NHKスペシャル シリーズ 人体 プロローグ「神秘の巨大ネットワーク」
2017年9月30日(土曜日)放送された『NHKスペシャル シリーズ 人体 プロローグ「神秘の巨大ネットワーク」。
合計8回のシリーズとして放送されます。司会のタモリさんは28年前(1989年)のシリーズ「驚異の小宇宙 人体」でも進行役として登場していました。あれから28年…最先端の科学によって判明した「人体の巨大ネットワーク」についてより鮮明な映像とともに紹介されます――。
NHKスペシャル人体番組データ
【放送日時】 2017年9月30日(土曜日)21:00~22:00
【放送局】 NHK総合
【放送副題】 「人体 プロローグ「神秘の巨大ネットワーク」」
【出演】 タモリ 山中伸弥 石原さとみ 博多大吉
【司会・語り】 久保田祐佳
今日の「人体プロローグ」はこんな内容!
- タモリさん、石原さとみさんが登場!ブラタモリで一緒だった久保田祐佳アナも登場しました
- 癌治療に使う体内の”メッセージ物質 ANP”が画期的な効果!
- たった1滴の血液で13種類の癌が早期発見可能に!?
- リウマチの新薬で人生に明るい未来が芽生えた女性
新開発の顕微鏡で人体の会話を観察?
アメリカにある世界最大の医学研究所「ハワード・ヒューズ医学研究所」。
ここに顕微鏡開発でノーベル化学賞(2014年)を受賞した「エリックベツィグ」さんが居ます。
エリックベツィグさんが開発したのは「格子光シート顕微鏡」。この顕微鏡を使えば生きている100分の1ミリにも満たない免疫細胞などの活動を立体的にわかりやすく捉えることが出来ます。
さらに日本の自治医科大学(栃木県・西村智先生)でも、新開発の8K撮像素子(ハイビジョン映像のさらに16倍の視野)を使った広視野の顕微鏡が開発されていました。
従来の狭い範囲の映像とは違いとても広い視野で”体の中の驚くべき世界”を見ることが出来ます。現実の映像を目の当たりにすることで従来の常識が崩れるでしょう。
ANP…「がん」の転移を防ぐ大発見!
大阪吹田市の国立循環器病研究センター。
寒川賢治先生は体の中を分子レベルで解析する研究の世界的権威です。脳だけが出すと思われていた”メッセージ物質(ホルモン)”は、実は臓器同士が脳を介さずに勝手にやり取りしていることを発見しました。
心臓のメッセージ物質「ANP」とは…
例えば、心臓にもメッセージ物質ホルモンを出す機能があり、ANPと呼ばれます。
ANPは、心臓が運動などが原因で血圧が上がり疲れた時に「しんどい…」というホルモン(ANP)を大量に出します。
ANPは血管を通って全身に運ばれ、尿を作る腎臓に到着。
腎臓に心臓のメッセージが伝わると、尿の量を増やします。体の外に水分を出して血液の量を減らし、心臓の負担を軽くするためです――。
このとことから、血管は情報伝達を行うための情報伝達回路でもありました。
国立病院機構 刀根山病院(大阪)
その後、ANPは癌の薬としても使われるようになりました。この発見は”がん治療の革命”と言われています。
ガン手術の際にANPを投与すると、その後の再発や転移を大幅に抑えることが出来るというのです。(国立循環器病研究センター 野尻崇先生)
この劇的な効果は、ANPが全身の血管に作用することで得られるとのこと。
血管にもANPを受け取る装置が備わっていて、ANPがやってくると血管の内壁に傷があれば修復を開始します。そのことで血流をスムーズにして心臓の負担を少しでも軽減しようとします。
この性質を利用し、癌手術時にANPを薬として投与、血管の傷を修復します。
手術の影響で体の中を流れる残ったがん細胞が血管の傷に取り付くのを防ぎ転移が起きないようにします。
アメリカ国防総省(DARPA)
アメリカ国防総省(DARPA)は、インターネット発祥の地です。このDARPAで今人体ネットワークについての研究が盛んになっているとのこと。
リンガイソンさん(アメリカ国防高等研究計画局)は、人体のネットワークを知ることで新薬の開発に革命をもたらすと言います。
マサチューセッツ工科大学やハーバード大学と協力し大規模な計画が実行される予定です。
1滴の血液でまるわかり!13種類の癌を早期診断
日本の国立がん研究センターでも落谷孝広さんがリーダーを務めるグループが判定精度95%以上という「癌の早期診断システム」を開発しました。
これまでのがん検診は、癌の種類によって異なる診断装置を使い体の負担の大きなものもあって早期発見が難しいものでした。
ところが、一滴の血液によって13種類の癌を早期に診断できるという画期的な検査手法です。
- 神経膠腫(しんけいこうしゅ)
- 食道がん
- 肺がん
- 乳がん
- 肝臓がん
- 胆道がん
- 前立腺がん
- 肉腫
- 胃がん
- すい臓がん
- 大腸がん
- ぼうこうがん
- 卵巣がん
この検査で調べるのは血液を巡っている”メッセージ物質「エクソソーム」”です。エクソームは、なんと癌細胞が発するメッセージ物質(直径1万分の1ミリ)です。
エクソソームはがん細胞の重要な武器で、仲間のふりをして脳などのがん細胞が入れないエリアに侵入し、そこでがん細胞が通れるような司令を出します。
ガン細胞が通れるようになった場所では増殖が始まってしまうのです。
このエクソソームを逆に利用して癌の早期診断に結びつけようというのが、落合先生が薦める「癌の早期診断システム」です。
実は、癌の種類によってエクソソームは異なる形をしているため簡単にどこで潜んでいるがん細胞なのか知ることが出来ます。
国民の多くの方がこの診断を受けるようになれば早期発見によってガンによる死亡を減らすことが出来ると落合先生。3年後の実用化を目指しているとのことです――。
撃退!免疫の大暴走 人生を変える最先端治療
清水絵美さんは小学5年生の頃から深刻な関節リウマチと戦っています。…原因は体内メッセージの伝達異常でした。
関節内の免疫細胞が居もしない敵を知らせるアラート(メッセージ物質:TNFα)を発し続け、自分で自分の関節を敵と勘違いし攻撃し続けて破骨細胞が骨を破壊するのです…。国内の患者数はおよそ70万人。
新薬の登場によってリウマチの進行が止まった!!
