NHKスペシャル「地震予測に挑む」
2016年9月11日(日曜日)よる9時からNHK総合にて放送された「NHKスペシャル MEGA CRISIS(メガクライシス)」は、地震予測についての特集だった。
巨大地震。次は何時どこで起きるのか?2度の大きな揺れに襲われた熊本の地震。日本は新な地震活動期に入ったのか?深い海の底で最先端技術を駆使した観測網。統計学者もかつて無い地震予測を考え出した。それは「天気予報」のように毎日の地震予報が出来るという!?
メガクライシス第2集番組データ
【放送日時】 2016年9月11日(日曜日)よる9時(60分)
【放送局】 NHK総合(NHK G)
【番組タイトル】 巨大危機 MEGA CRISIS 脅威と闘う者たち 「第2集 地震予測に挑む ~次はいつ どこで起きるのか~」
【司会】 有働由美子(アナウンサー)
【語り】 武田真一
【日本地震学会】 山岡耕春
遠田晋次教授の「地震の火種」とは?
全国には2千を超える活断層がある。今度の活断層で新たな地震がおきるのか?これを予測する研究が熊本の地震をきっかけに始まった。
東北大学 災害科学国際研究所の、遠田晋次教授は地震を起こす火種に注目。
トルコ北部を1000キロにわたって貫く「北アナトリア断層」。
1999年8月には「イズミット地震(M7.6)」、3ヶ月後の11月には、すぐ東側で「デュズジェ地震(M7.2)」が起きた。
いずれも同じ北アナトリア断層で起きており、地震は連鎖していると注目している。
遠田晋次教授は、熊本の2度の地震もこの「火種」から連鎖したのではないか?と考えられている。
- 4月14日 … マグニチュード6.3
- 4月16日 … マグニチュード7.3
遠田先生は、「もしかしたら更に遡れば、この2つの地震の火種はすでに存在していたのでは?」という疑問が生まれた。
それは、「2000年6月のマグニチュード5.0の地震」。
その後も小さな地震が頻発し「小さな火種」が生まれていたという。
これを応用すれば「未来に発生する地震を予測する事ができるのでは?」と考えた遠田晋次教授、すでに研究は始まっていた。
次の地震はどこか?「2箇所の火種を発見」
遠田晋次先生の研究によれば、日本全国で火種を検索した所これまでに2箇所の火種が見つかったという。それは…
- 糸魚川-静岡構造線断層帯が貫くエリア「牛伏寺断層(ごふくじだんそう)」は要注意 … 2011年M5と小さな地震が頻発し火種がある
- (仙台)長町-利府線断層帯。 … 1998年M5と小さな地震が頻発。もしずれれば死者は1,000人と予測されている(仙台市の想定)
南海トラフに異変?迫る巨大地震は…
気になる南海トラフ巨大地震について、有働由美子アナがスタジオゲストの山岡さんに質問した。
山岡さんによれば「熊本の地震」から見ると「ワンステップ先」という見方だった。つまり熊本地震と南海トラフ巨大地震は直接は関連がない。
南海トラフ巨大地震とは?
南海トラフ巨大地震とは、「南海トラフ」という海底の深い溝、今も太平洋側から溝に向かって地球の内部へとずれこみ動いている。
そして歪は溜まり続け、90年から150年に一度、溜まった歪が開放されプレートを跳ね上げる。これが「南海トラフ巨大地震」となるのだ。
南海トラフ巨大地震を予想?
京都大学防災研究所の山下裕亮 助教。
高感度の地震計を設置し、南海トラフ巨大地震に繋がるかもしれない揺れを観測していた。
それは熊本の南にある「日向灘(ひゅうがなだ)」。ここで熊本地震直後、2週間にわたって発生していた。
危ない「スロースリップ」
解析の結果「熊本地震の影響による南海トラフのスロースリップ」だと判明。
スロースリップとは、激しい揺れを起こさずゆっくりと海底がずれる現象で、巨大地震の引き金になると予測されている。
スロースリップは起これば起こるほど、スロースリップが起きていない部分に歪が溜まり巨大地震を発生させる。
東北震災でも、巨大地震の1ヶ月前にスロースリップが発生していたことがわかっている。
今、地球深部探査船「ちきゅう」ではスロースリップの監視を強めている。
荒木英一郎さん(海洋研究開発機構)、石橋正信さん(和歌山県防災企画課)のグループは、海底に観測網「DONET」を設置した。
さらに2016年4月、新型の精密圧力センサーを増設しさらに監視体制のレベルを上げている。
国の想定を元にしたシミュレーション
南海トラフ巨大地震が起きるとどうなるのか?番組では国の想定を元にしたCGによるシミュレーションを紹介した。
- 海底が跳ね上がり大きく隆起 …M9.1
- 激しい揺れが九州から東海までを広く覆う…M7
- 東京でも超高層ビルが大きな揺れに
- 巨大津波が2分半後に和歌山沿岸に到達
- 大阪市内にも津波が到達
- 32万人以上死者が出ると予想
国の試算では、南海トラフ巨大地震は「30年以内に70%」と予測しているが、スタジオゲストの山岡さんは「南海トラフ巨大地震が起きないという可能性は”ない”」と強く断言した。
統計学者による「地震予報」について
統計数理研究所では、尾形良彦 名誉教授のグループが、今までとは全く違う統計学的な「地震予報」という研究が始まっている。
今年8月20日から9月20日までのM4以上の地震発生率の図が紹介された。
和歌山沿岸付近、などで発生率が高い。実際に7月の予報を見てみると「7月17日、7月20日、7月27日」の地震は予報のエリアと合致している。
尾形さんは、昭和元年からの小さな震度を含めた全ての地震データを集め、未来の地震予測をした。
今年8月20日~9月20日までの地震発生予報図
尾形良彦先生による、地震は予報は以下のようになっていた。(M4以上)
- 熊本地方 … かなり高確率
- 島根県南部
- 和歌山県の沿岸 … 普段から地震活動が活発なエリア
- 京都付近
- 千葉
- 神奈川
- 茨城
など。ただし、M4、5の地震は日本では頻繁に起きているため、この予報図には表れやすい。ただし巨大地震についてはデータが少ないため統計学的な予報は難しいという。(この図には現れない可能性が高い)
日本ではまだテスト中で公表されていないがアメリカでは、サンアンドレアス断層などですでにアメリカ地質調査所(USGS)で実用化「STEP」している。
今後は、統計学や地震警報システムを駆使した予測をさらに発展させてゆきたい。天気予報も外れることはあるので、地震予報についてもとにかく伝えることが大切かもれないという。
(以上「NHKスペシャル メガクライシス 第2集「地震予測に挑む」より)
メガクライシス第2集反響ツイート
日本列島の2か所で見つかった“地震の火種”。
— NHKスペシャル公式 (@nhk_n_sp) 2016年9月10日
テレビ初公開の「地震予報地図」では、9月20日までに全国で地震が起きやすい場所を #統計学 で予測!#NHKスペシャル #メガクライシス 今夜9時https://t.co/FnOFYWcjXr
#南海トラフ 巨大地震の前ぶれ? #熊本地震 以後に西日本の海底で起きている異変とは。
— NHKスペシャル公式 (@nhk_n_sp) 2016年9月11日
そして、次の #大地震 はいつどこで起きるのか?
