ブラタモリ「奄美の森」
2017年3月25日(土曜日)放送の「ブラタモリ」は、奄美の森を探索。
鹿児島市から南に約350kmの場所にある奄美大島は、南西諸島の中で沖縄本島に次いで二番目に大きな島。
気候が温暖なため南国リゾートとしても人気のこの島は「2018年世界自然遺産」への登録を申請中…。島がなぜ生き物の王国となったのかを探るべくブラブラ歩いて解き明かす。
ブラタモリ番組データ
【放送日時】 2017年3月25日(土曜日)よる7時30分(45分)
【放送局】 NHK総合
【ロケ地】 鹿児島県奄美大島
【ロケ日】 2017年2月8日頃 目撃情報⇒(1)(2)(3)
【司会】 タモリ 近江友里恵(アナウンサー)
【ナレーション】 草彅剛
【オープニングテーマ曲】 女神(井上陽水)
【エンディングテーマ曲】 瞬き(井上陽水)
テーマ「なぜ奄美は生き物の楽園!?」
奄美大島には45年前に来たことがあるというタモリ。旅行でぶらりと鹿児島まで来たが寒いので奄美大島までやってきたという。
今回のテーマは「なぜ奄美は生き物の楽園!?」。
ここで登場した案内人は、服部正策さん(東京大学特任研究員・実験動物額)。
奄美大島には、アマミノクロウサギ、アマミイシカワガエル、アマミヤマシギなど固有種(その地域にしか居ない動植物)が多いという。
- 奄美大島 … 固有種:植物124種、動物29種(面積:11,544ha)
- 知床(世界遺産) … 固有種:植物0種、動物0種(面積:71,100ha)
- 小笠原 … 固有種:161種、動物4種(面積:7,939ha)
- ガラパゴス … 固有種:植物243種、動物103種(面積:13,325,500ha)
…と、面積の割にとても固有種が多いのがわかる。
探検の前に『ハブよけ』の準備を!
奄美大島に多く発生する猛毒の蛇「ハブ」。大きなものは全長2メートルにもなり、噛まれると死に至る。牙は注射針のように先端に穴が空いておりそこから毒液を出す仕組みになっている。
猛毒は、血液に入り込み血管の壁を壊す作用と筋肉を溶かす作用がある。
タモリ達もハブに噛まれないように万全の体制で望む。
ホームセンター「ビッグⅡ」へ
奄美大島のホームセンター「ビッグⅡ(ビッグツー)」へやってきたタモリ一行。
センターには、ハブを獲る「ハブ取り棒(4,743円)」が販売されていた。
実はハブは行政で、1匹3,000円で買い上げてくれる。ただし生きている事が条件。
捕まえたハブは、駆除・生態調査・治療薬研究のために利用されていた。年間3万匹以上のハブが買い取られているという。
ハブへの恐怖が固有種の楽園を生んだ?
人がハブを怖いと思う気持ちが、奄美大島を動物の楽園にしたと言う。
「南東雑話」という資料(江戸時代の奄美大島の暮らしを描いた資料・奄美市立奄美博物館 所蔵)には、ハブに噛まれ今にも自分の足を切断しようとしている絵などハブへの恐怖が描かれていた。
このように奄美の人々は昔からハブの恐怖と隣合わせだったため、みだりに森に入らなかった。
このことが他を寄せ付けない固有種の楽園になった一因だろうと服部さん。
奄美自然観察の森
奄美自然観察の森へ。ここにも「ハブに注意!」の看板がある。タモリ一行は警戒しつつ森林公園へ入る。
ここから案内してくれたのは、奄美自然観察の森 自然観察指導員の川畑力さん。川畑さんもハブに噛まれた経験があり、3日は痛みで眠ることも出来なかったと語った。入院してからようやく歩けるようになったのは三ヶ月後だったという。
森に入ってすぐ、「オオバカンアオイ(固有種)」を発見。絶滅危惧種に指定されている貴重なものだった。
1mの大きさの仲間を増やすのに、なんと100年もの歳月を必要とする。環境の変化がない場所では長い期間をかけて増えてゆく。タモリ一行が生きているうちに増えるところを見ることはない。
実際にルリカケス(固有種・国の天然記念物)の姿をカメラにおさめる事ができた。また、ズアカアオバト(青い色の鳩)の鳴き声も聞こえる。
ルリカケスは、カラスの仲間でとても頭がよく、人間が攻撃しないことを知っている。そのため、自分たちの巣を人間が近づく低い場所にわざと作り、人間が近づくことを利用して他の動物から巣を守っているという。
奄美大島の地形と固有種について
ブラタモリ首里の回(2016年2月27日放送)に登場した、琉球大学の尾方隆幸さんが再び合流した。
森の展望台へ到着するととても見晴らしがいい。遠くに「喜界島」が見える。
「喜界島」はとても平べったい島で、「隆起サンゴ礁段丘」とよばれる地形になっている。
喜界島は、およそ10万年前サンゴ礁が隆起して出来た比較的新しい島。そのため生態系も新しい。