清水さんの人生が変わったのは4年前の新薬の開発(生物学的製剤)によってでした。
東京医科歯科大学生涯免疫難病学講座教授の 森雅亮先生によれば、TNFαにくっついて誤ったメッセージ物質をブロックする働きの新薬によってリウマチの進行を止められるようになるそうです。
清水絵美さんは現在諦めていた”子どもを持つ”という夢を実現できました。
司会の山中教授も30年前は整形外科医で最初に担当したのが関節リウマチの患者さんでした。当時は為す術が無かったといいます。「30年でここまで来るんだ!本当に今が夢のようです。」と山中教授。
(※2017年9月30日放送より)
シリーズの紹介
- 第1集 … ”腎臓”が寿命を決める…尿を作るだけと思ったら大間違い?(2017年10月01日・夜9時)
- 第2集 … ”脂肪と筋肉”の会話がメタボを治す(2017年11月5日・夜9時)なぜダイエットに失敗するのか?その最新研究について――
- 第3集 … 発見!”骨”が若さを呼び覚ます(2017年12月3日 ・夜9時)…ただのカルシウムの塊ではありません!骨は若さを保つメッセージを出している?脳の衰えを防ぐ――
- 第4集 … アレルギーの鍵は”腸”にあり。(2018年1月7日・夜9時15分)…つらい花粉症や食物アレルギーの本当の原因とは?
- 第5集 … 徹底解剖!ひらめく”脳”の秘密(2018年2月4日・夜9時)…コンピュータには真似出来ない脳の驚くべき世界について。アルツハイマー病の克服など――
- 第6集 … 生命誕生・あなたを生んだミクロの会話(2018年3月18日・夜9時)…赤ちゃんと母親との神秘的なメッセージとは?
- 第7集 … 人体は謎に満ちている(2018年3月25日・夜9時)…がん細胞が出すメッセージ物質「エクソソーム」が人類の進化に関わっている?
人体連動企画ホームページ「人体Web」
nhk.jp/jintai
(※2017年9月30日放送より)
NHKスペシャル人体「プロローグ」反響ツイート
【今夜放送Nスペ「人体」 あなたの健康常識がくつがえる!?】最新科学が明らかにした人体の神秘を知ると、病気や体への向き合い方が大転換するかも!シリーズ「人体」は9/30(土)と10/1(日)2夜連続で夜9時から放送 https://t.co/WUq4wcruer pic.twitter.com/YLM220Ag1b
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2017年9月30日
Nスペ、人体。
— お ふ み @ # ハ イ セ ン ス マ イ ノ リ テ ィ ー (@BENI_rainbow) 2017年9月30日
コレが来年の国立科学博物館に繋がるのか。
ニコニコでNHKスペシャルの担当ディレクターが解説実況中‼️
— ニコニコドキュメンタリー (@nicodocs) 2017年9月30日
Nスペ人体×ドラマ「コンデラタロウ」で"腎臓"役で出演の #松井愛莉 さんも、ドラマ制作の現場からビデオ出演😍
テレビでNスペと二窓でご覧ください📺
ただいま放送中 ⇒ https://t.co/5t5i84LFft https://t.co/To3wXXL9QG
心臓ホルモンによるがん転移抑制効果についての多施設臨床研究(JANP(ジャンプ)スタディー)開始 — リソウ https://t.co/Nd4RWcVtjM #nhk #nhkスペシャル #nスペ #人体
— 好古真之 (@yoshiful_saney) 2017年9月30日
がん細胞、だまして入りこむとか怖いわ…。
— サチコ (@p_o_panda) 2017年9月30日
でも、それを逆手にとって早期発見出来るなんて、考える人がすごい。#人体 #Nスペ
https://twitter.com/itoaoi51/status/914108811824078849
Nスペの『人体』プロローグを見てた。すごく興味深いし面白かった。臓器内部のCGがミクロレベルの再現度で美しすぎたり、出演陣が豪華だったり。これから楽しみ。
— Megtan (@Megtan59) 2017年9月30日
Nスペの人体見てて、28年前の「驚異の小宇宙・人体」シリーズを見てたことを懐かしく思い出した。内容もすごくて子供心にすごく感動したし、久石さんの音楽も大好きだった。サントラを持ってたから曲も全部覚えてる。
— 西乃まりも (@marimobomb) 2017年9月30日
Nスペの人体で生物学的製剤の話をやったんだ。クッソ高いだけあって、まあ効くよ。でも高すぎて使い続けられないよね。
— 馬鹿野くろ (@vacakuro) 2017年9月30日
『Nスペ・人体』プロローグ。28年前の自分の映像を見てタモリ「以前の画像を見るのは嫌なんですよね、僕は。なんかやってやろうっていう野心に満ちてますからね」
— てれびのスキマ/戸部田 誠 (@u5u) 2017年10月1日