最新の地震予測研究をわかりやすく、かみ砕いてお伝えします!#メガクライシス 巨大 #地震 まもなく9時から
メガクライシス見てやっぱ統計学勉強したくなるマン…最近数学楽しいし、本来の適正としてはあってると思うんだ…
— あすけは飯写真送り先にして欲しい🐌ハッピーででむし (@_A__k1wa3) 2016年9月11日
NHKメガクライシス、「火種」と「スロースリップ」は自然科学だけれど、後半統計学の予想は「たった」100年間の統計データでM4以上の地震を予想するというまったく違う話。最後に関連して米国の地震予報の話を持ち出していたけれど、統計学の予想では日本で本当に危険な巨大地震の予報は無理…
— ねこ。 (@sasame_yky) 2016年9月11日
3.11の前にも宮城県沖で起きていたスロースリップ。熊本地震の翌日から日向灘で揺れが観測されスロースリップとみられる。この震源域が徐々に東に広がっており南海トラフの想定震源域に近づきつつある。 #Nスペ #メガクライシス #nhk
— あやdeみかん★防災系@東京 (@ayaccoli32) 2016年9月11日
NHKメガクライシス、熊本地震の波形に、熊本地震に影響された日向灘のスロースリップとみられる揺れが混じっていたというのは気になった。スロースリップが南海トラフ南端にかかっているとの事だけれど、それが引き金になる場合、同時なのか、火種論だと少し間隔をおいた連動も?って聞きたかった…
— ねこ。 (@sasame_yky) 2016年9月11日
メガクライシスをみていて、いつの日か天気予報のように地震予報も流れるようになったらいいとは思う反面、「台風直撃しますよ」と警告されてもガン無視する職場ばかりでは、食い扶持を維持しながら身を守っていくのは本当に難しいと半ば諦めモードになったのである
— あきら@東亰 (@ku3mei9) 2016年9月11日
NHKメガクライシスの最初の「火種」論の研究者の、「日本のどこでも地震の危険があります、では、かえって危機意識が薄れてしまう」だから危険度の高い場所に警告をって良かった。現在、あげられていたのは糸魚川静岡構造線断層帯の長野〜山梨と、仙台の2箇所。
— ねこ。 (@sasame_yky) 2016年9月11日
NHKのメガクライシス見てるけど、これ松本と仙台の人は嫌だね…。
— 𝕄𝕆ℂ𝔸🎥 (@unycom) 2016年9月11日
23:15,今日はほとんど微動がなかった。明日の朝厳戒を解除の予定。メガクライシスの地震編を見たんだけど。火種説も真理から遠からずの印象ですが、私見からすると逆説的かな。でも可視化してテクニカルに判断できるという点ではグウの音も出ないです;(こちらはせいぜいブログツイログ)
— 地震くるみる(21時以降なら0日目 (@kurumiru_michi) 2016年9月11日
https://twitter.com/ok0j0/status/775342888448176128
地震予知も天気予報と同じで、自然現象を完璧にシミュレートできれば予知できるでしょう。まぁ、天気すらろくにできてないのが現状だけど
— etoneko (@etoneko_jp) 2016年9月12日
NHKスペシャルの地震の予測に迫った「メガクライシス特集」に賛否両論 https://t.co/ZJDNBVbvRQ #niconews
まあでも、一世紀以前も昔は天気予報ですら有り得ない事だったんだし。一世紀先は自身予報が当たり前になってるかもよ?
— 川原卓也 (@kawahara0954) 2016年9月12日
NHKスペシャルの地震の予測に迫った「メガクライシス特集」に賛否両論 https://t.co/2bBXTpBEAs #niconews
https://t.co/V0NvDJBqSD
— ユーライフ (@you_life) 2016年9月13日
昨晩、録画したNHKのメガクライシスの2集を視聴しました。完全に地震発生の予測をするのは無理だと思いますが、ある程度は可能になってくれると嬉しいです。住宅の耐震や非常食などの準備もしておきたいところです。
前回のメガクライシス
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