため痛みは浮腫んでいる「目覚めた時」に一番大きく出る。

実千代さんは、朝起きたときも痛みは出ないことから、「関節の病気ではない」と考えられる。

また、ここまでで「骨」「内蔵」「筋肉」「関節」の全てで説明できる病気が見つからない。

痛みの感じ方について

痛みの刺激は、脳につながっている。

痛みには「閾値(いきち・痛みのボーダーライン)」が設定されており、この閾値を超えた時に「痛い」と感じる。

ところがいろいろな問題でこの閾値が下がってしまい、今まで感じなかった刺激でも「痛い」と感じてしまうようになることがある。

疼痛性障害(身体表現性障害)とは?

研修医の宮田先生が提案。

身体表現性障害(しんたいひょうげんせいしょうがい)とは、身体症状症とも言い、繰り返し検査を行っても原因となる症状が見つからないのに様々な症状が出る場合を言う。

この内、強い痛みが全面に出る症状のものを「疼痛性障害(とうつうせいしょうがい)」という。

この病気の患者は痛み止めの効きが悪く同じ薬を飲み続けることは少ない。

介護、いじめ、育児、学校、人間関係、仕事、家事などなんらかの社会的なプレッシャーによって「治りたくない」という意識が潜在的に働いていて「副作用が怖いから」と薬を飲まないケースが多い。

しかし、実千代さんの場合、助かりたいという意識が働いているため薬を飲み続けたり、歩くことも実践していた。

したがって、身体表現性障害の可能性も低い。

骨格の変形は一生戻らない

骨粗しょう症の圧迫骨折によって骨の変形が進み、腰が曲がる。

背骨は一旦変形するともとに戻すことは出来ない。

一生曲がったままとなり、仰向けに寝ることが困難になる。

重症筋無力症

重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)は、脳からの命令が筋肉に上手く届かなくなることで脱力を起こす病気。

例えば腰への命令が届かなくなり背骨を支える筋力が脱力すると腰が曲がる原因となる。

パーキンソン病

パーキンソン病とは、筋肉をスムーズに動かすためのドーパミンが減少する病気。

脳の「黒質」という部分からのドーパミンが減少することが原因。

筋肉のこわばり、痛み、手足の震え、動作の緩慢、姿勢保持障害などが起こる。

自律神経の障害で顔に湿疹ができることもある。

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再現ドラマの続き

ここまでで病名の判断がつかないため、「実千代さんがいつも腰を曲げている」という症状に注目することになった。

腰が曲がる症状について再現ドラマの続きが紹介される。

  • 右肩と左肩どちらが先に痛くなった? …左から痛みがある。足も左から
  • 味や臭いを7年前から感じにくい状態
  • 夜中にはっと目を覚ます。そのときには怖い夢を良く見ている(絵手紙を書いていたら血がポタポタ天井から落ちてきて、黒い幽霊に追われる夢)
  • 8年前煮物を焦がして気づかない(嗅覚障害による)

最終診断結果「パーキンソン病」

ドクターGの最終診断は、パーキンソン病だった。

パーキンソン病の場合、病気になる5年から10年前に嗅覚障害が現れる事がわかっている。

これはレビー小体が、嗅覚を司る嗅球(きゅうきゅう)に沈着するため。

ドーパミンが少なくなると痛みを抑制することがしにくくなり、普段痛みと感じない腰痛などが「痛い!」と強く感じるようになる。(痛みの閾値が低くなる)

さらに決定的なことが診断中に解った。それは実千代さんは歩行時に手が震える「安静時振戦(あんせいじしんせん)」が出たことだった。

モハメド・アリはパーキンソン病だったが、オリンピックの時に聖火を持っていない方(意識が行かない)の手が激しく震えていた(安静時振戦)。

腰痛で来た、実千代さんだったが最終的な原因は「脳」にあった。

意外なところに病はひそんでいるため、違う観点からアプローチしてくださいと生坂政臣先生だった。

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総合診療医ドクターG反響ツイート

https://twitter.com/chibadaibyoin_n/status/785987739019714561

https://twitter.com/ladypochiko/status/786210822657748993

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まだまだ終わらない「総合診療医ドクターG」

次回は11月16日(水曜日)よる10時25分。三大疾病スペシャル「ガン」「心臓病」「脳卒中」。初の心臓外科医が登場する。

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