一方、奄美大島はサンゴ礁が隆起したのではなく、もともとあった中国大陸の一部だった。
およそ1,000万年前までは沖縄や台湾、中国大陸まで陸続きだった大陸が、大きな地殻変動で分割され、部分的に海に沈み海水面も変化、残されたのが奄美大島や沖縄、台湾だった。
奄美大島は、太古の昔から海の上に出ていて古代の生態系がそのまま残されている。
奄美大島の固有種は元々は中国大陸に居たが、大陸に居た固有種は他の肉食獣などに食べられ全滅、奄美大島が大陸から分かれて海の孤島として残ったため固有種もそのまま残された。
奄美大島で外敵に襲われること無くそのまま生きた固有種たちは進化せず、今もそのままの姿を留めている。
例えば、アマミノクロウサギはウサギなのに耳が短い。これは外敵が居なかったため(耳が長くなくてよかった)と言われている。
奄美大島中部へ「陸と海のキワ」
タモリと近江友里恵アナがカヌーに乗り込み、一路マングローブの林へ。
ガイドの中岡省吾さん(黒潮の森 マングローブパーク エコツアーガイド)が案内した。
二人はカヌー初体験。三人乗りのカヌーに乗船して淡水と海水が混ざる場所(汽水域)へ。
マングローブとは、特定の木の名前ではなく、汽水域に生える植物の総称のことだった。
(※今回はここまで・マングローブ編は次回へ続きます)
ブラタモリ反響ツイート
ピコタモリwww#ブラタモリ pic.twitter.com/10PGy1ywEr
— キョン様クジパンLOVE (@kxiaogquanhaoh2) 2017年3月25日
https://twitter.com/TtuQueen/status/845590210184298496
今回は「琉球列島」を使用。ベストは「琉球弧」であることで意見は一致していたものの、これを使うと早い段階で「島弧」の説明も必要になること、音声にした時の理解のしやすさなどから、ほぼ同義の「琉球列島」で妥協。行政地名である「南西諸島」は私が認めませんでした。 #ブラタモリ #奄美
— Takayuki Ogata (@s15taka) 2017年3月25日
ハブに噛まれたことがあるという案内人さん…「火箸で刺されるような痛みで3日間は一睡もできなかった。まともに歩けるようになったのは3ヶ月後。」タモリさん「早く出よう。一刻も早く奄美を出よう」(笑) #ブラタモリ
— azukKi (@azukki_) 2017年3月25日
「タモさん、そう言わずに」とか剛さんナレしてるけど、もしロケで来てたら「ハブちょー怖ぇぇぇ、歩きたくねぇーー、早く帰りてぇぇぇ」と言うであろう草彅剛。#ブラタモリ
— yuu (@yukidongurinko) 2017年3月25日
奄美大島と喜界島の地形:「谷や尾根が複雑に入り組んでいて、奄美大島が『山がちな島』だとわかりますよね」「その一方で・・・隣にある喜界島は『平らな島』ですよね」「この島と奄美大島の成り立ちを比較すると、なぜ奄美に固有種が多いのか、その理由がわかるんです」 #ブラタモリ #奄美
— Takayuki Ogata (@s15taka) 2017年3月25日
奄美大島と喜界島の地史:「平らな島である喜界島は、およそ10万年前、サンゴ礁が隆起してできた、比較的新しい島です」「一方、山がちな奄美大島は、どのようにできたんでしょう?」「奄美大島は、もともと大陸の一部だった、とても古い島なんです」 #ブラタモリ #奄美
— Takayuki Ogata (@s15taka) 2017年3月25日
琉球弧の地史(その1):「およそ1千万年前、いまの琉球列島があるところは、ユーラシア大陸の東の縁でした」 #ブラタモリ #奄美
— Takayuki Ogata (@s15taka) 2017年3月25日
奄美大島の地形:「ちなみに、古い島が山がちなのは、長い時間をかけた隆起と侵食があり、山あり谷ありの地形がつくられたからなんです」 #ブラタモリ #奄美
— Takayuki Ogata (@s15taka) 2017年3月25日
草なぎさんのナレーションの真意は「隆起しながら侵食され」である。これは言うまでもなく、デービスの「地形輪廻」に対して一石を投じたもの。これをきっかけに地理教育における地形の解説を更新していただきたいという地形学者の思いを、ナレーションに託してあります。 #ブラタモリ #奄美
— Takayuki Ogata (@s15taka) 2017年3月25日
次回のブラタモリは「奄美の海」
次回はマングローブの森へ潜入。奄美の海の自然を探索する。4月1日(土曜日)よる7時30分放送予定。