今日のチョイス「栄養失調」
2016年4月30日(土曜日)午後8時から放送の「チョイス@病気になった時」は、飽食の時代の現代でも知らず知らずのうちに「隠れ栄養失調」になっていることがあるという、ある患者さんの症例を元に「アルブミン不足」などの実態を紹介。
チョイス@病気になった時出演者
【案内人】 八嶋智人 大和田美帆
【チョイスコンシェルジュ】 中條誠子(NHKアナウンサー)
【スタジオ医師】 熊谷修(人間総合科学大学教授)
【語り】 佐藤真由美
今日のチョイスを要約すると
- 隠れ栄養失調 … 肉などのタンパク質が不足しアルブミン欠乏になる
- 10食品群チェックシートで多様な食材を摂るように意識できる
現代の「栄養失調」について
今は、高齢者の4人に1人が何らかの栄養失調になっているという。「えーっ」と驚く八嶋智人と大和田美帆。
渡辺静江さん「急性腎盂腎炎」
渡辺静江さんは、去年まで大きな病気とは無縁で過ごしてきた主婦。好き嫌いがなく食べることが大好きな女性でした。
去年の暮体調に変化が…。
最初は「寒い」「だるい」「悪寒」「不眠」などの風邪の初期症状のよう。
しかし、病院へ行くと診断は「急性腎盂腎炎(きゅうせいじんうじんえん)」だった。
急性腎盂腎炎とは?
左の腎臓が感染症になり大きく腫れた。これを放置すると必ず死ぬよといわれ即入院。
医師からは、栄養失調ですと言われびっくりした。
こんなに太っている(身長154cm、体重75kg=BMI 31.6)のに栄養が足りないってどういうこと?と不思議に思った。
渡辺さんの栄養失調の原因は?
(VTR登場:門脇秀和さん(島根県済生会江津総合病院内科部長))
入院中、血液検査をすると渡辺さんには「アルブミン(タンパク質からとれる)」が足りなかった。
アルブミン不足で免疫細胞が作られず、免疫力が低下して腎盂腎炎になったと考えられた。
さらにアルブミンは、筋肉や血管も作るので不足すると転倒(筋肉不足)や脳卒中(血管がもろくなる)が起きる。
これまでの食生活ではカロリーは取れているが、タンパク質が取れていなかったことがかわった。
渡辺さんは肉料理が苦手だった。管理栄養士から栄養指導を受け毎日の食事を改善タンパク質を取るため牛肉を食べるように工夫した。
血液中のアルブミン値は、50歳代以上の場合、4.3以上なくてはいけない。
アルブミン不足を予防する
アルブミン不足を予防するには、肉を食べることが重要。
タンパク質を補いアルブミン不足を的確に解消できる。
アルブミン値をあげるには、ささみよりも牛肉のほうが良い。牛肉の中の「飽和脂肪酸(アルブミンを作り出すエネルギーとなる)」を一緒に摂ることでより確実に作りだすことができる。
ささみにはエネルギーになる油が少ないので、脂身のある肉(豚肉、もも肉)のほうが良い。
魚の油はエネルギーになりにくい。
コレステロールはむしろ大切
コレステロールは体のつくりには大切。コレステロールが高いと心臓病の心配があるが、60歳代以降はむしろコレステロールが少し高めのほうが心臓病のリスクが低くなると、熊谷修先生が話した。
「粗食が良い」は間違いだという。
そういえば、長生きするおじいさんおばあさんはお肉を食べる人が多い。
無理せずタンパク質と摂る方法
「10食品群チェックシート」という表がある。
これは、いろんな種類の食材がとれているかをチェックするシート。
- 肉
- 卵
- 牛乳(チーズなど乳製品)
- 油
- 魚
- 大豆
- 緑黄色野菜
- 芋
- 果物
- 海藻
が毎日摂れているか、食べた材料にチェックマークを付けてゆくもの。
秋田県大仙市ではこのチェックシートを活用し、アルブミン値が不足しないようにしている。
「10品目チェックシートPDF」ダウンロード
http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/10hinmoku.pdf
肉を食べるとストレスに強い体を作り出すことができる「心の安らぎ」が生まれるという。ボリューム感がある肉を食べるようにするとよい。
若い女性「松本さん」の場合
OL生活で忙しい毎日。大学を卒業したての頃体調の不良を感じた。
- 体がつかれた時に手先が震える
- 吐き気
- めまい
内科や耳鼻咽喉科にかかるが、毎度原因不明でおつかれですねと言われるばかり。
最後には精神面でも不調を訴えるようになり、電車内でパニックになるように。5年間で10件もの病院に行ったが原因はわからなかった。
最後に訪れた病院「新宿溝口クリニック(院長:溝口徹)」にて血液検査をしたところ「アルブミン不足」「ビタミンB不足」が判明。
食事を改善し、仕事に疲れても自炊して、ビタミンBが多く取れる豚肉などを工夫して摂るようにした。その結果徐々に不調が消えたという。
20代の場合は、アルブミン値は「男性 4.8」「女性 4.6」が目標値。高齢者よりも高いがこれくらいないと活動出来ない。
「タンパク質不足」⇒「ストレス負荷」⇒「ビタミンB消費」の悪循環でストレスに耐えられなくなったと考えられる。
さらに、松本さんは鉄不足、亜鉛不足もあったという。亜鉛も鉄も、動物性のタンパク質に含まれている。
隠れ栄養失調ベストチョイス
- 脂身の入ったおいしい肉をしっかり食べる
- 10食品群チェックシートで多様な食事をとる
チョイス@病気になった時反響ツイート
「隠れ栄養失調」が増え始めている。
— 猫乃 しゅうむ (@autumn_dream) 2016年4月30日
今まで気付かれていなかった。いずれの年齢層でも結構あることが分かってきた、らしい。
https://twitter.com/kaokaokaoruchan/status/726370761561219074
https://twitter.com/reika_eitodoa/status/726374703623888897
隠れ栄養失調
— momosihooゆのD-DAY🐝 (@ad29a266f694440) 2016年4月30日
たんぱく質不足
ビタミンB不足
鉄不足
亜鉛不足
隠れ栄養失調 アルブミン値なんて今まで気にしたことなかったよ💧💧そういえば 手術後にアルブミン製剤の点滴ぶら下がっていたなぁ。
— はる (@haruruaj2027) 2016年4月30日
次回のチョイス@病気になった時は…
次回は、パーキンソン病。土曜日よる8時放送。Eテレ。
前回のチョイス@病気になった時は…
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